8 / 123
1 こんなところで何してるの?
1-6
しおりを挟む
二人は同時に缶を開けると、同じタイミングで飲み始めた。その様子を見てクスッと笑ってしまったが、彼に先ほどあったことを話してもいいのか、まだ心の中に葛藤があった。
「幸也って、生徒会長の彼氏の名前ですか?」
「えっ⁉︎ き、聞こえてた?」
「まぁあの大きさですからね。聞こえない方がおかしいかと。しかも『こっちから願い下げ』ってことは、もしかして……」
きっとさっきの叫びで、事情は大体伝わったに違いない。否定するのも面倒で、莉里架は小さく頷いた。
「……さっきフラれた」
「……なんて男だ。殺してやりましょうか……」
「こ、殺す⁉︎ そんな物騒なこといわないでー!」
「す、すみません! つい」
「ついじゃないよ! っていうか、あんな男のために安東くんが犯罪者になっちゃダメ」
すると何故か葉介が照れたように頭を掻いた。
「……生徒会長が俺なんかの心配をしてくれるなんて……ちょっと感動。それで? どんな男だったんですか?」
「どんなって……会社の同期で、グループのムードメーカー的な人。半年前に告白されて付き合ったんだけど……さっきフラれたの」
「どんな理由で別れを切り出されたんですか?」
「性格が合わないって。あと……体の相性も良くないとも言われた……」
その途端、葉介の顔が怒りに包まれたのがわかり、莉里架は話題を変えようとしたが、そうするには遅かった。
「体……? その男とセックスしたんですか?」
「し、したって言っても三回くらいだよ! 初めてだからちょっと怖かったのもあるし……」
「初めて……」
「だから痛くて痛くて……やめてって言ってもやめてくれないし、我慢したけどやっぱり辛いだけだし……」
「はぁっ? まさかこんな小さな体に無理矢理……? しかも我慢? あり得ない。最低男じゃないですか。別れて正解ですよ」
きっぱりと言い切る姿に、莉里架は心の底から喜びを感じた。会社には幸也の友人が多く、莉里架の想いに同調してくれる友人がどれほどいるかわからなかったから。
「幸也って、生徒会長の彼氏の名前ですか?」
「えっ⁉︎ き、聞こえてた?」
「まぁあの大きさですからね。聞こえない方がおかしいかと。しかも『こっちから願い下げ』ってことは、もしかして……」
きっとさっきの叫びで、事情は大体伝わったに違いない。否定するのも面倒で、莉里架は小さく頷いた。
「……さっきフラれた」
「……なんて男だ。殺してやりましょうか……」
「こ、殺す⁉︎ そんな物騒なこといわないでー!」
「す、すみません! つい」
「ついじゃないよ! っていうか、あんな男のために安東くんが犯罪者になっちゃダメ」
すると何故か葉介が照れたように頭を掻いた。
「……生徒会長が俺なんかの心配をしてくれるなんて……ちょっと感動。それで? どんな男だったんですか?」
「どんなって……会社の同期で、グループのムードメーカー的な人。半年前に告白されて付き合ったんだけど……さっきフラれたの」
「どんな理由で別れを切り出されたんですか?」
「性格が合わないって。あと……体の相性も良くないとも言われた……」
その途端、葉介の顔が怒りに包まれたのがわかり、莉里架は話題を変えようとしたが、そうするには遅かった。
「体……? その男とセックスしたんですか?」
「し、したって言っても三回くらいだよ! 初めてだからちょっと怖かったのもあるし……」
「初めて……」
「だから痛くて痛くて……やめてって言ってもやめてくれないし、我慢したけどやっぱり辛いだけだし……」
「はぁっ? まさかこんな小さな体に無理矢理……? しかも我慢? あり得ない。最低男じゃないですか。別れて正解ですよ」
きっぱりと言い切る姿に、莉里架は心の底から喜びを感じた。会社には幸也の友人が多く、莉里架の想いに同調してくれる友人がどれほどいるかわからなかったから。
0
あなたにおすすめの小説
雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
和泉 花奈
恋愛
主人公の観月 奈緒(25)は、ある日突然仕事に行けなくなり、ずっとお家の中に引きこもっている。
そんな自分を変えたくて足掻き苦しんでいるが、なかなかあと一歩が踏み出せずにいる。
勇気を出して家から出た奈緒は、たまたまぶつかった須藤 悠翔という男に出会い、運命が大きく揺れ動く。
※突然で申し訳ないのですが、投稿方式を変えました。
これまで1〜3話をまとめて1話にしておりますが、各話1話ずつそれぞれで公開することにしました。
急な変更に伴い、読者の皆様にご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
これからも引き続き作品の応援をよろしくお願い致します。
2025/10/21 和泉 花奈
政略結婚の相手は、御曹司の元カレでした〜冷たいはずの彼が甘過ぎて困ってます〜
蓮恭
恋愛
『契約からはじまる、真実の愛――冷徹御曹司と、再会から紡ぐ一途な結婚譚』
「――もう、他人のままでいられないと思った」
美しいが、一見地味で物静か、けれどどこか品を纏った静香と、頭脳明晰で冷徹と噂される若き副社長の礼司。
六年前、身分違いの恋に終止符を打った二人が再会したのは――政略結婚の書類の上だった。
契約から始まる一年という期限付きの夫婦生活。
いつしか優しい嘘も、張りつめた距離も崩れていく。
すれ違いの中で募っていく想い。交錯する家同士の事情、嫉妬、そして隠されていた過去。
それでも、何度でも惹かれ合う二人の先にあったのは、『家族』という名の奇跡だった。
真実の愛を知ったとき、男はその名すら捨てて、彼女の人生を選んだ――
これは、ただ一度きりの契約が、本当の運命へ変わるまでの物語。
【完結】執着系御曹司との甘く切ない政略結婚 ー愛した人は姉の婚約者でしたー
波野雫
恋愛
波川音羽(なみかわ おとは)は、昔から優秀で美人の姉・一嘩(いちか)と比較されて育ってきた。
実家が営む和菓子屋『波川屋』の業績に陰りが見えはじめた頃、かつて祖父の代に援助をした小野寺(おのでら)コーポレーションから提携の打診を受ける。
それに伴い、小野寺の御曹司である碧斗(あおと)との縁談も持ち上がった。
相手は指定されておらず、姉妹のどちらかが嫁ぐことになる。
その話を受けたとき、すぐさま名乗りを上げたのは一嘩だった。
当初は美男美女でお似合いのふたりを祝福していた音羽だったが、碧斗の優しい気遣いに触れて、次第に心惹かれてしまう。
このままふたりの近くにいては苦しくなるばかりだと、音羽は単身でフランスへ渡る決意をした。
数年経ってもふたりが結婚しないことに疑念を抱いた音羽だったが、ある日突然、実家から帰国を命じられる。
いよいよそのときが来たのかと、覚悟を決めた音羽。
しかし両親に聞かされたのは姉たちの結婚ではなく、ふたりが婚約を破棄したという予想外の話だった。
両社は共同で多くの事業を立ち上げており、とん挫すればお互いに損失は免れない。
それを避けるために両家の縁を切るべきではないと、音羽は碧斗に請われて姉の代わりに結婚することになってしまう。
想いを打ち明けられないままはじまった新婚生活だったが、意外にも碧斗からは大切にされ、音羽は次第に彼に気を許していく。
碧斗に恋愛感情はなくとも、このまま穏やかな日々が続くのだろうと思っていた矢先、駆け落ちのようにしていなくなった姉がふたりの前に姿を現した。
*R回は予告なしに入ります。
*初投稿で不慣れですが、最後までお付き合いいただけるとうれいしです。
*すでに公開部分も、予告なしに編集をすることがあります。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!
如月 そら
恋愛
「それなら、いっそ契約婚でもするか?」
そう言った目の前の男は椿美冬の顔を見てふっと余裕のある笑みを浮かべた。
──契約結婚なのだから。
そんな風に思っていたのだけれど。
なんか妙に甘くないですか!?
アパレルメーカー社長の椿美冬とベンチャーキャピタルの副社長、槙野祐輔。
二人の結婚は果たして契約結婚か、溺愛婚か!?
※イラストは玉子様(@tamagokikaku)イラストの無断転載複写は禁止させて頂きます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる