50 / 352
2章
Part 50『共同作戦?』
しおりを挟む
大学でいつもの様に講義を受けていると、ふと最前列に居る柏木さんに目がいった。眠っているのか、コクリコクリと船を漕いでいた。
普段の彼女は、生徒達が噂するイメージとは違って優等生とはいかないまでも真面目な生徒である。真面目に授業を受けて居眠りなんてして居る姿は、ほとんど見ることはない。
やっぱり、昨日の柏木さんっぽい人は柏木さんだったのだろうか。
実際、噂は彼女から聞いたので、探しているとしても何らおかしな話ではない。しかし、彼女の行動が少しイメージとは違う気がしたのだ。
というのも、実際にあるならともかく、本当かどうかも疑わしい様な都市伝説を信じて、夜中にわざわざ探しにいくなんて普通の人はしない。
それに柏木さんは、面白半分な気持ちだけで探しに行くようなタイプではないと思うのだ。
まあ、まだ付き合いは短いけれど、イメージとしては少し合わないと思う。
だとしたら、考えられるのは一つだろう。
彼女には、縋りたいほどの何かがあるのだ。
魔女は、嫌な記憶を消してくれる。
そんな冗談みたいな噂話に縋ってでも消したいと思う嫌な記憶が・・・
授業の終わりの時間数分前に講師の先生が早めに授業を切り上げることにした様で講義は終了した。
相変わらず柏木さんは、眠っているが彼女に声をかける人間は誰もいない。みんながゾロゾロと退室していくのだが、起きる気配がないので俺は、柏木さんのところまで行って肩をポンと叩く。
ピクリと体が跳ねて何事かとキョロキョロと辺りを確認して俺と目が合う。
一瞬、寝起きで状況が理解できていなかった様だがすぐに「ああ、寝てたのか・・・ごめん。ありがと」と柏木さんはお礼を言った。
「疲れてるね。」
「うん・・・ちょっとだけ・・・」
柏木さんは、まだ眠そうに口を手で覆いながら欠伸をしていた。
「あのさ、昨日の夜、駅にいなかった?」
俺がそう言うと「見られてたか・・・」と少し照れた笑みを浮かべた。
「うん。いたよ。ちょっと、魔女を探しにね。都市伝説って分かってはいるけどね」
「でも、夜中に歩くのは危ないと思うけど・・・」
「大丈夫。これでも鍛えてるから」
そう言って、柏木さんは、殴るジェスチャーをする。どうやら、捜索自体を辞める気はなさそうだった。
「ん、でも、峰もあんな時間に駅にいたの?」
そう言われて、しまったと思った。目撃していたという事は自分がその場にいた事を知らせているようなものだった。
「もしかして、峰も魔女を探してるの?」
「あー・・・うん、まあ・・・」
なんとも気の抜けた返事になってしまった。実際、彼女の目的とはどちらかと言えば逆だ。彼女は記憶を消してもらいに行くのだけど、俺の場合は、魔女の行動を止めるために行動しているのだ。
そして、この流れはまずいのではないかと思う。だって、この話の流れだと大体は・・・
「だったらさ、一緒に探さない?」
予想通り柏木さんはそう言ってきた。しかし、俺としてはサクヤと一緒に回っているので見えていない柏木さんと一緒に行動するのは、ある意味リスキーな気もする。
しかし、ここで拒否するのも不自然ではあったので俺は、その申し出を受けることにした。
サクヤには悪いけれど今日だけは、許してもらおう。
「じゃあ、一緒に探そうか・・・」
そうして、魔女探しに柏木さんが加わる事になった。
普段の彼女は、生徒達が噂するイメージとは違って優等生とはいかないまでも真面目な生徒である。真面目に授業を受けて居眠りなんてして居る姿は、ほとんど見ることはない。
やっぱり、昨日の柏木さんっぽい人は柏木さんだったのだろうか。
実際、噂は彼女から聞いたので、探しているとしても何らおかしな話ではない。しかし、彼女の行動が少しイメージとは違う気がしたのだ。
というのも、実際にあるならともかく、本当かどうかも疑わしい様な都市伝説を信じて、夜中にわざわざ探しにいくなんて普通の人はしない。
それに柏木さんは、面白半分な気持ちだけで探しに行くようなタイプではないと思うのだ。
まあ、まだ付き合いは短いけれど、イメージとしては少し合わないと思う。
だとしたら、考えられるのは一つだろう。
彼女には、縋りたいほどの何かがあるのだ。
魔女は、嫌な記憶を消してくれる。
そんな冗談みたいな噂話に縋ってでも消したいと思う嫌な記憶が・・・
授業の終わりの時間数分前に講師の先生が早めに授業を切り上げることにした様で講義は終了した。
相変わらず柏木さんは、眠っているが彼女に声をかける人間は誰もいない。みんながゾロゾロと退室していくのだが、起きる気配がないので俺は、柏木さんのところまで行って肩をポンと叩く。
ピクリと体が跳ねて何事かとキョロキョロと辺りを確認して俺と目が合う。
一瞬、寝起きで状況が理解できていなかった様だがすぐに「ああ、寝てたのか・・・ごめん。ありがと」と柏木さんはお礼を言った。
「疲れてるね。」
「うん・・・ちょっとだけ・・・」
柏木さんは、まだ眠そうに口を手で覆いながら欠伸をしていた。
「あのさ、昨日の夜、駅にいなかった?」
俺がそう言うと「見られてたか・・・」と少し照れた笑みを浮かべた。
「うん。いたよ。ちょっと、魔女を探しにね。都市伝説って分かってはいるけどね」
「でも、夜中に歩くのは危ないと思うけど・・・」
「大丈夫。これでも鍛えてるから」
そう言って、柏木さんは、殴るジェスチャーをする。どうやら、捜索自体を辞める気はなさそうだった。
「ん、でも、峰もあんな時間に駅にいたの?」
そう言われて、しまったと思った。目撃していたという事は自分がその場にいた事を知らせているようなものだった。
「もしかして、峰も魔女を探してるの?」
「あー・・・うん、まあ・・・」
なんとも気の抜けた返事になってしまった。実際、彼女の目的とはどちらかと言えば逆だ。彼女は記憶を消してもらいに行くのだけど、俺の場合は、魔女の行動を止めるために行動しているのだ。
そして、この流れはまずいのではないかと思う。だって、この話の流れだと大体は・・・
「だったらさ、一緒に探さない?」
予想通り柏木さんはそう言ってきた。しかし、俺としてはサクヤと一緒に回っているので見えていない柏木さんと一緒に行動するのは、ある意味リスキーな気もする。
しかし、ここで拒否するのも不自然ではあったので俺は、その申し出を受けることにした。
サクヤには悪いけれど今日だけは、許してもらおう。
「じゃあ、一緒に探そうか・・・」
そうして、魔女探しに柏木さんが加わる事になった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
62
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる