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第4話
しおりを挟む「うふふ♪ ママですよ~!!」
「キャッキャ」
「こっちがパパですよ~!!」
「キャッキャ!!」
「雫はパパのことが好きなんですね~ でもママの方が好きですよ~?」
この光景を見るのはいったい何度目のことだろう。
いくら目を擦っても消えることは無かった。
俺はどうも父親というものになってしまったらしい。
◇◇◇
俺の身に降りかかった現象は全部夢だったと、ある日急に元の世界に戻るんじゃないかと考えていたがそんなことは起きなく、監禁されてから既に1年弱が経過していた。
一年もあれば監禁されることにはとうに慣れ、むしろ仕事もしなくていいし三大欲求はすべて満たせるから幸せなのでは?とポジティブ思考をするようになり、ついでに頼んだら普段の暇な時間にとスマホを貰ったので、you〇ubeやt〇itterなんかをしてゴロゴロする一日。
まるで前世の学生時代に戻ったようで、せっかくだし俺もyou〇ubeとか始めてもいいかもな、何て考えたり、t〇itterで処女拗らせてる女どもやマスキュリズム(フェミニズムの男版)を謳いながらも実際は男を物としか見ていない女たちとレスバしたり。そんな感じで退屈しない日々を送っていた。
——女懲らしめるの楽しい!!
一度レスバ界隈で有名になっていた俺が実は男だったと暴露したら女どもはどんな反応をするのか気になったからやってみたら、結果いくら理論武装しても原始的欲求には逆らえない女どもがDMに殺到して面白かったからそれを晒したら、女どもが互いに罵り合い始めたのは面白かった。
まじで醜い争いは眺めるのに限る。メシウマですな。
こんな日が続くと俺は疑っていなかった。
・・・はい、そんなわけないんですよね。俺はバカダッ。
何で気づかなかったかな・・・普通毎日夜にあんな事してたらこうなるって予測できただろうに・・・最近その行為が減ってきたから「あの女ついに俺に飽きたのか?まあ今の生活快適だしそれでいいや」なんて思って、お金持ちのボンボンに生まれたらこんな生活を送れるのかな、なんて呑気にしている場合じゃなかった。
今思えばお腹も少し膨らんでいた気がする・・・で、でも前世の妊婦と比べると全然だったから、てっきり太ったんだと思っていたけど・・・気づかなかった俺は悪くないだろ。
「ふふ♪ あ・な・た♪」
「・・・」
ある日、いつもより幸せそうな笑みを浮かべた女がやって来た。
仕事がうまくいったのか、それとも俺のように監禁する必要のない男が出来たのか。
いや、何か後ろに隠してるから俺にプレゼントでもあるのか?
女は聞いてほしそうな顔をしていたので「どうしたんだ?何かいいことあった?」と俺は尋ねた。
女は嬉しそうに頷くと俺に向かって言った。
「私たちの子供です♪」
「・・・・・・・は?」
いつの間にか俺の腕の中には、すやすやと眠る赤ん坊がいた。
使っているものからして恐らく女の子。そのすやすやと眠る顔は女の子供とあって将来美人になることが大いに予想できた。
・・・・いや、え、うそでしょ・・・
「本当です♪あなた・・・・いいえ、パパ♪」
ナチュラルに俺の心を読んでそう言う女に、俺は全身から力が抜けるのが分かった。
・・・よし、逃げよう。
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