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「頑張れよリヴァくぅーん」
「くんって言うなあぁぁっ」

 含みのある見送り方をするエロ生臭変態神父から逃げるように出発した俺たちは、ダンジョンへと向かう。

「ふふふ。ふふ」
「笑うなっ」
「ふへぇ~」
「だから笑うなって……あんのクソ神父め」

 神父があんな見送りかたをする意味も知らないで、ヘラヘラと笑いやがって。

 十一階にいどうしたら、今度は階層内の魔法陣まで転移する。
 これもお金が必要なのか……はぁ、しっかり稼がないとな。

「そんじゃま、成人の祝いに貰った武器の使い心地を確かめるかね」
「おぉー、ちゅおそぉ」

 ハンマーの大きさは、前より少しだけ柄が伸びたかな?
 俺の身長が伸びたってのもあって、それに合わせてくれたのだろう。それでも六十センチぐらいだろうか。
 金槌の部分も一回り以上大きくなって、武器らしい貫禄が出ている。
 その割に重さは以前のと変わらない。
 ただの鉄じゃないのかもしれないな。
 
「ここにある窪みはなんだろうな?」
「んー、あぁ」

 刃の付け根に小さな窪みがある。もしかして予算不足で飾りの宝石を嵌められませんでした──みたいな?

「こぉ、ここ」
「ん? 魔石をどうすんだ」
「ここ、こう」

 セシリアが小さな赤い火の魔石を窪みに押し当てた。
 すると魔石が光り、しゅるんっと形を変えて窪みの中へすっぽりとハマる。

「は? え?」
「こう!」

 セシリアがハンマーで地面を叩いた。
 それほど力を入れているようには見えないのに、勢いよく火花が散る。

「ひ、火ぃ」
「魔石の力を付与してんのか?」
「そう! はい!!」

 すげぇ。その為の窪みだったのか。
 じゃあセットする石によって効果が──でも石はもうセットされちまったしなぁ。

「こえ、こ……あぅぅ。んー……こえ、ちゅ、ちゅ……」

 ちゅう!?
 い、いや。ここでそんな……大胆ですセシリアさん。

「ちゅかう……ちゅかうと……石、ぐぎ……きえうっ」
「……使うと、魔石が消える?」
「はい! そう!!」

 チューではなかったらしい。ほっとしたような、残念な──いやいやいや。何言ってんだ俺。セシリアはまだ十四だよ。俺なんて中身二十四じゃないか。二十四歳と十四歳。ロリコンです! 犯罪です! 犯罪イクナイ!!

「い、いば?」
「はっ。なんでもない。なんでもないから顔を近づけるなっ」
「ひゃいっ」

 クッソォ。絶対エロ生臭変態坊主のせいだ。
 お、俺がセシリアなんて、いくら綺麗な子だからって意識するわけねえんだよ。

 それとも……精神が肉体年齢に引っ張られてる……とか?

「いばっ」

 突然思考を遮るような彼女の声が聞こえ、モンスターが近いことを確認する。
 そして今の声で向こうが気づいたようだ。

「ふぅ……そんじゃま、お試しを行くか」
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