おっさん鍛冶屋の異世界探検記

モッチー

文字の大きさ
69 / 94
第2部

4旅立ち準備

しおりを挟む
工作機械の製造がいつしか武装化してしまいとんでも無いものになってしまって、精神的ダメージを受けつつ、荷物をまとめて旅立ちの準備を行っていた。
工作機械は作ってもそれに付随する物はまだ出来ていなかったのである。
さすがに筋繊維むき出しのパワードスーツを着て歩くのは抵抗あるし、杭打ち用の杭もまだ用意していない。
これは武装用とは違い固定用の杭も用意が出来てないので、これは足場に使う単管パイプを参考に機械の固定器具を作っておくことになる。

ここまで来ちゃうと作業台セットの製作になってきそうだが…
今はよそう。
ちょっとした台で縫製出来れば簡単に服が作れてひとまずはよしとしようと思っている。

それさえ出来ればパワードスーツと万能グローブつけたままで荷物はマジックバックに入れておけばすぐ動けるからいいだろう。

さて作業を続けるか。
まず2m程の杭を撃ち込んで、それを一畳程のサイズで四隅に4本撃ち込んでその長さに会うパイプを組んで枠を作りそこに板を乗せれば簡易作業台の出来上がり。

ここに生地を出してハサミと針を用意して、イメージは作務衣とか道着の様なある程度余裕のあるフリーサイズでいい様に大きめにして紐で縛る様にしとけば調整できていいだろう。

そんな感じで生地を切りにかかるが線すら引かずに手が動く…万能グローブが意図を読み取って勝手に動いてる。

これパワードスーツとグローブあれば体が動かない人でも自由に生活出来そうだよね。

そんな思考のそれなんかも気にせず手は勝手に動き精密な縫製であっという間に出来てしまった。

腰元で縛る帯も作られててなんか柔道着みたいになっちゃった。
まあいっか。

ついでだから帯にマジックバックを取り付けられる様にして、武装用、工作機械用、材料用、生活用とに分けて脇に2個づつ固定しちゃった。
でもまだもう一個あるけど…これはまだいいか…無理に使う必要も無いもんね。
それにしてもファッション性無い格好だね。
ま~鍛冶屋のおっさんで考えればこれ程似合うものも無いだろうけどさ~今更色気出してもね~

いいんだ頑固オヤジでもうこの路線でいけばいいんだ。そうだそれでいいんだ。



さてとそろそろ行くとしますか?

今居るのは常人国ヒルデベルの東、蜂達が住んでいる古城のさらに東。
ここから古城まででて街道を北上し漆黒の谷経由でエルフの森に入って、妖精国フェルネルと獣人国モルターの中間交易村から発展したフォレストタウンを目指すのである。

ここはダークエルフのテオが先に帰って居るので、まずは合流を目指すのだが漆黒の谷に居るのか、ダクドラの爺さんの所か、依頼主のフォレストタウンか…
最終的にはフォレストタウンに行かなくてはいけないから気にせず1人の時間を満喫して行くとしますか。

道具は用意できたので、一人旅で大丈夫なのかステータスを確認してみよう

名前:親方  職業:鍛冶屋

生命力:測れません(プログラムが違います)
攻撃力:道具に依存
防御力:道具に依存
素早さ:道具に依存

武器:親方専用 試作工作機器
防具:親方専用 試作肉体補助機器

…………ハッ……俺って…死なないキャラクターにでもなったのか?

余りにも想定外の現実に意識が別世界に旅立ってしまった…

そもそも名前が親方って…俺にはちゃんと名前が………思いさせない…
あれ?なんで思い出せないんだ?

これはもしや親方って役割以外いらない事は思い出せないのか?

ガーン

すげ~ショック…

そうなるとひたすら鍛冶屋やってれば良いだけって事か…それもそれで楽だけどこれもショックだな…

は~

ステータスも道具に依存って俺じゃなくても良く無いか?
極論ゴーレムで良い様な気がしてきたぞ。
って事は俺の存在価値は頭だけ?ゴーレム人間で良いのか…

ま~仕方ない潔く諦めて気ままに行くか。悩むだけ無駄なんだろう。
なる様になるさ。開き直りも肝心さ。

長い事世話になったこの場所も今は誰も居らずに寂しいものだがいざ後にしようとすると感慨深いものがある。
一通り部屋を見て回り思い出を懐かしみながら後ろ髪引かれる思いで館を後にするのだった。

館を出ると道という道は無いのだが獣道の様なちょっと人が通るには草が避けられている程度の道を進んで疎らにある広葉樹の林を一路西に向け歩みを進めていた。

この辺りは安全とは言われていたのだが嫌な気配がする。
どうやらモンスターが新たに生息をしている様だ。
危険探知の様なものは出来るとは思っていないのだが第六感的な虫の知らせの様なものを感じて、殺意の様な害意の様に感じている様だ。

それならばと装備をいつでも対処できる様に準備を始めた。
パワードスーツのサポート率を100%まで上げて小手の削岩機に刃物を取り付けることにした。右手のみの装備だが80cmの両刃の刃物を取り付けして、襲撃されても即カウンターを叩き込める様に起動状態に変えた。

この削岩機の振動に刃物で普通に切るよりは攻撃力があるだろう。
これは後手元のスイッチを入れるだけで振動を始める。
両刃の刃物と言っても断面菱形のほぼ鈍器なので、振動が加わる事により切断力が上乗せできる程度のものである。
振動も上下運動なので、切ることよりはレイピアの様に突き主体の方が向いてると思われる。
そんなものでも防御主体でカウンターを狙うには都合が良さそうである。

果たしてこの第六感的な感覚は何を捉えて、この防御体制は活用できるのであろうか…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

私のアレに値が付いた!?

ネコヅキ
ファンタジー
 もしも、金のタマゴを産み落としたなら――  鮎沢佳奈は二十歳の大学生。ある日突然死んでしまった彼女は、神様の代行者を名乗る青年に異世界へと転生。という形で異世界への移住を提案され、移住を快諾した佳奈は喫茶店の看板娘である人物に助けてもらって新たな生活を始めた。  しかしその一週間後。借りたアパートの一室で、白磁の器を揺るがす事件が勃発する。振り返って見てみれば器の中で灰色の物体が鎮座し、その物体の正体を知るべく質屋に持ち込んだ事から彼女の順風満帆の歯車が狂い始める。  自身を金のタマゴを産むガチョウになぞらえ、絶対に知られてはならない秘密を一人抱え込む佳奈の運命はいかに―― ・産むのはタマゴではありません! お食事中の方はご注意下さいませ。 ・小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 ・小説家になろう様にて三十七万PVを突破。

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...