34 / 45
情報収集
しおりを挟む
桐生 真斗。オンラインゲームのシステムを構築したり、企業に依頼されアプリケーションを作成などを行うフリーのプログラマーである。腕は確かな様で、多くの仕事を手早くこなしている。成功体験の多さからか、自己評価が高く他者を見下した発言が多い。
その性格も起因して、交友関係も打算的なものが多く、深い関係の相手はいない。女性関係はさらに悲惨で、浮気をして破局を繰り返している。普通の女に相手をされなくなると水商売の女に金銭を餌に交際する。それも長く続かず、別の女性に興味を持つとスッパリと関係を絶つ。それが元で過去の交際相手と刃傷沙汰になることもあった。時にはヤクザのお気に入りの女に手を出して、追われる身になったこともあるのだとか。それでも無事に生き延びているのだから驚くべき生命力である。
聞けば聞くほど、呆れる経歴に玲子は、思わず溜息を吐いた。刃傷沙汰になっても懲りないのなら、死ぬまで変わらないだろう。そんな人間が無理矢理に縁を結べば、ろくなことにならないのは明白だ。
「容姿は平々凡々って感じなのに随分、浮いた生活してるな。誠には浮いた話が微塵もないけど」
「最後の必要だったかなぁ・・・・・・」
「まあ、結局アプローチをしない人間は、いくら性格が良くてもそういう対象になりにくいってことだろうけど」
「肝に銘じます・・・・・・」
ガックリと項垂れる誠を他所に玲子は、どうすれば悠美と真斗の縁を切れるかを考えていた。
縁結びの効果は両者に効果を与えるものである。詰まるところ、縁を結んだ真斗にも変化が起こっている可能性が
高く、人格が矯正される可能性もない訳ではない。熱しやすく冷めやすい感情が縁結びのおかげで恒常化されている場合もあり得る。
しかし、いくら相手の人間性が変化していようと、無意識で死を選ぶほどの嫌悪感を放置する訳にもいかない。
先ほどの話も可能性論でしかない。両者に正常な関係が結ばれるとは限らず、恋人関係ではなく、愛玩動物と主人の様な関係が形成される可能性も存在する。
幻想遺物は、常識ではあり得ない異質な現象を起こすものである。そして、常識では考えられない現象を引き起こす以上、それがもたらす悪影響も常識では予想が難しい。
玲子は、自身の右手に視線を向けた。銀色の鈍い光を放つ義手は、玲子の意思に反応して拳を握る。この義手は、玲子の思い通りに動くだけの代物ではない。この幻想遺物も超常的な効力を持つ。その辺りの小手先の幻想遺物などよりもより強い効力を持っている。だが、それ以上に危険性も大きい。ただの良くできた義手として扱うには、危険性が大きすぎる。
「出来れば、使わずに済むと良いんだけど」
玲子は自身の右腕を見つめると願う様にそう呟いた。
その性格も起因して、交友関係も打算的なものが多く、深い関係の相手はいない。女性関係はさらに悲惨で、浮気をして破局を繰り返している。普通の女に相手をされなくなると水商売の女に金銭を餌に交際する。それも長く続かず、別の女性に興味を持つとスッパリと関係を絶つ。それが元で過去の交際相手と刃傷沙汰になることもあった。時にはヤクザのお気に入りの女に手を出して、追われる身になったこともあるのだとか。それでも無事に生き延びているのだから驚くべき生命力である。
聞けば聞くほど、呆れる経歴に玲子は、思わず溜息を吐いた。刃傷沙汰になっても懲りないのなら、死ぬまで変わらないだろう。そんな人間が無理矢理に縁を結べば、ろくなことにならないのは明白だ。
「容姿は平々凡々って感じなのに随分、浮いた生活してるな。誠には浮いた話が微塵もないけど」
「最後の必要だったかなぁ・・・・・・」
「まあ、結局アプローチをしない人間は、いくら性格が良くてもそういう対象になりにくいってことだろうけど」
「肝に銘じます・・・・・・」
ガックリと項垂れる誠を他所に玲子は、どうすれば悠美と真斗の縁を切れるかを考えていた。
縁結びの効果は両者に効果を与えるものである。詰まるところ、縁を結んだ真斗にも変化が起こっている可能性が
高く、人格が矯正される可能性もない訳ではない。熱しやすく冷めやすい感情が縁結びのおかげで恒常化されている場合もあり得る。
しかし、いくら相手の人間性が変化していようと、無意識で死を選ぶほどの嫌悪感を放置する訳にもいかない。
先ほどの話も可能性論でしかない。両者に正常な関係が結ばれるとは限らず、恋人関係ではなく、愛玩動物と主人の様な関係が形成される可能性も存在する。
幻想遺物は、常識ではあり得ない異質な現象を起こすものである。そして、常識では考えられない現象を引き起こす以上、それがもたらす悪影響も常識では予想が難しい。
玲子は、自身の右手に視線を向けた。銀色の鈍い光を放つ義手は、玲子の意思に反応して拳を握る。この義手は、玲子の思い通りに動くだけの代物ではない。この幻想遺物も超常的な効力を持つ。その辺りの小手先の幻想遺物などよりもより強い効力を持っている。だが、それ以上に危険性も大きい。ただの良くできた義手として扱うには、危険性が大きすぎる。
「出来れば、使わずに済むと良いんだけど」
玲子は自身の右腕を見つめると願う様にそう呟いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる