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1章
Part 23『生涯最高の一振り』
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「1日しか他所に出られないとは知らなかった。かわいそうな事をしたな。」
俺、ウチガネ、真冬、コンの四人で鍋を囲みながらウチガネがそんな事を言った。
サクヤは「あんまりですよぉ~」と嘆きながら終電に乗って帰っていった。その表情は悲壮感が漂っていたが、1日以上離れられない以上、こればっかりはどうしようもないのだ。
例え、この世の終わりにたいな表情を浮かべていても無理なものは無理だ。この村は結構田舎なので帰るためには、随分早くに出発しなければいけない。
「いえ、あればっかりは、仕方ないです。それに俺がかなり迷っていたのも原因ですし・・・」
「そう言えば、リューの野郎、山の上としか教えてなかったんだって? 全く、この村に何個山があると思ってんだか・・・」
「まあ、三つ目でこれてよかったっすね。全部の山登ってたら帰れないどころじゃなかったっすよ。」
「それは、本当にそう思うよ・・・」
それこそ、終電すら逃してしまっていた可能性があると思うとゾッとする。まあ、彼女は、浮けるし直線距離で移動できるのだから駅まで行く事自体は、そう難しくないとは思う。
だが、一人でその後も山を散策し続ける俺を想像すると素直にここにある程度早く来れたことにホッとする。
「まあ、昼飯にでも美味いものを食わせてやりゃいいか。」
「はい。サクヤさんがきた時に美味しいものを食べさせてあげたいです。何がいいですかねぇ・・・」
真冬は、何を作るかを考えているのか、楽しそうにぶつぶつと小さく呟いていた。
彼女に振る舞われたもつ鍋は、本当に美味しかった。甘辛い味噌系の出汁が肉に染み込んで、噛みしめるたびに旨味が口の中いっぱいに広がる。野菜もさっぱりとした味にピリリと辛くて、ご飯がすすむのだ。
おかげでいつも以上に食べてしまった。これは、たしかにサクヤに申し訳ないな・・・
しかし、その事もたしかに大切な話なのだが、他にも聞いておきたい事がいくつかあるのだ。
「あの質問してもいいですか?」
「ああ、構わねぇよ。なんだ?」
「刀ってどれぐらいで出来るんですか?」
「明日から取り掛かって、刀自体が完成するのが3日ってところか、その後は、コンが打ち上がったもんを研いで、あんたらに渡すって形だ。長くても一週間ってところかね。」
「一週間ですか・・・」
流石に一週間は残れない事を考えると刀の完成を見届けてから、もう一度ここに来る形になるのか。だったら、もっと遅くに来ても問題なかったんじゃ・・・
「まあ、日向が手伝ってくれるんだから、多少は手際よく行くかもしんねぇな。」
「え?」
今、何て言った? 手伝う?
「なんだ? リューから聞かされてないのか? お前さんは、ここに俺達の手伝いをしに来たって聞いたんだが・・・」
「いや、あの微塵も聞いてないんですけど・・・」
俺は確かただのお使いみたいなものと聞かされて来たはずなのだが・・・
「そうなのか。まあ、仕事自体は、誰にでも出来るような雑用だ。炭運んだりだとか、その類のもんだ。」
「はぁ・・・まあ、それぐらいなら、俺にも・・・」
「あいつは、昔から説明が足りねぇからな。」
「リューとは長い付き合いなんですか?」
「ああ、俺が鍛冶屋を始めるのを手伝ってくれたのがあいつだ。この場所を用意したのもな。そん時に契約をしたんだ。生涯最高の一振りを渡すってな。」
「生涯最高の一振り」
「ああ、おそらく、俺が次に作る刀が生涯最高の一振りだ。だから、取りに来るついでに手伝いに来いと言ったんだがな。」
「それで、俺が寄越されたと・・・」
「まあ、男の方が楽でいい。まあ、さいごに直接、感謝ぐらいは言っときたかったが、仕方ねぇ。」
「さて、質問はそれぐらいでいいか? いいなら、明日の朝は早い。とっとと寝ちまえ。」
「はい。分かりました。」
リューに文句を言いたい気持ちはあったが、食事を切り上げて眠ることにした。
俺はこの3日間を生涯忘れることはないだろう。絶対に
俺、ウチガネ、真冬、コンの四人で鍋を囲みながらウチガネがそんな事を言った。
サクヤは「あんまりですよぉ~」と嘆きながら終電に乗って帰っていった。その表情は悲壮感が漂っていたが、1日以上離れられない以上、こればっかりはどうしようもないのだ。
例え、この世の終わりにたいな表情を浮かべていても無理なものは無理だ。この村は結構田舎なので帰るためには、随分早くに出発しなければいけない。
「いえ、あればっかりは、仕方ないです。それに俺がかなり迷っていたのも原因ですし・・・」
「そう言えば、リューの野郎、山の上としか教えてなかったんだって? 全く、この村に何個山があると思ってんだか・・・」
「まあ、三つ目でこれてよかったっすね。全部の山登ってたら帰れないどころじゃなかったっすよ。」
「それは、本当にそう思うよ・・・」
それこそ、終電すら逃してしまっていた可能性があると思うとゾッとする。まあ、彼女は、浮けるし直線距離で移動できるのだから駅まで行く事自体は、そう難しくないとは思う。
だが、一人でその後も山を散策し続ける俺を想像すると素直にここにある程度早く来れたことにホッとする。
「まあ、昼飯にでも美味いものを食わせてやりゃいいか。」
「はい。サクヤさんがきた時に美味しいものを食べさせてあげたいです。何がいいですかねぇ・・・」
真冬は、何を作るかを考えているのか、楽しそうにぶつぶつと小さく呟いていた。
彼女に振る舞われたもつ鍋は、本当に美味しかった。甘辛い味噌系の出汁が肉に染み込んで、噛みしめるたびに旨味が口の中いっぱいに広がる。野菜もさっぱりとした味にピリリと辛くて、ご飯がすすむのだ。
おかげでいつも以上に食べてしまった。これは、たしかにサクヤに申し訳ないな・・・
しかし、その事もたしかに大切な話なのだが、他にも聞いておきたい事がいくつかあるのだ。
「あの質問してもいいですか?」
「ああ、構わねぇよ。なんだ?」
「刀ってどれぐらいで出来るんですか?」
「明日から取り掛かって、刀自体が完成するのが3日ってところか、その後は、コンが打ち上がったもんを研いで、あんたらに渡すって形だ。長くても一週間ってところかね。」
「一週間ですか・・・」
流石に一週間は残れない事を考えると刀の完成を見届けてから、もう一度ここに来る形になるのか。だったら、もっと遅くに来ても問題なかったんじゃ・・・
「まあ、日向が手伝ってくれるんだから、多少は手際よく行くかもしんねぇな。」
「え?」
今、何て言った? 手伝う?
「なんだ? リューから聞かされてないのか? お前さんは、ここに俺達の手伝いをしに来たって聞いたんだが・・・」
「いや、あの微塵も聞いてないんですけど・・・」
俺は確かただのお使いみたいなものと聞かされて来たはずなのだが・・・
「そうなのか。まあ、仕事自体は、誰にでも出来るような雑用だ。炭運んだりだとか、その類のもんだ。」
「はぁ・・・まあ、それぐらいなら、俺にも・・・」
「あいつは、昔から説明が足りねぇからな。」
「リューとは長い付き合いなんですか?」
「ああ、俺が鍛冶屋を始めるのを手伝ってくれたのがあいつだ。この場所を用意したのもな。そん時に契約をしたんだ。生涯最高の一振りを渡すってな。」
「生涯最高の一振り」
「ああ、おそらく、俺が次に作る刀が生涯最高の一振りだ。だから、取りに来るついでに手伝いに来いと言ったんだがな。」
「それで、俺が寄越されたと・・・」
「まあ、男の方が楽でいい。まあ、さいごに直接、感謝ぐらいは言っときたかったが、仕方ねぇ。」
「さて、質問はそれぐらいでいいか? いいなら、明日の朝は早い。とっとと寝ちまえ。」
「はい。分かりました。」
リューに文句を言いたい気持ちはあったが、食事を切り上げて眠ることにした。
俺はこの3日間を生涯忘れることはないだろう。絶対に
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