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18.甘い幸せ★

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*背後注意です。







 静馬の家で沢山祝ってもらった二人は上機嫌のまま手を繋いで遼佑の家に戻る。
 幸福感に包まれながらエレベーターに乗り込めば遼佑とバチリと目が合い、自然とお互いの顔が近づいていた。
 大きな手で両頬を包まれ、上から覆いかぶさるようにして深くキスされる。
 熱い舌が奥まで入り込み、まるで味わうようにゆっくりと口内を嘗め回された。

「んんっ、ふっ……あっ」

 狭い空間の中では微かな水音と、お互いの荒くなっていく息遣いで満たされる。
 腰が疼いて仕方がない志貴は、エレベーターの扉が開くと遼佑に向けて両腕を開く。

「りょーちゃん、歩けない……抱っこして」
「はは、良いよ。おいで志貴」

 許しが出たことで志貴は正面から遼佑の首元に腕を回し、落ちないように両足もしっかり絡ませる。
 遼佑はそんな志貴を抱え難なくエレベーターから降りると、自身の家へ歩きだした。

「ぁっ、ん、んっ」

 上半身をぴたりと密着させているので、遼佑が歩く度に振動で体が上下に揺れる。否応なく刺激される下半身はすぐに硬くなっってしまった。

「志貴、流石にそれ以上声出すなよ?」

 志貴が重いからか、それともわざとなのか。遼佑の歩くスピードは遅く、廊下の端にある家まで声を我慢するのがつらい。
 遼佑にさらにキツく抱き着くと、志貴は自分の腕を強く握って声が出そうになるのを我慢した。

 家に入っても志貴は抱き着いたまま。そして遼佑もそんな志貴を下ろそうとはしなかった。
 久しぶりに入った遼佑の部屋は以前と変わらないままだ。
 その安心感と漸く戻ってこれたという安堵感に、志貴はへにゃりとした笑みが自然と零れていた。
 
「りょーちゃんちが一番落ち着く」
「それ聞いて安心したわ」

 志貴を抱っこしたままソファに座った遼佑に柔らかく微笑まれる。ゆっくりと再び唇が合わされば、すぐに服の下から遼佑の手が入り込み、志貴の体を撫でまわしていく。
 その手つきはいつもより優しい。だが執拗にお腹を撫でまわされ志貴がキスを止めれば、どこかおかしそうに笑う遼佑がいた。

「ふはっ。腹パンパンじゃん」
「わ、わざわざ言わないでよぉ! 仕方ないでしょ、ご飯美味しかったんだもん」

 思わず口を尖らせれば、詫びるように、そしてあやすように額にキスされる。
 それがあまりにも幸せで、止まっていた涙がまた溢れ出してしまう。

「お前泣きすぎ」
「だってぇぇぇ」
「もっと目が腫れるぞ?」
「好きで泣いてるんじゃないぃぃ」

 軽く目元に口づけられ、そのまま首筋へ。そしてさらに下へと軽いリップ音を立てながら遼佑が上半身の至る所に口づけていった。
 そうして胸の飾りも舐めしゃぶられてしまえば涙は止まり、甘い鳴き声にとって代わる。

「りょーちゃっ、も、もっと……」

 我慢できずにさらに先を強請り、志貴は自分のズボンを手早く脱ぐ。
 それに合わせるように遼佑もズボンを脱いだ。既に硬くなった遼佑のそれを目に入れてしまえば、早く受け入れてしまいたくて仕方がない。
 自身の先走りを手に取り遼佑のものに塗り付けると、志貴はすぐに自身の後孔へ当てがった。

「慣らしてからの方がいいだろ志貴」
「やだ。今すぐが良い。それともりょーちゃんはいや?」
「そうじゃないけど。お前がつらいだろ?」
「んっ、そんなこと、ない……もん。はっ……あぁっ」

 大丈夫なのだと証明するためにゆっくりと腰を下ろすと、狭くなっていた場所を押し広げるようにして遼佑のものがは入ってくる。
 ゆっくりと上下に動きながら徐々に飲み込んでいけば、あっという間に全てを飲み込めた。

「積極的だな」
「ダメだった?」
「全然。志貴、動いて」

 遼佑に密着したまま志貴はゆっくりと、慣れてきたら段々と速度を上げて腰を振る。
 久しぶりの体温と香りに頭がくらくらと揺らめいた。

「あっ、ふあっ……ねぇ、りょーちゃ、きもちぃい?」
「最高。でも俺もいい加減動きたい」

 ふわっとした一瞬の浮遊感のあと、志貴の背中はソファの座面についていた。
 大きく広げられた足を限界まで折り曲げられると、今まで志貴の好きにさせ動くのを我慢していた遼佑が激しい注挿を始める。

「あ゛っ、あっんぁっ、やぁっ」

 ガツガツと腰を進められるが、ホテルの時のような怖さも悲しさもない。あるのはただただ幸せな快楽ばかりだ。
 
「気持ちいいか志貴?」
「もっと、りょーちゃんっ……もっとぉ!」

 さらなる快楽と遼佑の体温を求めてそういえば、だらだらと先走りを垂れ流す志貴の高ぶりを握り込まれ先端を擦られる。

「ひゃああ゛っ! やっやだ、りょーちゃ、それっ、あぁっ!!」
「もっとって強請ったのは志貴だろ?」

 覆いかぶさるようにして耳元でそう囁かれれば、艶が増した声音が鼓膜に直接届き、自然と下半身に力がこもった。
 そのまま耳を食まれ、舌で容赦なく責められ思考は溶けてしまう。

「なぁ志貴……」
「あっ、ひあっ、なにぃぃ」
「……愛してる。志貴は?」

 快楽に深く溺れたところに届いた言葉に、志貴は遼佑を引き寄せるように腕を絡ませた。

「すきっ」
「それはどっちの好き?」
「いっ、いじわるっ!」
「どっち?」
「うあっ、んぅぅ、らぁ、らぶのほう!!」

 分かっている癖に攻める手を緩めないまま聞いてくる遼佑に、志貴はぐずぐずになりながら何とか答えることができた。
 満面の笑みを浮かべた遼佑がさらに志貴を嬉しそうに攻め立てる。
 目の前がチカチカと瞬き、快楽と幸せに包まれた。
 お互い何度達しても繋がりを解く気にはならず、自然と眠りに落ちるまでお互いを深く求め合ったのだった。
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