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4話 幼馴染 その3
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「しかし、ジストン侯爵がそこまで浮気をしているなんて……」
「これは私も最初は信じられなかったわ」
ファラウにドール様のことを話したのは良いけれど、彼はかなり戸惑っているようだった。迷惑を掛けてしまっているかしら……。
「無類の女好きといった印象だったわ」
「無類の女好きか……確かにその通りだな。しかし、それを理由に婚約解消が出来ないとは。それに、エレナの身体まで差し出せと言うなんて……」
「本当に危ないことだわ。このまま婚約破棄が出来なければ、あの人に身体を奪われてしまう……」
「お、おい……それはシャレにならないな……」
確かに洒落にならない事態だ。なんとしても婚約破棄をしてもらわないと、大変なことになってしまう。
「私の大切な幼馴染であるエレナになんて事を……」
「ファラウ……ありがとう」
「気にしないでくれ、幼馴染じゃないか。それにしても、なんとか出来ることを考えようか」
「そ、そうね……」
あんまり人に言えることではないけれど、ファラウは私の初恋の相手でもある。昔から仲が良かったけれど、いつしか淡い恋心を持つようになった。ファラウの方はどう思っていたのかは知らないけれど、嫌いではなかったのだと思う。
でもまあ、近すぎる間柄だったのかそれ以上には進展することはなかったけれど。
「私に話してくれたのは嬉しいけれど、私ではエレナの役に立てることは出来ないな……相手がジストン侯爵なのでなおさらだな」
「そうよね……」
ファラウも位は高いけれど、伯爵令息という立場なので侯爵様には勝てないということだろう。ファラウは伯爵ではないので、さらに持っている権限が低い。伯爵令嬢である私とそこまで変わらないわけだけれど。
「う~ん、そういうことであれば……」
「なにか良い方法はないかしら」
「そうだな、君は侯爵と別れたがっているわけだけれど……」
私もファラウも無言になってしまった。ウィルガさんも無言になっている。何か良い考えはないかしら。
「気が進まないかもしれないけれど、ジーク・マリーチ伯爵に相談するのが良いと思う」
「えっ、やっぱり……? でも、それは……」
「心配なら私も付いて行くさ。やはり、お父様には報告しておいた方が良いと思うよ」
「そ、そうよね……やっぱり……」
「ああ」
やっぱり、お父様に言う必要があるかしら。気は進まないけれど、ファラウが付いて来てくれるなら。私は彼の提案を了承して自分の屋敷に向かうことになった。お父様に心配を掛けるけれど仕方ないわね。
「これは私も最初は信じられなかったわ」
ファラウにドール様のことを話したのは良いけれど、彼はかなり戸惑っているようだった。迷惑を掛けてしまっているかしら……。
「無類の女好きといった印象だったわ」
「無類の女好きか……確かにその通りだな。しかし、それを理由に婚約解消が出来ないとは。それに、エレナの身体まで差し出せと言うなんて……」
「本当に危ないことだわ。このまま婚約破棄が出来なければ、あの人に身体を奪われてしまう……」
「お、おい……それはシャレにならないな……」
確かに洒落にならない事態だ。なんとしても婚約破棄をしてもらわないと、大変なことになってしまう。
「私の大切な幼馴染であるエレナになんて事を……」
「ファラウ……ありがとう」
「気にしないでくれ、幼馴染じゃないか。それにしても、なんとか出来ることを考えようか」
「そ、そうね……」
あんまり人に言えることではないけれど、ファラウは私の初恋の相手でもある。昔から仲が良かったけれど、いつしか淡い恋心を持つようになった。ファラウの方はどう思っていたのかは知らないけれど、嫌いではなかったのだと思う。
でもまあ、近すぎる間柄だったのかそれ以上には進展することはなかったけれど。
「私に話してくれたのは嬉しいけれど、私ではエレナの役に立てることは出来ないな……相手がジストン侯爵なのでなおさらだな」
「そうよね……」
ファラウも位は高いけれど、伯爵令息という立場なので侯爵様には勝てないということだろう。ファラウは伯爵ではないので、さらに持っている権限が低い。伯爵令嬢である私とそこまで変わらないわけだけれど。
「う~ん、そういうことであれば……」
「なにか良い方法はないかしら」
「そうだな、君は侯爵と別れたがっているわけだけれど……」
私もファラウも無言になってしまった。ウィルガさんも無言になっている。何か良い考えはないかしら。
「気が進まないかもしれないけれど、ジーク・マリーチ伯爵に相談するのが良いと思う」
「えっ、やっぱり……? でも、それは……」
「心配なら私も付いて行くさ。やはり、お父様には報告しておいた方が良いと思うよ」
「そ、そうよね……やっぱり……」
「ああ」
やっぱり、お父様に言う必要があるかしら。気は進まないけれど、ファラウが付いて来てくれるなら。私は彼の提案を了承して自分の屋敷に向かうことになった。お父様に心配を掛けるけれど仕方ないわね。
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