旦那様は今日も私を警護中〜聖人君子の裏の顔は愛に一途なヤンデレ系〜

白山小梅

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1 こんなところで何してるの?

1-4

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 こんな大声を出したのっていつ以来だろうーーお腹の奥底に溜まっていたものを吐き出して、気分がスッキリした。

 莉里架は手に持っていたビニール袋からビールの缶を一本取り出し、飲もうとプルタブに指を入れた時だった。

 先ほど端のベンチに座って空を見上げていた男性が突然ムクッと起き上がり、莉里架をじっと見つめてきたのだ。

 いきなり大きな声を出したのはこちらだ。相手を不快な気持ちにさせてしまったかもしれないと思い、慌てて頭を下げた。

「い、いきなり大きな声を出しちゃってすみません!」

 しかし男性は莉里架の声を聞いた途端、こちらに向かってズカズカと大股で歩いてくる。恐怖を感じたのも束の間、逃げる時間もないほどのスピードで莉里架の元に到着したのだ。

「ひぇっ……!」

 手すりと男性に体を挟まれ、身動きが取れなくなった莉里架の口から、悲鳴にもならないような変な声が漏れてしまう。

 だが恐怖で目を閉じた莉里架の耳に、意外な言葉が飛び込んできた。

「あの……もしかして生徒会長ですか?」

 生徒会長。そう呼ばれるのは、高校を卒業してからは一度もなかった。つまり、この人物は高校時代の莉里架を知っている人物ということになる。

「えっ、だ、誰……ですか?」

 まだ警戒心は解けないものの、とりあえずこの人物の正体を探ろうと、眉間に皺を寄せながら男性の顔を覗き込む。

福本ふくもと莉里架さん、ですよね」

 名前まで覚えられといるとは思わず、驚いて目を見開いた。

「もしかして、同じ高校だった人?」
「えぇ、そうです。一度だけ話したこともあります」

 そう言って微笑んだ顔を見て、莉里架の鼓動が高鳴った。

 あれ、この顔知ってるかもしれないーーというか、こんなに整ったきれいな顔立ちを忘れるはずがない。しかも高校の時といえば、さらに候補は絞られる。

 そして彼が前髪をかき上げた瞬間、過去の記憶が蘇ってきて口をあんぐりと開けた。

「安東くん⁉︎」

 莉里架が名前を呼ぶと、今度は彼が目を見開き、頬を真っ赤に染めて口元を押さえた。
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