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第5話
しおりを挟むもちろん逃げることは出来なかった。
いや、正確にはもう逃げれないが正しいか。
女は事前に俺が逃げることを予想していたのかありとあらゆる手回しをしていた。
おとなしく女の話を聞くところによると、親は良い所の会社の社長でありそれなりに権力があったので、俺との間に子供ができたことを相談したら既に婚姻届けのほかに必要なものはすべて提出し役所に根回しをして、本来一夫多妻のはずなのに特例で一夫一妻になったらしい。・・・なんだよそれ。
「あ、でもお前俺の事監禁してるから俺がチクったら———」
「それも大丈夫♪ ママが何とかしてくれるって言ってた♪ 」
どうやら俺が役所に逃げ込んでもダメみたいだ。
もう俺の人生詰んだのでは??
——くそ!男が大事なら権力に屈するなよ!
逃げれないわ。
・・・逃げても行先ないしな。
「だから・・・・はい」
「・・・え・・・まじかよ」
女は俺を拘束していたものを取り外した。
俺が逃げるのをあきらめた途端にこれとか、この女マジで怖い。
・・・まあどうせ逃げないから拘束具無い方がいいか。
「せっかく外に出れるようになったんだし一緒に買い物行きましょう♪パパ♪」
「お、おう・・・・・いや監禁したのはお前だろ!」
「ふふ♪ 」
「笑ってごまかすなよ」
この女・・・顔が良いせいで強く怒れないのが余計むかつく。
当たり前のように腕を組んでくるし。
まあお互い体の隅々まで知り尽くしているから今更だけどさ。
・・・はぁ。俺も父親になったからにはさすがに働くべきか?
できれば専業主夫がいいなぁ。
◇◇◇
完
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