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第一章 あれ?腐った呪い?
にじゅうきゅう
しおりを挟むまあ、しつこいしつこい。
うん、絶対に苅野先輩が乗り移ってるよねー。マイナスして大人の常識とか、さらにマイナスして謙虚さとかないけども……いや、苅野先輩が謙虚ってわけじゃないけど、普通?よりは強引くらいかなあ。
でもさ、クリストファーはなんだかんだ王子だしぃ?
確か、外では溺愛で執着くらいだけど……というか、ヒロインに関してはまあ甘々よー?
でもねー、俺溺愛だけど、言葉責め?入りました!って感じよー。割と鬼畜で病んでるし?
もうね……確かにエロボイスなんだけど……すいません!俺的にはファンじゃないのであまりエロスは感じませんでした!
俺がもし女の子なら少しは感じたかもしれませんけどね?
『いや、殿下、やめて!』
『ふーん?じゃ、代わりにリオーラに代わりにさせる?』
『な……姉様は殿下の婚約者ではありませんか!』
『でも、もう破棄するよ。冷たい高飛車な女にはうんざりだ。』
『姉様は……そんなでは……。』
『なに?あんな女大事なの?』
『………。』
『避けてるくせに?』
『……。』
『婚約破棄された女に未来はないよね?』
『なっ……お願いです、姉様に酷いことをしないで……ください。
お願いします、僕、なんでもするから……。』
『じゃ。わかってるよね?ハノエル、着ているものを全部脱いで。』
『……はい。』
で、ぐちゃぐちゃにされるのっ!
酷くない?
ちなみに内緒で地下で飼われるからね?ムービーでは地下でさらに抱き潰されてます。首輪に繋がれてね。
公爵家?……俺が地下で飼われた次の日に、断罪されて処刑されるんだよ、兄も姉も……酷いよね。
話的には……その後ハノエルを見たものはいない……で終わり。
これが苅野先輩と吹き込んだムービーその1。
このエンディングには行きたくないよね。だって、ゲームならそこで終わるけど……ヤダわー。王子顔の苅野先輩に飼われる気がして、絶対にいや!
ハーレムというか複数に溺愛系は、確かに溺愛だけども………今のハノエルの体力じゃ……死んじゃうんじゃないの?
だってねー、取っ替え引っ替えにその……やられちゃうんだよ?
ハノエル16歳よ?その頃!
……体力つけなきゃって、つきにくいんだってー!
でも、でも、戦うほどじゃなくったって、少しはつくよね?
って!ハーレムエンドもお断りだって!
おれは、あのアテレコは……二度としたくないし見たくありません!
そもそも、カレイドは対象外だから好きな声聞けないしね。
なら、このままずっと……領地にいたいなあ。
「……殿下?いくら殿下であっても主治医がどのような症状が出るかわからないと言っている以上、貴方を私の大事な息子に会わせるわけには参りません。」
あ、とうとう父様召喚だ。
「だが、症状が出るとは限らないであろう?」
「では、もしも発作のように激しい症状が出て、命の危険になったら……私は貴方を殺します。
貴方は私を殺人者にしたいのですか?」
「………。」
「殿下、貴方からの謝罪は結構です。弟君を我が家に招いてしまったのは私なのですから。」
「それはっ!」
「確かに第二王妃様のゴリ押しではありましたが、最終的に決めたのは私です。
まあ、あそこまで愚かな王子だとは思いませんでしたがね。
ですが、クリストファー殿下からな謝罪はいりません。
ですので、私の息子に会わせる気はありません。」
「……わかった。だが、いつか……機会があれば……。」
「そうですな。殿下はリオーラの婚約者でもあります。もし、そのまま結ばれれば、貴方はあの子の義兄となりましょう。
そうなるのであれば、あの子も義兄として慕うかもしれません。」
「……わかった。」
うーん。ガックリとうなだれるクリストファーが見えるようだ。
でもねー、父様には勝てないよね?いかな王子でも。
一応は王弟だもの。
公爵家のお爺様は、この領地の南の方で余生を送っているけど父様の叔父にあたるんだ。
お爺様は好きな女の人がいたらしいけど、結ばれることはなかったんだってさ。だから父が養子として、この公爵家を継いだ……ハノエルの記憶にあった。
まあ、だから王子たちは従兄弟なんだけどもね。
「ハル?もう食べないの?」
「うん。もう、だい、じょう、ぶ。」
まだねー、スムーズには喋れない。片言になっちゃうの。
まあ、顎がというよりは柔すぎる筋肉のせいなんだけど。
サロンでまったりと料理長特性、栄養満点のプリンを食べていたのですけどね……本当に小さいプリンなんだけど、半分でキブ。
前は一つ食べれたんだけどね。
なんでも食の少ないハノエルの為にハノエル大好きな料理長が開発したプリンなんだよ。
すっごく美味しくて、とろけるんだけどね……春樹ならペロリと食べれちゃうよ、多分2、3個は食べれちゃうよ。妹なら10個はいける!
そもそも普通の一個売りぷっ◯んプリンの4分の1の大きさのプリンなんですけどねー。
ようやく扉前が静かになったなあ。
諦めてくれたみたいでよかったよ。
流石に王子にダメって言ったからか、父もサロンには来なかった。
とりあえず、俺もある程度回復したので、明日から父は殿下とレイズ叔父と騎士たちと公爵家の私兵で、ディンゲルを連れて王都に戻るんだってさ。その準備もあるのかもね。
今回はスピード重視でかなりの強行軍で帰るから母は行かない。
本当はすぐにでも王都に行くべきなんだろうが、俺の状態が状態だったからみたい。で、落ち着いたわけ。でも、母が行かない理由はもう一つ。
ディンゲルを断罪しに行くわけだからね……第二王妃に人質として母が連れて行かれても困るってのもあるみたい。
うーん、なんか第二王妃は問題ありありみたいだなあ。
サロンには結局兄様と二人だ。
姉は、またお呼ばれなのです。
このところ、俺のために断っていたからね。でも、そろそろね?って。
「そ、だ、兄様。」
「なあに?」
「あの、ね?」
「うん。」
「第二種、って、なあに?」
「え?」
ようやく、これでわかるかな?
応援ありがとうございます!
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