女神のミスで死亡したオタ女子の私が、BLを求めて異世界転生したら百合展開が多い件〜無駄に高性能にされたんだけどそんな事よりBLを寄越せ〜

くろひつじ

文字の大きさ
37 / 40

ちょっとした事だけど実は大事な話ってあるよね

しおりを挟む

 出されたものは全て食べる。これは私のポリシーだ。
 好き嫌い関係なく、いくら不味くても出されたものは全て食すべし、である。
 まぁそのルールが無ければ生きてこれなかっただろうし。
 という訳で。

「……しばらく甘いものはいらないかも」
「お疲れさん。お前も大変だな」
「いや、アンタ程じゃないわよ。そっちこそお勤めご苦労さん」
「おう、ありがとよ」

 勇者ちゃんたちとの朝食(?)後。
 最強の癒し枠であるアメジストたんを訪ねようと思ったんだけど、途中であの子が夜型なのを思い出して予定変更。
 とりあえず自室に戻ろうとしたところでジークを見掛けたのでダラダラと立ち話なう。

「まーとにかく、しばらくは大人しくなると思うわよ」
「すまんな、本気で助かる。立場上どうしても止めようがなくてな」
「アンタらも大変だよねー」
「仕事だからな。それに慣れてきた」
「それもすげぇ話だな」

 うーん。あの魔王ちゃんの部下なら労働環境は悪くないだろうけど、ジークだけ妙に苦労してそうなんだよなー。
 苦労人オーラっぽいものがにじみ出てる気がする。

「あ、そだ。人間の街に行く許可もらったからちょっと遊びに行ってくるわ」
「そうか、それは良かったな。お前も同族が周りにいた方が気が楽だろうしな」
「んー。その辺りはあまり気にしてないかなー」

 癖は強いけど良い人ばかりだし。
 それにジークみたいに心配してくれてる人もいるからね。

「私は崇高な使命の為に人里に行かなければならないのよ」
「ほう。確かにお前は最高神様とも既知の仲だし、色々あるんだろうな」

 ごめん、それ全く関係ねぇわ。
 BLカップリングの幅を広げる為に行くだけだし。
 今のところジークと商店のリチャードさんしか男性の知り合いいないからなー。
 この二人って接点が無さすぎて掛け算しにくいんだよね。

「何かあれば言ってくれよ? 嫌々ながら手伝ってやる」
「こんあ美少女の手助けができるなんてアンタも幸せ者よね」
「本当にお前、見た目だけは完璧なんだがなぁ」
「中身が残念な自覚はある」

 元々オタ活に人生ささげてた腐女子だし。

「残念では無いんだが……中身と外見の差が凄いよなお前」
「え、まじ?」
「見た目だけならおそらく魔王領で一番じゃないか?」
「うわ、そんなにか」

 でも言われてみれば確かに、生命の最高神が全力でモデリングした身体だからなー。
 鏡見た時に自分でも美少女だって思ったし。
 この見た目に加えて誰からも好かれる『愛』スキル持ちだもんね。
 まさにチートだな。前世で想像してた系統では無いけど。

「ふむ……そういえばお前、異種族間の恋愛には寛容な方なのか?」
「は? 恋愛に種族とか別にどうでも良くね?」
「なるほど、ドラゴンに求愛されても良いという訳か」
「あーどうだろ。見た事ないしなー」

 ていうかドラゴンって言われると青いハンバーグを思い出すけども。
 食肉と恋愛か。すげぇ性癖だな。

「まーできれば人型が良いかなー」
「それはそれで範囲が広いな。まぁお前なら相手に困る事も無いだろうがな」
「てかいきなり何の心配されてんだ私」
「うーん。なんて言うか……ちょっと真面目な話をするが良いか?」
「は? いいけど、何?」

 なんだ改まって。ちょっと身構えちゃうんだけど。

「お前、自分の立場が分かってるか?」
「……うん? 立場?」
「あぁ。最高神様達と友人である以上、お前はこの世界でも有数の権力者だ。そんなお前が何かを求める事も無く大人しく過ごしているのを不気味に思っている連中もいる」
「あ、なるほどね。言われてみりゃそうか」
「お前が悪人でない事は俺が保証するが、それでも意図が読めないところはあるからな」

 うんまぁ読めないだろうな。
 たぶんこの世界に理解者はいないだろ。
 いや、ナインならワンチャン行けるか?

 そんな事を考える私に向かって、ジークは珍しく真面目な顔を向ける。
 ちゃんとしてるとイケメンなだけあって圧があるなコイツ。

「リリィ・クラフテッド。お前はこの世界で何を望む?」

 その問い掛けに、以前ライラと交わした言葉を思い出した。
 私の望むもの。私が欲するもの。そんなものは決まり切っている。

「推し活、BL、掛け算」
「……すまん、単語の意味が分からんのだが」
「だろうな」

 何とも言えない表情のジークに苦笑いを返す。
 文化的には存在するんだろうけど、実物を見る機会はほとんどないだろうしな。
 そもそも女9対男1って比率をどうにかしないと厳しい気がする。
 いっそのことアテナにいって出生率を操作してもらうか?

「その、なんだ。推し活? とやらどんなものを指すんだ?」
「んー……分かりやすく言えば宗教に近いか。偶像崇拝は分かる?」
「あぁ、女神様の代替物、人形や彫刻を崇めるってやつだな」
「そうそう。私が求めるのは崇拝対象を探し出し、それを布教すること」

 に、なるんだろうか。改めて考えると説明難しいな、推し活。
 BLに関しては一言で説明できるし、掛け算に関してはいくらでも語れるが。

「ふむ。つまりお前は聖職者なのか?」
「いやいや、こんな腐った聖職者いたら嫌すぎるだろ」
「腐った……? いやしかし、話を聞いていると人間族の聖女と似た活動のようだが」

 うわ、この世界って聖女なんて人もいるのか。
 もしかしたら人間の街だと悪役令嬢とかいるのかな。
 個人的にざまぁはあまり好きじゃないんだけど。

「あーもう何でも良いわ。とにかく私には目的があるのよ」
「なるほど。では次からお前のことを聞かれたら、聖女のようなものだと答えるとするか」
「何の嫌がらせだテメェ」
「これでも善意なんだがな。自分の立場をはっきりさせておかないと無駄に敵を作るぞ? 現に魔王軍でもお前の存在を危惧している連中がいるくらいだ」
「あ。なるほど、そうのもあるのか」
「政治的な話になるが、敵対心が無いならそれを前面に出す必要があるんだよ。最高神様達の友人ともなれば、お前ひとりで魔王軍と渡り合えるからな」

 ……いや、うん。たぶん女神関係なしに戦えると思うな―。ステータスとスキル的に。
 それはおいといて。
 確かに今までふわっとしてたけど、周りにもうちょい無害アピールしといた方が良いのかもね。
 そういう意味ではアメジトたんとか魔王ちゃんと知り合えたのは大きいな。
 今のところ勇者ちゃんとも仲良くやれてるし、その辺りを周りに知ってもらえば大丈夫そうだ。

「うん、ありがと。もう少し気をつけるわ」
「リバーシの宿敵がいなくなったらつまらんからな」
「ふははは! 宿敵と言える腕前になってから出直せい!」
「うっわ殴りてぇ。なんで俺はこんな奴のために頭を悩ませてるんだろうな」

 そんな事を言いながら苦笑するジークに対して、こちらもニコリと笑いかける。
 実際かなり助かった。言われないと気が付かない事だったし。

「まぁ、今度ご飯でも奢らせなさいよね」
「んじゃまた飲みに行くか。違う店も紹介してやるよ」
「お、それいいわね。久々に辛いものが食べたいわ」
「ふむ。ならば一つ良い店を知っているぞ。バジリスクの辛味揚げが有名な店でな」

 途端にいつもの調子に戻ってくれたジークに内心で感謝しつつ、立ち話は一時間ほど続いた。
 こいつ中身も外見もマジでイケメンだよなー。

 早くカップリング作りたいわ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました

miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。 ※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。 「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」 魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。 しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。 一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。 「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」 嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...