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2章
Part 46『醜穢と呼ばれるもの』
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路地裏でクロがちょこんと座ってこちらを見ていた。その姿は何かから姿を隠しているようにも感じた。
「久しぶりだな。クロ」
「お久しぶりやなぁ。最近は、ちょっと、うちらもごたついてたから、挨拶に行けんかったんや。すまんね。」
「いや、それ自体は、全然良いんだけど、なんかあったのか?」
俺がそう尋ねるとクロは、「今この街は、うちら妖怪には住みにくい街になってますわ。」と憎々しい声音でそう言った。
「この街の状況は、街を歩きまっとったようやから知っとるやろ?」
「そうですね。誰もいないですよね。」
この駅一帯をある程度歩き回ったのだが、実際、妖怪の姿を一匹すら見えなかった。いつもなら、人間を観察しているような妖怪が姿を見せてもおかしくないはずなのにである。
「この一帯でやばいやつが出たんや。」
「やばいやつ?」
「うちらは『醜穢』って呼んどります。黒い泥のバケモンですわ。それも無差別に妖怪を襲うタイプの奴ですわ。」
妖怪を襲う化物・・・妖怪自体が化物みたいなのだが、またニュアンスが違うのだろうか・・・
「『醜穢』っていうのは、妖怪なんですか?」
サクヤも心当たりがないようでクロに尋ねる。どうやら、有名な存在ではないようだった。
「正確には元妖怪、言うのが正しいわ。妖怪変化の成れの果て、死に間際の最後の灯火そないな表現が一番しっくりきますわ。」とクロは答えた。しかし、はっきり言ってそれだけではよく分からなかったので詳しく話を聞くことにした。
流石に話し込むとなると商店街も全くの無人というわけではないので路地裏の方に入って話をすることにした。
そこで聞いた話を要約すると、妖怪にも人間以上は長命と言っても寿命があり、普通の妖怪は、そのまま死んでいく。だが、力の強い妖怪が死ぬ時には、その力が暴走して存在が崩壊するらしい。この辺りの説明は、俺にも詳しくはよく分からなかったのだが、妖怪としての形を保てなくなり泥のような半固形の化け物へと変貌するという事らしい。
その化物は自我もなく、ただの災害のようなものらしい。普通は、自然消滅するのを遠くから見ていれば良いのだが、今回は、その化物が妖怪を襲うので大混乱が起こっているらしい。
しかも、曲がりなりにも元がかなり強大な妖怪だったようで、その力は強力で力の弱い妖怪程度では、勝負にならないのだという。
「結構、深刻じゃないか・・・」
「せやから深刻やねんて・・・うちらの仲間も戦えるようなもんは持ってへんからな。街で情報集めるのは中止して隠れとく事にしてんのや。」
「それで、対策は? どうやって倒すんだ?」
「対策なんてありませんわ。言いましたやろ。最後の灯火いうて、あれは、すでに瀕死やから、放置してれば自然消滅するもんですわ。触らぬ神に祟りなしやわ」
「それってどれぐらいなんだ・・・?」
「長くて一年・・・早くて半年言うところですかな・・・」
「気が長いとか言うレベルじゃないぞ!?」
「流石に一年も街に行けないのは退屈ですね・・・」
「そうは言うても打つ手なしやからなぁ。あったら分かります。あんなもんと戦うのははっきり言って自殺行為ですわ・・・まあ、普通の人間には、被害がないから街の活動が止まったりするような異常事態にはならへんから、一年ぐらいは他の街へ行くのを待つか、うちらが他の街へ観光に行くかやね・・・」
完全に受け身の姿勢である事に間違いはないが、そうせざるを得ない存在がこの街を徘徊してると思うと背筋が寒くなるのを感じた。
ただ、人間には、被害がないのなら、確かに対処しなければいけないと言うわけではないのが救いだった。
「久しぶりだな。クロ」
「お久しぶりやなぁ。最近は、ちょっと、うちらもごたついてたから、挨拶に行けんかったんや。すまんね。」
「いや、それ自体は、全然良いんだけど、なんかあったのか?」
俺がそう尋ねるとクロは、「今この街は、うちら妖怪には住みにくい街になってますわ。」と憎々しい声音でそう言った。
「この街の状況は、街を歩きまっとったようやから知っとるやろ?」
「そうですね。誰もいないですよね。」
この駅一帯をある程度歩き回ったのだが、実際、妖怪の姿を一匹すら見えなかった。いつもなら、人間を観察しているような妖怪が姿を見せてもおかしくないはずなのにである。
「この一帯でやばいやつが出たんや。」
「やばいやつ?」
「うちらは『醜穢』って呼んどります。黒い泥のバケモンですわ。それも無差別に妖怪を襲うタイプの奴ですわ。」
妖怪を襲う化物・・・妖怪自体が化物みたいなのだが、またニュアンスが違うのだろうか・・・
「『醜穢』っていうのは、妖怪なんですか?」
サクヤも心当たりがないようでクロに尋ねる。どうやら、有名な存在ではないようだった。
「正確には元妖怪、言うのが正しいわ。妖怪変化の成れの果て、死に間際の最後の灯火そないな表現が一番しっくりきますわ。」とクロは答えた。しかし、はっきり言ってそれだけではよく分からなかったので詳しく話を聞くことにした。
流石に話し込むとなると商店街も全くの無人というわけではないので路地裏の方に入って話をすることにした。
そこで聞いた話を要約すると、妖怪にも人間以上は長命と言っても寿命があり、普通の妖怪は、そのまま死んでいく。だが、力の強い妖怪が死ぬ時には、その力が暴走して存在が崩壊するらしい。この辺りの説明は、俺にも詳しくはよく分からなかったのだが、妖怪としての形を保てなくなり泥のような半固形の化け物へと変貌するという事らしい。
その化物は自我もなく、ただの災害のようなものらしい。普通は、自然消滅するのを遠くから見ていれば良いのだが、今回は、その化物が妖怪を襲うので大混乱が起こっているらしい。
しかも、曲がりなりにも元がかなり強大な妖怪だったようで、その力は強力で力の弱い妖怪程度では、勝負にならないのだという。
「結構、深刻じゃないか・・・」
「せやから深刻やねんて・・・うちらの仲間も戦えるようなもんは持ってへんからな。街で情報集めるのは中止して隠れとく事にしてんのや。」
「それで、対策は? どうやって倒すんだ?」
「対策なんてありませんわ。言いましたやろ。最後の灯火いうて、あれは、すでに瀕死やから、放置してれば自然消滅するもんですわ。触らぬ神に祟りなしやわ」
「それってどれぐらいなんだ・・・?」
「長くて一年・・・早くて半年言うところですかな・・・」
「気が長いとか言うレベルじゃないぞ!?」
「流石に一年も街に行けないのは退屈ですね・・・」
「そうは言うても打つ手なしやからなぁ。あったら分かります。あんなもんと戦うのははっきり言って自殺行為ですわ・・・まあ、普通の人間には、被害がないから街の活動が止まったりするような異常事態にはならへんから、一年ぐらいは他の街へ行くのを待つか、うちらが他の街へ観光に行くかやね・・・」
完全に受け身の姿勢である事に間違いはないが、そうせざるを得ない存在がこの街を徘徊してると思うと背筋が寒くなるのを感じた。
ただ、人間には、被害がないのなら、確かに対処しなければいけないと言うわけではないのが救いだった。
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