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19.ハッピーライフのその先は。
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「うわぁ……」
先に起きた志貴は自分の体の惨状に、思わず声を漏らす。
そのまま寝落ちてしまったせいで全身がべとつき、一部は乾いてカピカピになっていた。
何度も愛を確かめ合って、抱き合って寝る幸福感は最高だったがこれは酷いーーと志貴は思わず苦笑する。
それに加えて、遼佑が今までできなかったからと全身にキスマークを付けたり、歯形を付けてりしていたのだ。
志貴もやらせてもらいたかったが、快楽の底に落とされたままぐずぐずに溶けていたので結局出来ず仕舞いだった。
隣で未だに寝息を立てる遼佑の首筋にそっと近づき、綺麗なキスマークを作る。
一つできればまた次もと付け、今度は歯型も付けようと顔を上げれば丁度目を覚ました遼佑と目が合った。
「なに可愛いことしてんの」
「だってしてる時はできなかったし。俺もりょーちゃんにつけたかったの!」
どうだとばかりに胸を張れば、あちこちに付けられた痕見て笑った遼佑がべとつく体に気が付き、じゃれる前に風呂に行こうと提案された。
お互いに綺麗に体を洗いすっきりとすれば、幾分か夜の疲れが取れたような気がした。
だが目の充血と腫れは風呂に入ったくらいでは治らず、鏡に映る不細工な顔に志貴は思わず唇を尖らせる。
どうにもならない顔を諦め志貴が着替えてリビングに戻れば、先に風呂を出ていた遼佑がドライヤー片手に手招きしてくる。
どうやら髪を乾かしてくれる気らしく、志貴は浮かれたままにソファの下に座った。
手櫛で丁寧に髪を梳かれ、志貴の髪の毛はみるみるうちに乾いていく。
いつもは面倒くさいとタオルで拭いてあとは自然乾燥させてしまうのだが、こうやって乾かされるのはとても幸せだった。
「りょーちゃん、これ女の子にやってたでしょ」
「リクエストされることが多いからな、仕方なく。だけど志貴には自分からやりたくなるんだから不思議だよな」
「えぇー? 俺ってば凄く愛されてるぅ!」
「当たり前だろ」
そう言いながらドライヤーを片付けた遼佑が志貴の頭にキスをする。
今までにない行動ばかりで戸惑いと恥ずかしさで、志貴は顔が火照って仕方がなかった。
「うぅぅ……りょーちゃんがあますぎるぅ」
思わずソファに沈み込めば、笑いながらソファからはみ出した足を掴まれ、指をゆっくりと撫でられる。
「なんならペディキュアも塗ってやろうか?」
足の甲にそのまま唇を落とされ、くすぐったさに身を捩って足を引き抜くけば、遼佑がどこか残念そうな顔をした。
「くすぐったいってぇ! もー、りょーちゃんそれも女の子にやってたのー?」
「やってたけどもうやらない。これからは全部志貴だけにする」
「ほ、ほんと?」
「当たり前だろ。志貴と恋人同士になれたのに。他は要らないよ」
「こっ、こいびとっ!!」
余りの嬉しさに打ち震えていれば、遼佑が真剣な顔をして姿勢を正すので、ハッとした志貴もそれに倣う。
「新しいルールを作らないか?」
そう言いだした遼佑は、志貴と連絡が取れなかったのが相当応えたのだと漏らす。
毎日何気ないことでも連絡を送り合おうと新たに決め、これからは少しずつお互いの話もしようと決めた。
そして最後に、遼佑は今いるセフレは全て切るとキッパリ宣言してみせたのだ。
「本当にそれでいいの?」
「俺はそれでいい。もう志貴しか要らないからな」
「お、俺も、俺も全部切る! 俺もりょーちゃんだけでいい!」
勢いよくそう言ったが志貴はハッとしてから、遼佑の表情をおずおずと伺い口を開いた。
「あの、静馬さんと、かな君は切らなくてもいい?」
「ぶはっ! ははは、その二人は切らなくていいよ。でもセフレは全部切ってくれるんだ?」
「それはもちろん!」
「ならいいよ。それとさ志貴……どうせなら、この家で一緒に住まないか?」
「いいの?」
「ずっとこの家にいてくれたら嬉しいんだけど」
「いるっ! りょーちゃんとずっと一緒が良い!!」
勢いよく飛びつけば、遼佑が難なく受け止めてくれる。
気ままな楽しい生活は終わりを迎え一瞬の絶望が待っていたが、その先に待っていたのは今まで以上の幸福で楽しい未来。
楽し気な笑い声はいつまでも部屋に響き、幸せで満たしていくのだった。
おわり。
*短い間でしたがお付き合いありがとうございました!
突発的に初めた割にはちゃんとまとめて書けたのと、あと普段書かない志貴というキャラクターが生み出せて楽しかったです!
良かったら感想など頂けると大変励みになります!
それでは、ここまでありがとうございました!
先に起きた志貴は自分の体の惨状に、思わず声を漏らす。
そのまま寝落ちてしまったせいで全身がべとつき、一部は乾いてカピカピになっていた。
何度も愛を確かめ合って、抱き合って寝る幸福感は最高だったがこれは酷いーーと志貴は思わず苦笑する。
それに加えて、遼佑が今までできなかったからと全身にキスマークを付けたり、歯形を付けてりしていたのだ。
志貴もやらせてもらいたかったが、快楽の底に落とされたままぐずぐずに溶けていたので結局出来ず仕舞いだった。
隣で未だに寝息を立てる遼佑の首筋にそっと近づき、綺麗なキスマークを作る。
一つできればまた次もと付け、今度は歯型も付けようと顔を上げれば丁度目を覚ました遼佑と目が合った。
「なに可愛いことしてんの」
「だってしてる時はできなかったし。俺もりょーちゃんにつけたかったの!」
どうだとばかりに胸を張れば、あちこちに付けられた痕見て笑った遼佑がべとつく体に気が付き、じゃれる前に風呂に行こうと提案された。
お互いに綺麗に体を洗いすっきりとすれば、幾分か夜の疲れが取れたような気がした。
だが目の充血と腫れは風呂に入ったくらいでは治らず、鏡に映る不細工な顔に志貴は思わず唇を尖らせる。
どうにもならない顔を諦め志貴が着替えてリビングに戻れば、先に風呂を出ていた遼佑がドライヤー片手に手招きしてくる。
どうやら髪を乾かしてくれる気らしく、志貴は浮かれたままにソファの下に座った。
手櫛で丁寧に髪を梳かれ、志貴の髪の毛はみるみるうちに乾いていく。
いつもは面倒くさいとタオルで拭いてあとは自然乾燥させてしまうのだが、こうやって乾かされるのはとても幸せだった。
「りょーちゃん、これ女の子にやってたでしょ」
「リクエストされることが多いからな、仕方なく。だけど志貴には自分からやりたくなるんだから不思議だよな」
「えぇー? 俺ってば凄く愛されてるぅ!」
「当たり前だろ」
そう言いながらドライヤーを片付けた遼佑が志貴の頭にキスをする。
今までにない行動ばかりで戸惑いと恥ずかしさで、志貴は顔が火照って仕方がなかった。
「うぅぅ……りょーちゃんがあますぎるぅ」
思わずソファに沈み込めば、笑いながらソファからはみ出した足を掴まれ、指をゆっくりと撫でられる。
「なんならペディキュアも塗ってやろうか?」
足の甲にそのまま唇を落とされ、くすぐったさに身を捩って足を引き抜くけば、遼佑がどこか残念そうな顔をした。
「くすぐったいってぇ! もー、りょーちゃんそれも女の子にやってたのー?」
「やってたけどもうやらない。これからは全部志貴だけにする」
「ほ、ほんと?」
「当たり前だろ。志貴と恋人同士になれたのに。他は要らないよ」
「こっ、こいびとっ!!」
余りの嬉しさに打ち震えていれば、遼佑が真剣な顔をして姿勢を正すので、ハッとした志貴もそれに倣う。
「新しいルールを作らないか?」
そう言いだした遼佑は、志貴と連絡が取れなかったのが相当応えたのだと漏らす。
毎日何気ないことでも連絡を送り合おうと新たに決め、これからは少しずつお互いの話もしようと決めた。
そして最後に、遼佑は今いるセフレは全て切るとキッパリ宣言してみせたのだ。
「本当にそれでいいの?」
「俺はそれでいい。もう志貴しか要らないからな」
「お、俺も、俺も全部切る! 俺もりょーちゃんだけでいい!」
勢いよくそう言ったが志貴はハッとしてから、遼佑の表情をおずおずと伺い口を開いた。
「あの、静馬さんと、かな君は切らなくてもいい?」
「ぶはっ! ははは、その二人は切らなくていいよ。でもセフレは全部切ってくれるんだ?」
「それはもちろん!」
「ならいいよ。それとさ志貴……どうせなら、この家で一緒に住まないか?」
「いいの?」
「ずっとこの家にいてくれたら嬉しいんだけど」
「いるっ! りょーちゃんとずっと一緒が良い!!」
勢いよく飛びつけば、遼佑が難なく受け止めてくれる。
気ままな楽しい生活は終わりを迎え一瞬の絶望が待っていたが、その先に待っていたのは今まで以上の幸福で楽しい未来。
楽し気な笑い声はいつまでも部屋に響き、幸せで満たしていくのだった。
おわり。
*短い間でしたがお付き合いありがとうございました!
突発的に初めた割にはちゃんとまとめて書けたのと、あと普段書かない志貴というキャラクターが生み出せて楽しかったです!
良かったら感想など頂けると大変励みになります!
それでは、ここまでありがとうございました!
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