転生魔女と聖獣フェンリル

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目が覚めた私はゆっくりと辺りを見回す。
ここは一体どこだろう？
確か私はトラックに轢かれて…
…あれ？なんで私生きてるの？

でも、ここは明らかに病院ではないよね…
とりあえず起き上がろうとして身じろいだ時体に違和感を感じる。

…？あれ、なんか体がおかしい？

思わず手を挙げた瞬間驚きに目を見開いて声も上げてしまう。

「あぁ～う！！」

…！！えっ、何今の声、しかもこの赤ちゃんのようなムチムチした小さな手…

もしかして、私…赤ちゃんになってる！？

待って、一旦落ち着け私…これは所謂転生というものでは無いか？
でも、普通転生物の小説って真っ白な世界で神様との邂逅があってどんな世界でどういう能力を与えてくれるとか…
そんな話が小説ではよくあったはず！！

なのに何故私には、そんな事が一切なく気づいた時には赤ちゃんになっているんだ…

というか、私がここにいるって事は両親や友達は私が死んだ後どうなっているんだろう。

それに私の大切な愛犬のリロは…？ちゃんと保護されたのかな…。

悶々と考えていると唐突に女性の声が聞こえてきた。

「あら、ルチア起きたのね！」

えっ？誰？

声が聞こえてきた方向に目配せすると絶世の美女がそこにいた。

あっ、絶対にここ異世界だわ。

だって絵に描いたような、日本の異世界小説に出てくるような美女なんだもん。

白磁のような白い肌に、肌の色に生える艶やかなしかし甘すぎないピンク色の髪をふわりと靡かせ、優しい瞳は銀色に輝いている。

そんな人が顔をアイスのように蕩けさせながら私の顔を見つめている。

「さすが、私の娘よ～将来絶世の美女間違いないわね！！」

そう言いながら私のことを抱き上げる美女。

先程の言葉を聞く限り今世の母親は今目の前にいる美女らしい。

ていうか、私はこの人の子供ってこと！？

嬉しいけどこんな美人から生まれて顔が綺麗じゃなかったら複雑だなぁ。

まぁ、別にどうでもいいか。

「今日はね、ルチアにとっておきのプレゼントがあるの！！」

ん？なんだろう。

「ジャーン！！」

ばっ、といきなり何も無い空間から出てきたのは真っ白に輝く…犬！？

えっ？
ていうか、今どこからこのワンちゃん出てきたの？
この世界って魔法があるの？

私の頭が混乱している中、母親は説明を始めた。

「この子はね、聖獣なのよ！私達の一族はね、代々聖獣を受け継ぐとても高潔な魔女の一族なのよ～」

…はぁ～っ！？どういうこと！！

「ルチアはまだ赤ん坊だから、もうちょっと大きくなったらもっと詳しく教えて上げるわね！今はこの子と仲良くなって、ルチアが喋れるようになったらこの子に名前をつけて上げてね！」

そう言ってにこにこしながら私をベットの上に降ろした後、真っ白なフェンリルを私の横に寝かせる母親。

どうやら私は魔女の、それもかなり特殊な一族に転生してしまったらしい。


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因みに魔女の一族と言いましたが、男性も出てきます！