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魔物の襲来

眠ってくれ

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「お前いきなり出てきて何ふさげてるんだよ!」

ライズはセバスの連れてきたロイという青年に向かって言う。

しかし、ロイはというとライズの声など聞こえていないのか一切反応をしない。

「ライズ、やめときなさい」

ロイの反応に先程までの疲労など忘れ、さらに突っかかって行こうとしたが、シズナに止められる。

「なんで止めるんだよ」

あんなふざけたやつをなんで庇うのかとライズはシズナに不満を垂れる。

「さっきユード様の名前を出してたのよ。下手なことはやめときなさい」

第二王子の名前にライズは怖気付いたようで、ロイに対する不満の声が心なしか小さくなっていった。


レムは目の前に現れた古くからの知り合いの姿に目を丸くする。

なぜ、ロイがこの場所にいて自分が生きていることを知っているのか、整理がつかない。

「おじいさま、これは一体どういうことですか」

シズナはどこで何をしてきたのか、問い詰めるように聞いた。

「この青年はユード様の私設部隊に属するロイという。ユード様の行方を探している中で知り合ったんじゃよ」

ライズは自分と同じくらいの青年が王子の私兵であるということに、プライドに傷がついたのが見てとれる。

「なんでそんな奴をここに連れてきてるんだよ。王子様を守ってるはずだろ」

「レムにに会いに来たのね」

シズナが大方のことを察したのか、そうつぶやく。

「なんでレムなんだ?」

ライズは1人だけついていけてないようだ。

「レムはレム=グロリア様なんでしょ?」

セバスはレムと顔を見合わせると、ゆっくりと頷いた。

セバスの反応に、シズナは初めて会った時から抱いていた疑念が全て晴れたようだ。

「はあ?王女様は死んだんじゃないのかよ!」

ライズはかけらも想像していなかった事態に1人だけ取り残されていた。

「お話はまた後程にしていただけますか。今は一刻も早くレム様に眠っていただかないといけませんので」

ロイはまだまだ聞きたいことがありそうな2人の話を遮るように言う。

「そもそも、それが一番意味わからねえんだけど」

ロイの意味不明な発言に対するライズは不信感が募っているようだ。

レム自身も、急にあられたロイが、こんな戦場で眠るように勧めてくる事に不安を感じたが、同時に自分の力を信じてくれているという事実が嬉しくもあった。

「私が眠りにつくあいだ、守ってくれるの?」

「レム様が目覚めるまで、この命に変えても」

レムの問いかけに、ロイは片膝をつき忠誠を誓うように進言した。

「微力ながらこの老いぼれも力を貸しますぞ」

セバスもロイの隣で同じような態勢を取りレムに言う。

「レムもじじいも何言ってるんだよ。みんな集まったしここから脱出するんだろ?」

「ライズ、空気読みなさい。レムも詳しい話をまた聞かせてね」

シズナもそう言いながらレムの目の前で2人に加わる。

「もう訳わかんねえけど、好きなだけ寝てこいよ。」

ライズも頭をかきながら、まったく理解できない流れにのった。





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