君と終わりがある未来を。

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秋人と別れてから3日。
自分から離れたとはいえ大好きな人との別れは自分が想像した以上にダメージが大きかったらしく新居でぼーっと過ごしていた。

けど大学生は単位というものがある。ずっと塞ぎ込んでいる訳にも行かず重い腰を上げて大学へ行く。
大学に着くと
「休むのはいいけど心配するから連絡くらい返せ。」
と友達に怒られた。
スマホを見ると僕のことを心配した友人達からたくさん連絡が来ていて思わず笑みがこぼれた。

それと同時に連絡が来たら絶対返してしまうからと秋人の連絡先を消してしまったことを思い出して少し落ち込んだ。

もうきっと机の上に置いてきた手紙とリングを見たであろう秋人は今頃どうしているのだろう。
ちゃんと納得してくれただろうから。ちゃんとあの子の隣にいれているだろうか。
やり直せているだろうか。

僕のことを恋しく思ってくれていたりしないだろうか。
もし万が一にも僕に会いに大学に来ていたらその時は全力で逃げよう。

久しぶりの大学の最後の授業を全力で乗り越えて、さぁ帰ろう。と教室を後にする。


門の前に秋人がいた。
僕はすぐにみつかり君はまっすぐこっちに向かって歩いてきた。
逃げなきゃ。離れなきゃ。
でも久しぶりに見た君に思わず体が固まる。
会いたかった。触れたい。
抑え込まなきゃ行けない感情が制御を失って溢れ出てくる。
たった3日会えなかっただけ。声を聞けなかっただけなのにこんなにも君を欲しているそんな自分が心から嫌いだ。

動けなくなっている間に秋人は僕の前に来ていた。
「春斗。」
怒っているような低い声で名前を呼ばれた。
「…。」
「春斗話をしよう。」
「…いゃ「話もしないで俺から離れるなんて許さない。」」
秋人はそう言うと僕の手を強く掴んでいつも僕たちが帰っていた家まで行く。

家に着くとそうそうに玄関の鍵を閉め1番奥の寝室に連れていかれた。
重たい沈黙が空気を包む。

「で?」
「で…とは…?」
「なんで出ていった。」
「手紙に書いた通り…です。」
「春斗の口から聞きたいんだけど?」
秋人がずっと怒った口調で話してくる。

「…秋人別れたい。」
「なんで?前日まで俺ら仲良かったよね?なんで急に?」
「いいタイミングだと思った。」
「タイミング?」
「秋人が普通をやり直すタイミング。」
「なにそれ。意味わかんない。」
「僕以外の女の子といい相手がいるなら。秋人は普通に戻れるから。離れて幸せになるべきだって。」
「春斗以外の女の子とか俺いないけど?」
「この前大学前のカフェで腕組んで歩いてるのを見た。お似合いだったよ。ほんと。」
できるだけ感情が秋人に伝わらないように淡々と話す。
でもカフェの話をした時少し声が震えた。
お似合いだった。俺なんかよりずっと。男なんかより君の隣はかわいい女の子がいい。
「あー。あいつは違うよ。ただの友達。」 
君がそう言うならそうなんだろう。
でもさ
「そうなんだ。だとしてももう君の隣は僕じゃない方がいい。」
「なんで。」
「僕が男だから。」
「関係ない。春斗が男だろうが俺の隣は春斗だけ。」
「もう潮時だよ。秋人は普通に戻るべきだよ。」
「さっきから普通普通なに?てか戻るって?」
「まだ戻れるからやり直せるから。だから。」
あー早く終わってくれないかな。そろそろ限界だ。
泣きそうな震えそうな声に力を入れる。
「俺は絶対に別れないよ。さっきから春斗俺のために離れようとしてるね。」
「…。」
「ねぇ春斗。普通って何?幸せって何?」
離れなきゃ君から。君のそばから。
「男だから何?好きだけじゃダメなの?」
「…ダメだよ。男同士は未来がない。」
「なんで決めつけるの?」
「だって…。」
「俺は春斗さえいてくれれば子供なんていらないよ。」
「そんなのもったいないよ。」
「何が?別に俺子供が好きな訳でもないし何問題ないよ。」
「…。秋人の隣には小さくて可愛い女の子が似合う。」
「俺は同じ目線で、目が会う度に照れちゃう春斗がいい。」
そうまっすぐ僕に伝えてくれる秋人と目が合う。

そういえば初めて会った時も同じだった。
お母さんの後ろに隠れてでもまっすぐ僕を見ている君の目に吸い込まれるように惹かれた。
君が好きだと気づいたのは小学生のときだったけど今思うと会った時から僕にとっては君しかいなかったのかもしれない。
僕の名前を呼ぶ声も。まっすぐ僕を見る瞳も。優しく頭を撫でてくれる男らしい手も。全てが大好きだった。
いや今も大好きなのだ。

「秋人…大好き。」
きっと僕は君には勝てない。
君が僕を求めてくれるのなら。必要だと言ってくれるのなら僕は何度でも君のそばに来てしまうのだろう。
離れたくない。

「俺も大好きだよ。春斗。」
秋人優しくとっても嬉しそうな笑顔でそういうと僕に優しく深いキスを落とした。





それから僕たちはまたお付き合いを始めた。
「一方的な別れ話は別れたに入らない!」
と力強く言われたのでまたというよりは今まで通りというほうが正しいのだろう。

ちなみに家は僕が新しく契約した方に引っ越すことになった。
僕のバイト先が秋人の大学に近いこともあり家はちょうど僕と秋人の大学のほぼ中間だったのでちょうどいいかと2人で移動したのだ。


僕は君と付き合った時から終わりを見ていた。
いつか君の隣にお似合いの誰かが現れた時、僕以外に心から好きだと思える人が現れた時、男同士に嫌気が刺した時。
いつでも君から離れられるように。
程々の距離で好きになりすぎないように。
君が幸せになれるように。

ずっと考えてきた僕の未来はいとも簡単に君に壊される。

僕が好きだと言ってくれるのなら。
僕を必要としてくれるのなら。
僕の愛を欲してくれるのなら。
今度は僕の隣で君が笑っている未来を見よう。


君が好きな僕の。
君が必要な僕の。
君の愛が欲しい僕の。
そんな僕の隣で君が幸せであれるように。


そしてまた
君とずっと終わり【死】が来る時まで未来を見ていよう。


°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆°・*:.。.☆


君と終わりがある未来を。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございます。
途中で自分でゲシュタルト崩壊が起きてしまって誤字脱字があったらほんとにごめんなさい。

このお話の主人公である春斗は秋人と出会った時からずっと秋人に恋をしていました。
でもその思いは自分のモノにしたいという気持ちももちろんあったけれど、自分の好きな人に1番幸せになって欲しい。という気持ちの方が強いそんな子でした。
それが今回の春斗とっての終わり【お別れ】だったのです。

もしかしたら女々しくてなよなよしてるな。と思われてしまったかもしれないけれど私は春斗がいちばん強くてかっこいい男の子だと思いながら書いていました。

好きな人の幸せのために1番手放しなくない人を手放した。そんな強い人。
私は大好きです。

好きだから手放せないものもあれば、好きだからこそ手放せるものもある。
強いの形は人それぞれで春斗はそれが手放すことだと信じて止まなかった。
幸せを願ったからこその判断でした。

優しいやつなんです。強いやつなんです。

終わり【別れ】の未来を見ていた春斗が今は終わり【死】の未来を見ています。

死がふたりを分かつまで。

この2人が幸せでありますように。





ちなみに今回書かなかった秋人の話。
この人やさしいく爽やかなイケメン、だと思わせときながらどちゃクソ重くてドロッドロの感情を持ってる人です。

本当は秋人sideも書こうかなと考えたのですが重すぎて雰囲気がガラッと変わるので一旦春斗だけにしました。

秋人sideを書くのならR18のシーンもありきで書こうと思ってたのです。
かけたらいつか!
ちなみにリバってるシーンありです。攻めは攻めだけどみたいな感覚です。


出会ってくれてありがとうございます!

このお話を見た皆さんの未来が幸せで溢れますように。
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