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「はぁ、なんだこのステータスは」

 カードが届くとさっそく登録開始。
 難しいことは一切ない。ただ指先をちょんっと切って血をカードに垂らすだけ。それも一滴程度でいい。

 さっき切った指は神父が治癒してしまったので、また傷を作る所からだった。
 二度も痛い思いするなら、さっきの治癒して貰わなきゃよかったな。
 そんなことを考えていると、ギルドマスターの素っ頓狂な声が聞こえた。

「なんか変ですか?」
「変っつーか……平均してどのステータスも高いってのは珍しいと思ってだな」

 正確な俺のステータスて今どうなってんだ?
 自分のカードを改めてみる。


******************************************

 筋力210 体力217 敏捷190 魔力164

******************************************


 お、だいたい予想通りだな。

「リヴァは小せぇ頃から肉体労働やってたからな。あとは俺様が魔法の才がねえかなって、いろいろやらせたらこうよ。魔法の才能なかったけどな」
「にしたってここまで器用にどのステータスも上げるとは……こりゃ大器晩成型になるな」

 好き勝手言われているけど、口出しはするまい。

「いたぁのぉ」
「すみません。司祭様、こちらのお嬢さんの指の治癒をお願いします」
「オッケーオッケー。セシリアちゃん、指見せてみな」
「はいっ」

 セシリアの登録も出来たようだ。どうせなら俺の傷も治してくれよ。

「こっちのお嬢ちゃんもまた……随分とたけぇ魔力だな」
「え、なになに。セシリアの魔力いくつなんだよ」


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 筋力35 体力64 敏捷120 魔力469

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 魔力だけ突出してるな。
 いや、十三歳ってことを考えると、敏捷も高い。こいつは俺と違ってステータスの強奪なんてしていないし、素の高さだ。

「しゅごい?」
「ん? このお嬢ちゃん……」

 ギルドマスターが首を傾げてセシリアを見た。
 発音が気になったんだろう。

「言葉は今練習中なんだ」
「あぁ、なるほど。そう、凄いぞ。お嬢ちゃんぐらいの年齢で魔力が三桁もあれば、将来はきっと大魔導師様だ」
「だいまおうし?」

 ギルドマスターが何か言いたそうな顔で俺を見る。

「魔王じゃなくって魔法だ」
「そ、そうか。ちょっとビビっちまったぜ」
「けどセシリアは精霊使いだぜ」
「精霊使いか……なるほど。精霊使いならこの若さでも即戦力なのも頷ける」

 精霊使いなら?
 魔術師と何か違うのか。

「精霊使いの魔術は、精霊そのものが教えてくれます。魔術師は誰かに教えを乞うか、そういう学び舎で学ぶか……とにかくひとりで身に付くものではないですから」
「まぁそういうのがあるから、若い魔術師ってのは少ないのさ」
「へぇ。じゃあ俺たちがモンハウから救出したパーティーの魔術師って──」
「あぁ、かなーり優秀な人材だ。他の連中も、成長速度が早い期待のルーキーさ」

 そりゃ助けて良かったぜ。
 
「さて、あとは裏面に名前を彫りこむだけだが──」
「お、俺、字が汚いんでよろしくお願いしますっ」
「よおしうお願いしまうっ」

 セシリアもかよ。

「あ……字ぃ、綺麗な人がいいです」
「うんうん」

 ってことでギルドマスター、メサヤさん、パウロア氏の三人に字を書いて貰った。
 その結果──
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