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4章
Part 256『解呪』
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「おや、遅かったじゃないか。」
息を切らしながらサクヤの木まで来た俺にリューは気の利かない事を言う。
これでも、歩く事なく移動してきたので服は絞れるほどに濡れている。
俺が慌ててきた事を察してリドは、水の入ったペットボトルを差し出してくれるので、ありがたく受け取って、乾いた喉を潤した。
「随分、急じゃないか・・・・・・」
「まあ、契約は早めに終わらせておきたいのさ。僕も中々、仕事が終わらないからね。」
「ああ、言っていた奴か・・・・・・」
リューの仕事はどうやら、まだ終わらないらしい。魔法が使えない案件となるとそうなるのは仕方ないのかもしれない。
「まあ、急だというのは謝るよ。けれど、早めに僕が必要な仕事は終わらせておきたいのも事実だ。」
実際、彼女の仕事は、呪いを解けば、なにもないのだ。だから、今の仕事に専念出来るという事だろう。
俺の側に近づいて来たサクヤも少し不安そうな表情を浮かべている。実際、長い間、咲けないという呪いを受けていた訳でそれが解除されるのは不安があるのかもしれない。
それを察した様にリューは、こちらを見て小さく笑った。
「ああ、安心しなよ。呪いを解いた瞬間に桜が咲くなんて事はないからさ。いつ咲くのかはサクヤの意思だよ。」
「そうですよね。いえ、随分、咲いていないので、なんだか不安になってしまって・・・・・・」
サクヤもリューの言動に少し控えめに愛想笑いを浮かべていた。理解は出来ていても不安はある様で俺は、落ち着いて貰うためにサクヤの手を握った。
その様子を見てリューはからかう様な笑みを浮かべ、リドは、どこか微笑ましいものを見るような生暖かい表情をしていた。
「随分、見ない間に恋人っぽくなったね。二人とも。」
「それよりも、呪いを解く副作用みたいなのはないのか?」
なんだか、照れ臭くなって俺は、少し無理矢理に話題を変える。
呪いは、デメリットとメリットは共存すると言っていた。代償さえ支払えば、利益を得るという事ならば、呪いを解くことによってそのメリットがなくなり不利益を得る事も考えられる。
「いや、特にはないね。僕がかけた呪いは、咲かない事で利益は、魔法が上達する事だからね。今、出来ることが急に出来なくなったりはしないよ。」
リューの言葉に「そうか。良かった。」と思わず言葉が漏れる。隣にいるサクヤも少しホッとした表情を浮かべている。
「さて、それじゃあ、解こうか。」
そう言ってリューはゆっくりと桜の木に触れる。すると、桜の木が薄く光り始め、文字が浮かび上がる。呪いの時に使用される文字だ。見えていなかっただけで、桜には常に呪いの文字が刻まれていたのだ。
よく見ていると薄い光りを放つ文字は、まるでシールが剥がれるようにゆっくりと桜の木から外れていく。
そして、全ての文字が桜の木から外れるとリューは、軽く指を鳴らした。
すると、淡い光りを放っていた文字は、一瞬で霧散し消滅した。
「さて、これで呪いは解かれた。お疲れ様。よく仕事をしてくれた。おかげで助かったよ。」
呆気ない終わりに少し惚けているとリューは、俺達にそう言った。
これでリューの仕事は終わりだ。呪術師も俺に紹介し、サクヤの呪いも解いた。
「僕の仕事はこれでおしまいだ。しばらくは、この街にはいられなくなる。ツララやリドは、こっちに結構いるだろうけどね。」
「ああ、頑張ってくれな。」
「お互いにね。君も呪具の作成を頑張っておくれよ。」
「ああ。勿論。あと、まあ、なんだ、無茶苦茶な依頼もあったけど、いい経験が出来たよ。ありがとうな。」
実際、依頼を通して少し変われた気がするのも事実だ。だからこそ、最後くらいは、お礼を言ってもいいと思った。
サクヤも同じような感想を抱いていたのか、リューに頭を下げた。」
「なんだい? なんなら、もっと仕事を振ろうか? 歓迎するよ?」
戯けた様子でそう言うリューに「絶対に嫌だ。」と俺は笑った。
息を切らしながらサクヤの木まで来た俺にリューは気の利かない事を言う。
これでも、歩く事なく移動してきたので服は絞れるほどに濡れている。
俺が慌ててきた事を察してリドは、水の入ったペットボトルを差し出してくれるので、ありがたく受け取って、乾いた喉を潤した。
「随分、急じゃないか・・・・・・」
「まあ、契約は早めに終わらせておきたいのさ。僕も中々、仕事が終わらないからね。」
「ああ、言っていた奴か・・・・・・」
リューの仕事はどうやら、まだ終わらないらしい。魔法が使えない案件となるとそうなるのは仕方ないのかもしれない。
「まあ、急だというのは謝るよ。けれど、早めに僕が必要な仕事は終わらせておきたいのも事実だ。」
実際、彼女の仕事は、呪いを解けば、なにもないのだ。だから、今の仕事に専念出来るという事だろう。
俺の側に近づいて来たサクヤも少し不安そうな表情を浮かべている。実際、長い間、咲けないという呪いを受けていた訳でそれが解除されるのは不安があるのかもしれない。
それを察した様にリューは、こちらを見て小さく笑った。
「ああ、安心しなよ。呪いを解いた瞬間に桜が咲くなんて事はないからさ。いつ咲くのかはサクヤの意思だよ。」
「そうですよね。いえ、随分、咲いていないので、なんだか不安になってしまって・・・・・・」
サクヤもリューの言動に少し控えめに愛想笑いを浮かべていた。理解は出来ていても不安はある様で俺は、落ち着いて貰うためにサクヤの手を握った。
その様子を見てリューはからかう様な笑みを浮かべ、リドは、どこか微笑ましいものを見るような生暖かい表情をしていた。
「随分、見ない間に恋人っぽくなったね。二人とも。」
「それよりも、呪いを解く副作用みたいなのはないのか?」
なんだか、照れ臭くなって俺は、少し無理矢理に話題を変える。
呪いは、デメリットとメリットは共存すると言っていた。代償さえ支払えば、利益を得るという事ならば、呪いを解くことによってそのメリットがなくなり不利益を得る事も考えられる。
「いや、特にはないね。僕がかけた呪いは、咲かない事で利益は、魔法が上達する事だからね。今、出来ることが急に出来なくなったりはしないよ。」
リューの言葉に「そうか。良かった。」と思わず言葉が漏れる。隣にいるサクヤも少しホッとした表情を浮かべている。
「さて、それじゃあ、解こうか。」
そう言ってリューはゆっくりと桜の木に触れる。すると、桜の木が薄く光り始め、文字が浮かび上がる。呪いの時に使用される文字だ。見えていなかっただけで、桜には常に呪いの文字が刻まれていたのだ。
よく見ていると薄い光りを放つ文字は、まるでシールが剥がれるようにゆっくりと桜の木から外れていく。
そして、全ての文字が桜の木から外れるとリューは、軽く指を鳴らした。
すると、淡い光りを放っていた文字は、一瞬で霧散し消滅した。
「さて、これで呪いは解かれた。お疲れ様。よく仕事をしてくれた。おかげで助かったよ。」
呆気ない終わりに少し惚けているとリューは、俺達にそう言った。
これでリューの仕事は終わりだ。呪術師も俺に紹介し、サクヤの呪いも解いた。
「僕の仕事はこれでおしまいだ。しばらくは、この街にはいられなくなる。ツララやリドは、こっちに結構いるだろうけどね。」
「ああ、頑張ってくれな。」
「お互いにね。君も呪具の作成を頑張っておくれよ。」
「ああ。勿論。あと、まあ、なんだ、無茶苦茶な依頼もあったけど、いい経験が出来たよ。ありがとうな。」
実際、依頼を通して少し変われた気がするのも事実だ。だからこそ、最後くらいは、お礼を言ってもいいと思った。
サクヤも同じような感想を抱いていたのか、リューに頭を下げた。」
「なんだい? なんなら、もっと仕事を振ろうか? 歓迎するよ?」
戯けた様子でそう言うリューに「絶対に嫌だ。」と俺は笑った。
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