斯様な形で婚約破棄を宣言されたのですから、もう後には戻れませんよ?

剣伎 竜星

文字の大きさ
8 / 8

登場人物設定とお蔵入りエピソード(ネタばれあり)

しおりを挟む
◆メティス子爵

メティス子爵家現当主。グラウとミネルバの実父で愛妻家。
名前はジオ・メティス。

商会経営に成功し、国内外に身分を問わず太いパイプを持っている。そのため、実質的な権力・影響力は当然落ち目な伯爵家を上回る。

ユピタル伯爵とは幼馴染で学園でも同期だった。友好的な関係が続いていたが、爵位を使って強制的にアレウスとミネルバの婚約を結ばせたことで深い溝ができる。

アレウスの軽率さと思慮の浅さがユピタル伯爵夫人の所為であることに気付いていて、ユピタル伯爵では彼女に甘やかされているアレウスを変えることはできないと見抜いていた。

強引に結ばせたミネルバの婚約と正式な婚姻を済ませていないのに親族面して買い物等の支払いを回してくるユピタル伯爵夫人とアレウスの2人に激怒している愛妻と息子とともに婚約の白紙撤回の証拠と返済請求のための目録集めを怠らなかった。

ミネルバが学園に入学したタイミングでこれまで国交のなかったナコクとの外交ルートを確立した功績で伯爵位を得ることが確定し、諸手続きの期間によって、ミネルバ達が留学中に陞爵した。

グラウが学園を卒業したタイミングで爵位と商会をグラウに譲って妻と隠居生活を始める。

ユピタル伯爵が鉱山奴隷に落ちたことには複雑な思いがあり、送られた鉱山の落盤事故で亡くなった際は破損したその遺骸を回収し、彼の父母が眠る墓地に埋葬した。


◆メティス子爵夫人

グラウとミネルバの実母。厳しくも優しい母であり、夫に対しては良き妻。
元伯爵令嬢。名前はディアナ・メティス。

女性であっても礼儀作法だけでなく、学問や知識は必要であることを重要視している。これは彼女の実家の伯爵家の教育方針によるところが大きい。

ユピタル伯爵夫人とアレウスの事は快く思っておらず、特にユピタル伯爵夫人の貴族の矜持のない貴族婦人にあるまじき諸行動を嫌悪している。

伯爵令嬢時代に築いた社交界のパイプは健在で夫の政務と商会の営業に大きく寄与している。


◆ユピタル伯爵

名前はディシス・ユピタル。

祖父が武功を挙げて得た伯爵位を失わないために後々成果を挙げるメティス家と強い関係を保持するためにアレウスとミネルバの婚約を焦りから爵位が上であることを使って強引に結ばせる。

基本的に良識的で善良な性格だが、肝心なところで優柔不断なところが玉に瑕。
また、女性運が致命的になかったと言わざるを得ない。

メティス子爵のジオとは幼馴染で親友だったが、アレウスとミネルバの婚約を強引に決めたことで深い溝ができ、アレウスの教育と性格矯正に失敗したため、完全に見限られてしまう。

悪妻といえる妻との離縁の機会と名分はあったものの、周囲の風評を気にして踏み切れなかった。

アレウスの婚約破棄宣言の話を聞いてメティス家へ謝罪に向かうも、会話内容は子爵夫人に誘導されて金の無心になってしまったが、そのことに気が付かなかった。

アレウスの不敬罪とアレウス有責の婚約破棄の原因となった不貞行為の連座で処罰されることになった。

メティス家への慰謝料がアレウスの競売の落札価格だけでは賄えなかったため、借金奴隷となり、騎士として王城に勤めていた経歴から鉱山奴隷として鉱山に送られた。

多額の借金となった慰謝料に関しては、犯罪奴隷兼借金奴隷となった妻と折半するはずが、一向に妻に買い手がつかなかったため、大半をディシスが稼いで返済していた。

あと少しで完済し、解放の目途がたった矢先に落盤事故に巻き込まれて、瓦礫に押し潰されて人生の幕を閉じた。


◆ユピタル伯爵夫人

名前はバーバラ・ユピタル。

元子爵令嬢で、本人の性格は典型的な傲慢で自信過剰な貴族婦人。

身分で相手を判断し、自分より低い身分の者は自分のために尽くすのが当然という思考をしている。アレウスの性格形成に多大な影響を与えたある意味元凶。

メティス子爵夫人であるディアナとは学園で同期であり、社交性や学力等で自分の全てを上回る彼女に対して強烈な劣等感を抱いていた。

ユピタル伯爵と結ばれたのは父親同士が決めたお互いの家を永らえさせるための婚約によるものだった。

性格が災いして社交界では伯爵位故に完全には孤立してはいなかったものの、アレウスの暴挙によって完全に見限られてしまう。

自身の罪業を全く理解できず、メティス家へ責任転嫁をし続けていた。

犯罪奴隷兼借金奴隷となってもヒステリックに喚き続けていたのと女性として高齢だったため、全く買い手がつかなかった。

奴隷商も通常買い手がつく期間を大幅に超過しても買い手がつかなかったことから、今後も買い手がつかず、徒に食費が嵩張ることを訴え、処分が決まる。

また、夫のユピタル伯爵、ディシスが落盤事故で亡くなったことを知っても、その死を悼むどころか嘲笑する始末だった。

最期は食事に毒を混ぜられて死ぬことになるのだが、通常は苦しまずに死ぬ毒が使われるところ、摂取すると内臓が腐り始めて死ぬまで激痛の苦しみが続く毒に替えられて壮絶な形相で死んだ。

バーバラの遺体は罪人墓地に埋葬され、彼女の悪名は王国史に刻まれた。


◆サクラ・イザヨイ

ナコクのイザヨイ公爵家の長女。長い黒髪、黒目。

当初は急遽留学することになったトリアス第二王子の正室もしくは側室になるべく、表向きは案内役としてつけられた。

生真面目なまっすぐかつ面倒見がいい世話焼きな性格で男女問わず慕われている。

ときどき注意が散漫になって失敗してしまうことがあり、ミネルバ達が留学していた間はグラウがさりげなく未然に防いでフォローしていた。

トリアスのミネルバへの思いを早々に知り、自分が側室となることも2人の進展具合から厳しいことを悟るとともに、それとなく支えてくれるグラウに惹かれている自分に気が付く。

自分の気持ちに気が付いてからはグラウとメティス家の情報を精査し、その将来性を見出し、両親と一族を説得して、グラウを逃がさないため、総出で外堀を埋めた。

グラウと相思相愛になり、彼の帰国の際にナコクからの留学という形で付いて行って、留学先の学園でグラウと卒業する。

卒業後すぐにグラウとまず王国で挙式し、続いてナコクでも祝言を挙げ、両国の多くの人々に祝福される。

結婚後数年経っても夫婦仲がさめることはなく、伯爵位を継承し、更に功績を挙げて、侯爵に陞爵した夫のグラウを支えつつ、長女、続いて長男、双子の兄妹の順に出産する。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

どうぞお好きになさってください

みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。 婚約者の第一王子殿下は言った。 「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」 公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。 「好きになさればよろしいわ」

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

勝手に勘違いして、婚約破棄したあなたが悪い

猿喰 森繁
恋愛
「アリシア。婚約破棄をしてほしい」 「婚約破棄…ですか」 「君と僕とでは、やはり身分が違いすぎるんだ」 「やっぱり上流階級の人間は、上流階級同士でくっつくべきだと思うの。あなたもそう思わない?」 「はぁ…」 なんと返したら良いのか。 私の家は、一代貴族と言われている。いわゆる平民からの成り上がりである。 そんなわけで、没落貴族の息子と政略結婚ならぬ政略婚約をしていたが、その相手から婚約破棄をされてしまった。 理由は、私の家が事業に失敗して、莫大な借金を抱えてしまったからというものだった。 もちろん、そんなのは誰かが飛ばした噂でしかない。 それを律儀に信じてしまったというわけだ。 金の切れ目が縁の切れ目って、本当なのね。

短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?

ヨルノソラ
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」 そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち? ――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど? 地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。 けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。 はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。 ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。 「見る目がないのは君のほうだ」 「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」 格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。 そんな姿を、もう私は振り返らない。 ――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。

処理中です...