136 / 352
3章
Part 136『本能ですからしょうがない。』
しおりを挟む
「ていうか、これ本当に生き物なのか?」
雪飴を食べ終えてから俺はそう呟いた。すると頭の中で再び声が響く。(この世界にしかいない生き物ですよ。)という声が響いて驚くが、良く良く思い返してみればこれは粉雪の声である。
周囲を見渡してみると店の立て看板の裏に真冬さんと粉雪が隠れている。
もしかして、あの人達、尾行してたんじゃないだろうな・・・・・・
俺に発見されたことに気づくと真冬さん達は、ゆっくりと近づいてくる。
「どうですか? さっきの店で買った人に言葉を飛ばすことの出来る道具。これがあれば、付き合いたてのじれったいカップルもいちころです!」
やっぱり、最初の声も粉雪だったのか。というよりも、先ほどの話が気になった。
「やっぱり、あれ生き物なのか・・・」
「よく分かんないんですよね。意思もないですし、ただ空中を漂っているだけの存在なので、ただ、2体以上の個体がいると勝手に繁殖するっていう不思議な生物なんですよね。あと、暑い空間でも溶けないのに体に触れると急速に溶けて周囲に冷気を出すっていう特性があるんで、食べ物として利用しているんです。雪飴って名前はその頃につけられたんですけどね。」
「だとすると、かなりコスパの良い商品だな。」
放っておけば増える生き物でシロップをかけるだけで三百円、利益率どれぐらいなんだろうか。
「まあ、数を売らないと大きな利益は出ないですし、繁殖するって言ってもそんなにハイペースで増えるわけではないのでそこそこ儲かるって感じですね。」
「なるほどな・・・」
「それに大量に飼育してもし、何かの手違いでぶちまけたら大事故です。一個だとひんやりとしてて気持ちいいんですけど数が増えると大変なことになります。一回、数十匹の雪飴をかけられて、氷漬けにされた妖怪がいました。」
「大惨事じゃねぇか!」
想像以上に危険な生き物だった。と言うことはあの雪飴の大量に入った水槽に入ったら即座に氷漬けになるという事だ。
「まあ、中の妖怪は無事救出されましたから大丈夫ですよ。」
「いや、確実に俺は大丈夫じゃないって事だよな。それ・・・」
粉雪は、そう言われて「気をつけてくださいね」と笑った。笑えないから・・・・・・。
「アイスになったら食べてあげますよ。お姉ちゃんと一緒に」
「そうですね。峰さんが良いと言うなら・・・・・・」
控えめな態度でそんな事を言う真冬さんだったが全然、可愛くない。むしろ、その目は爛々と輝いて見えた。
「いや、あの、気をつけるんで・・・・・・普通にその獲物を狙うような眼やめてもらえませんか・・・・・・」
そう言えば、この二人、人間や妖怪を食べるじゃないか。本当に洒落にならない。
俺、この人達の家に泊まるんだよな・・・・・・不安しかない・・・・・・。
雪飴を食べ終えてから俺はそう呟いた。すると頭の中で再び声が響く。(この世界にしかいない生き物ですよ。)という声が響いて驚くが、良く良く思い返してみればこれは粉雪の声である。
周囲を見渡してみると店の立て看板の裏に真冬さんと粉雪が隠れている。
もしかして、あの人達、尾行してたんじゃないだろうな・・・・・・
俺に発見されたことに気づくと真冬さん達は、ゆっくりと近づいてくる。
「どうですか? さっきの店で買った人に言葉を飛ばすことの出来る道具。これがあれば、付き合いたてのじれったいカップルもいちころです!」
やっぱり、最初の声も粉雪だったのか。というよりも、先ほどの話が気になった。
「やっぱり、あれ生き物なのか・・・」
「よく分かんないんですよね。意思もないですし、ただ空中を漂っているだけの存在なので、ただ、2体以上の個体がいると勝手に繁殖するっていう不思議な生物なんですよね。あと、暑い空間でも溶けないのに体に触れると急速に溶けて周囲に冷気を出すっていう特性があるんで、食べ物として利用しているんです。雪飴って名前はその頃につけられたんですけどね。」
「だとすると、かなりコスパの良い商品だな。」
放っておけば増える生き物でシロップをかけるだけで三百円、利益率どれぐらいなんだろうか。
「まあ、数を売らないと大きな利益は出ないですし、繁殖するって言ってもそんなにハイペースで増えるわけではないのでそこそこ儲かるって感じですね。」
「なるほどな・・・」
「それに大量に飼育してもし、何かの手違いでぶちまけたら大事故です。一個だとひんやりとしてて気持ちいいんですけど数が増えると大変なことになります。一回、数十匹の雪飴をかけられて、氷漬けにされた妖怪がいました。」
「大惨事じゃねぇか!」
想像以上に危険な生き物だった。と言うことはあの雪飴の大量に入った水槽に入ったら即座に氷漬けになるという事だ。
「まあ、中の妖怪は無事救出されましたから大丈夫ですよ。」
「いや、確実に俺は大丈夫じゃないって事だよな。それ・・・」
粉雪は、そう言われて「気をつけてくださいね」と笑った。笑えないから・・・・・・。
「アイスになったら食べてあげますよ。お姉ちゃんと一緒に」
「そうですね。峰さんが良いと言うなら・・・・・・」
控えめな態度でそんな事を言う真冬さんだったが全然、可愛くない。むしろ、その目は爛々と輝いて見えた。
「いや、あの、気をつけるんで・・・・・・普通にその獲物を狙うような眼やめてもらえませんか・・・・・・」
そう言えば、この二人、人間や妖怪を食べるじゃないか。本当に洒落にならない。
俺、この人達の家に泊まるんだよな・・・・・・不安しかない・・・・・・。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる