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序章
Part 7 『男の子は関西弁の妖怪と出会う。』
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おかしい、その黒猫の腹から尻尾にかけては、白骨化していて、黒猫の体肉がある部分は、まるで黒いモヤのように見えない。
「現実か・・・これ・・・」
目の前の猫は、こちらが自分の事を見ているのに気付いたのか、ガラスを軽く叩く、まるで開けろと言ってるように・・・
「いやいや、え、なに!? どうなってんの!? なんで、昨日までこんなのいなかったじゃん・・・」
怖い話は嫌いではないが得意ではない。というか、実際に起こってみるとそれ以前に突然のことで困惑してしまう。
「もしかして、サクヤにあったから・・・?」
妖精と関わったから、俺にも妖怪世界の何かが見えるようになったとか、そういうものなのか?
考えていても始まらない。相変わらず、猫はテシテシと窓を叩いている。
「・・・・・・悪い妖怪じゃないのか・・・?」
肉と骨との境目は靄のようなものがかかっているお陰でグロテクスさはそれほどではない。断面図でなくて本当に良かったと思うが、妖怪とかその類のものと接して大丈夫なのか?
「まあ、勝手に入れるんやけどね。」
躊躇していると窓をすり抜けて外にいた黒猫が入ってきた。その様子に驚いて後ろに後ずさり、バランスを崩してコケてしまう。
「あんたさん、鈍臭いな。何もとって食ったりはしませんがな。というか、うちの体が喰われとるやんけ、ニャハハ!」
黒猫は、流暢に喋り、大げさに大笑いする。その後、俺の前でお座りの姿勢をとる。勿論、下半身は骨なのでなんとも奇妙な光景である。
「あれ? 面白くない? うちらの間やと鉄板のジョークやねんけど、まだまだ、芸人としては、半猫前ですな。文字通り・・・」
「・・・・・・え・・・」
「あんたさん、ノリ悪いな。せっかく、うちらのことが見えるようになったようやから声かけ立ったのに・・・」
さすがに小粋なジョークで笑える状態じゃない。
「峰 日向くんやっけ? 桜の妖精と魔女と交渉しにいくんやなかったけ? うちらみたいなんに驚いてたら命がいくつあっても足りんよ?」
「え? なんで、そんな事知ってる・・・んですか?」
あの話は、あの時しかしていない。それなのに・・・
「猫は情報通やからね。自分の縄張りのことは大体よう知っとります。噂好きでお喋りやさかい。桜の妖精はんに・・・あー今はサクヤ名付けてもらったんでしたっけ? サクヤはんに魔女の話を教えたのもうちらのお仲間や」
「なるほど・・・それで・・・」
情報通というのは、おそらく間違い無いだろう。というか実際にこうもこちらの情報が筒抜けであるならば、黒猫の言うことは、間違い無いだろう。
「まあ、今日は顔見にきただけやし、今回はこれぐらいでお暇しよか、ほな。また。」
黒猫は、再び窓の向こうへと姿を消した。
それとほぼ同時に部屋のドアが開いて、その向こうで春香が冷たい眼差しでこちらを見ていた。おそらく、あの黒猫は、人の気配に気づいて帰ったのだろう
「一人でブツブツ言いながら何やってんの・・・?」
体が凍えそうなほど感情のこもってない視線に本気で軽蔑されている。と直感する。
「と、友達と話してたんだよ。いきなり、かかってきたからびっくりしちゃって・・・」
ベットに置きっ放しになった電話を掴みながら慌てて弁解する。
「友達? いるの? 基本的にバイト以外、家にいるのに・・・」
春香は、心底意外そうな顔を浮かべる。
「その相手を傷つけるつもりないのに毒吐くのやめてくれよ。いるよ。友達ぐらい・・・昨日も柏木さんとも友達になったし・・・」
「柏木さん?」
「ああ、めちゃくちゃ綺麗な人でな・・・良い人だぞ」
「へぇ・・・・・・それでいくら払ったの?」
「流石に信用なさすぎだろ!? 一銭も払ってない! 普通に昨日話して仲良くなったんだよ!」
「ふーん、まあ、別にどうでもいいけど・・・」
「春香、俺に興味なさすぎだろ・・・」
いや、ヤキモチ焼いてくれる。とかは流石に思ってはいないけど、もう少しさ・・・
「朝ごはん、お母さんが作ってくれてるから早く降りてきてよ。」
「・・・ああ、分かった。すぐいく」
今日は、サクヤとの約束もある。変なものも見える状況だが、約束してしまったのを破るわけにはいかない。それに今回の案件に関しては、常識外の存在が見えるというのは、助かるかもしれない。
ただ、この眼は、ずっと続くものなのだろうか・・・だとすれば、非常に色々と問題が多い気がする。
妖怪が見える人間が社会に阻害される物語は珍しくない。もしかしたら、自分も・・・ゾワリと背筋が寒くなるのを感じる。
「いや、まだ、悲観する段階じゃない。」
そう呟いて思考をリセットする。突然、なったのだから直す方法もあるに違いない。サクヤにきいてみれば
もしかしたら何か知っているかもしれない。
「とりあえず、ご飯を食べよう。それからだ。」
何をするにも活力が大切だ。ご飯を食べにリビングに向かった。
「現実か・・・これ・・・」
目の前の猫は、こちらが自分の事を見ているのに気付いたのか、ガラスを軽く叩く、まるで開けろと言ってるように・・・
「いやいや、え、なに!? どうなってんの!? なんで、昨日までこんなのいなかったじゃん・・・」
怖い話は嫌いではないが得意ではない。というか、実際に起こってみるとそれ以前に突然のことで困惑してしまう。
「もしかして、サクヤにあったから・・・?」
妖精と関わったから、俺にも妖怪世界の何かが見えるようになったとか、そういうものなのか?
考えていても始まらない。相変わらず、猫はテシテシと窓を叩いている。
「・・・・・・悪い妖怪じゃないのか・・・?」
肉と骨との境目は靄のようなものがかかっているお陰でグロテクスさはそれほどではない。断面図でなくて本当に良かったと思うが、妖怪とかその類のものと接して大丈夫なのか?
「まあ、勝手に入れるんやけどね。」
躊躇していると窓をすり抜けて外にいた黒猫が入ってきた。その様子に驚いて後ろに後ずさり、バランスを崩してコケてしまう。
「あんたさん、鈍臭いな。何もとって食ったりはしませんがな。というか、うちの体が喰われとるやんけ、ニャハハ!」
黒猫は、流暢に喋り、大げさに大笑いする。その後、俺の前でお座りの姿勢をとる。勿論、下半身は骨なのでなんとも奇妙な光景である。
「あれ? 面白くない? うちらの間やと鉄板のジョークやねんけど、まだまだ、芸人としては、半猫前ですな。文字通り・・・」
「・・・・・・え・・・」
「あんたさん、ノリ悪いな。せっかく、うちらのことが見えるようになったようやから声かけ立ったのに・・・」
さすがに小粋なジョークで笑える状態じゃない。
「峰 日向くんやっけ? 桜の妖精と魔女と交渉しにいくんやなかったけ? うちらみたいなんに驚いてたら命がいくつあっても足りんよ?」
「え? なんで、そんな事知ってる・・・んですか?」
あの話は、あの時しかしていない。それなのに・・・
「猫は情報通やからね。自分の縄張りのことは大体よう知っとります。噂好きでお喋りやさかい。桜の妖精はんに・・・あー今はサクヤ名付けてもらったんでしたっけ? サクヤはんに魔女の話を教えたのもうちらのお仲間や」
「なるほど・・・それで・・・」
情報通というのは、おそらく間違い無いだろう。というか実際にこうもこちらの情報が筒抜けであるならば、黒猫の言うことは、間違い無いだろう。
「まあ、今日は顔見にきただけやし、今回はこれぐらいでお暇しよか、ほな。また。」
黒猫は、再び窓の向こうへと姿を消した。
それとほぼ同時に部屋のドアが開いて、その向こうで春香が冷たい眼差しでこちらを見ていた。おそらく、あの黒猫は、人の気配に気づいて帰ったのだろう
「一人でブツブツ言いながら何やってんの・・・?」
体が凍えそうなほど感情のこもってない視線に本気で軽蔑されている。と直感する。
「と、友達と話してたんだよ。いきなり、かかってきたからびっくりしちゃって・・・」
ベットに置きっ放しになった電話を掴みながら慌てて弁解する。
「友達? いるの? 基本的にバイト以外、家にいるのに・・・」
春香は、心底意外そうな顔を浮かべる。
「その相手を傷つけるつもりないのに毒吐くのやめてくれよ。いるよ。友達ぐらい・・・昨日も柏木さんとも友達になったし・・・」
「柏木さん?」
「ああ、めちゃくちゃ綺麗な人でな・・・良い人だぞ」
「へぇ・・・・・・それでいくら払ったの?」
「流石に信用なさすぎだろ!? 一銭も払ってない! 普通に昨日話して仲良くなったんだよ!」
「ふーん、まあ、別にどうでもいいけど・・・」
「春香、俺に興味なさすぎだろ・・・」
いや、ヤキモチ焼いてくれる。とかは流石に思ってはいないけど、もう少しさ・・・
「朝ごはん、お母さんが作ってくれてるから早く降りてきてよ。」
「・・・ああ、分かった。すぐいく」
今日は、サクヤとの約束もある。変なものも見える状況だが、約束してしまったのを破るわけにはいかない。それに今回の案件に関しては、常識外の存在が見えるというのは、助かるかもしれない。
ただ、この眼は、ずっと続くものなのだろうか・・・だとすれば、非常に色々と問題が多い気がする。
妖怪が見える人間が社会に阻害される物語は珍しくない。もしかしたら、自分も・・・ゾワリと背筋が寒くなるのを感じる。
「いや、まだ、悲観する段階じゃない。」
そう呟いて思考をリセットする。突然、なったのだから直す方法もあるに違いない。サクヤにきいてみれば
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「とりあえず、ご飯を食べよう。それからだ。」
何をするにも活力が大切だ。ご飯を食べにリビングに向かった。
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