伏見稲荷で出会った可愛い妖狐の葉子ちゃんと綺麗な楓さん。そして普通なはずの私

うっちー(羽智 遊紀)

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もののけとの出会い

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「ううぅぅぅ。もう嫁にいけんのじゃ……」

 着物が乱れ、息も絶え絶えな葉子ちゃんを見て、さすがにやり過ぎたと私は反省していた。

 でも! でもね! 想像して欲しいのよ。幼女の葉子ちゃんがケモミミと尻尾の妖狐なんだよ? 分かる? この破壊力!?

 テンションマックスになっても仕方ないよね? 当然のようにでるよね! 萌え上がっても仕方ないよね! ……。うん、分かってる。「何、言ってるんだこいつ」と、私も思うよ。

 昨日の二段ベッドから覗いていた恐ろし視線が葉子ちゃんだったんだよ。安心してテンションも上がるってもんだよ。こんないい感じのテンション上げ上げならバッチ来いだよ!

 うん。心の中の独り言がおかしい感じになってるな。

 落ち着け、私。

 まずはジト目でこっちを見ている葉子ちゃんをなんとかしないとね。

「本当にごめん! 阿闍梨餅をあげるから機嫌を直してよ」

「……。お主。妾に食い物を与えておけば機嫌が直ると思ってりゃせんか? とりあえず2つよこせ」

 しかめっ面をしながらも、阿闍梨餅を両手に持って美味しそうに頬張っている葉子ちゃんが本当に可愛い。

 その証拠に尻尾とケモミミがピコピコと動いてる。

 うー。触りたいよね……。うん、触りたい。はぅ! 駄目だダメなのよ! このままでは再び勢いよくモフってしまう。ダメ! これ以上やったら本気で葉子ちゃんに嫌われそう。

 なんとか意識を別の方向にもっていこう。

「ねえ、葉子ちゃん。私を調べようとしたのはなぜ? 調べられる事は無いと思うけど?」

「ほふ? ほへはひゃな――」

「あ。食べてからでいいよ。ユックリ味わって食べて。そうだ、緑茶でも飲む?」

「にょむ」

 頬をパンパンにして、お茶を欲しがる葉子ちゃん。

 可愛すぎて悶絶しちゃうよ。

 まあ、その小さな身体で阿闍梨餅を2個も一気に食べたら喋れないだろうけどね。

「ちょっとぬるめにしとくから。ゆっくり食べてね」

 猫舌の私も飲むために、温度を低めにして葉子ちゃんに湯飲みを手渡す。

 口をモグモグとさせながら、緑茶をコクコクと飲んでいる葉子ちゃんに癒やされていると、名残惜しそうにしつつ飲み終わった湯飲みを返してくれた。

「まあ、阿闍梨餅2個に緑茶の温度が妾好みじゃったから及第点をやろう。緑寿庵清水の金平糖を献上したのは合格じゃぞ! ここまで妾を満足させたのじゃ。お主が気になった理由を説明してやろうぞ」

 ポッコリお腹を突き出して、本人としては胸を張って威厳を保とうとしているようだけど、どう見ても可愛い幼女だよ。無理に大人のフリをしている感じが物凄く可愛いよね。

「よろしくお願いします」

「うむ!」

 失礼な事を考えてる私の内面を知らず、葉子ちゃんは大仰に頷きながら話してくれる。
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