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3章
Part 134『鬼の愛』
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「もし、私とサクヤさんが同時に崖に落ちそうになってたらどっちを助けますか?」
あまりにもお姉ちゃんがサクヤさんの事を気にかけているので、ちょっとだけ意地悪な質問をしてみました。
妹ポジションまでは流石に奪われる訳にはいきません。
「はい? どうしたんです? いきなり・・・・・・でも、そうですね。勿論ーー」
流石に私はお姉ちゃんの肉親なので流石に大人気ない勝負をしてしまいました。
「サクヤさんですね。粉雪なら最悪落ちても上がってこれますし・・・・・・」
「信頼が別方向ですよ!」
予想外の方向からスパルタなお姉ちゃんに内心かなりびっくりしてしまいました。確かに鬼として恵まれた身体能力を持った私は、崖に落ちたくらいで死ぬような存在ではないので正解ですけど、欲しかったのは、そんな言葉じゃないんですよ!
「良いですよ。お姉ちゃんのそういうなんか変なところでリアリストなところ嫌いじゃないです。」
「なにをボソボソ言ってるんですか。ほら、2人が出て行ってしまいますよ。追いかけましょう。」
そう言って私を放置して2人の尾行を続けるお姉ちゃんです。
「・・・・・・ここに愛はありますか?」
私は適当に近くにいた店員さんに声をかけます。店員さんは困惑した表情を浮かべていますが、まあ、正直、なんとなく寂しかったから声をかけただけです。
「あのお客様・・・?」
「いえ、分かってはいるんです。与えられるだけの愛なんて意味ないって、愛は、自分から手にいれてこそなんです。」
「はぁ・・・・・・」
「という訳で、私は妹ポジションを取り戻すために頑張って追いかけます。諦めたらそこで試合終了です!」
そう言って私は、お姉ちゃんの後を追いかけました。と言ってもそこまで遠くにはいませんでした。
小さな雑貨屋の商品を見て軽く雑談を交わしているサクヤさんと日向さんを少し離れた看板から眺めるお姉ちゃん。
正直、私は、もう尾行ごっこには飽きたので若干、暇になってきました。
「お姉ちゃんは、好きな人いるって言ってましたけど結局、今も続いてるんですか?」
私がそう尋ねるとお姉ちゃんは、「いえ、最期まで一緒にいれましたよ。」と答えました。
「そっか。うまくいったんだね。おめでとう。」
それはつまりは、その相手はもういなくなってしまったという事です。好きな人を食べる妖怪である私達の種ですから、当然で、本能的なものです。
そこに悲しいとかそういう感情はほとんどありません。寂しさは少しはあるかもしれませんけど、それだって、一時的なものです。
『愛は永遠、寂しさは一瞬』と私達の家ではよく言われています。
「ええ、ありがとうございます。ところで、粉雪は、誰かと恋はしているんですか?」
「えっと・・・・・・次元が足りないかなぁって・・・」
恋バナを振れば、カウンターが返ってくるのを忘れてました。
あまりにもお姉ちゃんがサクヤさんの事を気にかけているので、ちょっとだけ意地悪な質問をしてみました。
妹ポジションまでは流石に奪われる訳にはいきません。
「はい? どうしたんです? いきなり・・・・・・でも、そうですね。勿論ーー」
流石に私はお姉ちゃんの肉親なので流石に大人気ない勝負をしてしまいました。
「サクヤさんですね。粉雪なら最悪落ちても上がってこれますし・・・・・・」
「信頼が別方向ですよ!」
予想外の方向からスパルタなお姉ちゃんに内心かなりびっくりしてしまいました。確かに鬼として恵まれた身体能力を持った私は、崖に落ちたくらいで死ぬような存在ではないので正解ですけど、欲しかったのは、そんな言葉じゃないんですよ!
「良いですよ。お姉ちゃんのそういうなんか変なところでリアリストなところ嫌いじゃないです。」
「なにをボソボソ言ってるんですか。ほら、2人が出て行ってしまいますよ。追いかけましょう。」
そう言って私を放置して2人の尾行を続けるお姉ちゃんです。
「・・・・・・ここに愛はありますか?」
私は適当に近くにいた店員さんに声をかけます。店員さんは困惑した表情を浮かべていますが、まあ、正直、なんとなく寂しかったから声をかけただけです。
「あのお客様・・・?」
「いえ、分かってはいるんです。与えられるだけの愛なんて意味ないって、愛は、自分から手にいれてこそなんです。」
「はぁ・・・・・・」
「という訳で、私は妹ポジションを取り戻すために頑張って追いかけます。諦めたらそこで試合終了です!」
そう言って私は、お姉ちゃんの後を追いかけました。と言ってもそこまで遠くにはいませんでした。
小さな雑貨屋の商品を見て軽く雑談を交わしているサクヤさんと日向さんを少し離れた看板から眺めるお姉ちゃん。
正直、私は、もう尾行ごっこには飽きたので若干、暇になってきました。
「お姉ちゃんは、好きな人いるって言ってましたけど結局、今も続いてるんですか?」
私がそう尋ねるとお姉ちゃんは、「いえ、最期まで一緒にいれましたよ。」と答えました。
「そっか。うまくいったんだね。おめでとう。」
それはつまりは、その相手はもういなくなってしまったという事です。好きな人を食べる妖怪である私達の種ですから、当然で、本能的なものです。
そこに悲しいとかそういう感情はほとんどありません。寂しさは少しはあるかもしれませんけど、それだって、一時的なものです。
『愛は永遠、寂しさは一瞬』と私達の家ではよく言われています。
「ええ、ありがとうございます。ところで、粉雪は、誰かと恋はしているんですか?」
「えっと・・・・・・次元が足りないかなぁって・・・」
恋バナを振れば、カウンターが返ってくるのを忘れてました。
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