私の味方は王子殿下とそのご家族だけでした。

マルローネ

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3話 幼馴染との再会 その1

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「まさか……コーデリアか?」

「あ、やはりシムルグ王子殿下でしたか……!」


 私が確認をする前に向こうから話し掛けて来た。シムルグ様は私と目が合うなり、私の元に駆けつけてくれる。


「ああ、私だよ。久しぶりじゃないか、コーデリア!」

「はい、シムルグ様……お久しぶりでございます」


 2年振りくらいの再会かしら? シムルグ様は王都を離れていた時期があるし、私もミストマ様との婚約で忙しかったからね。そもそも、会える機会が多くはないのに、さらに会えなくなっていたわけで。

「元気だったか……? ああ、いや、こういう聞き方は良くないな」

「あ……はい、すみません……」

「いや、コーデリアが謝ることじゃないと思うが」


 やはりシムルグ様は、私の婚約破棄のことを知っているようだった。まあ、当然と言えば当然か。王家の方々には公爵家の婚約関係はすぐに情報が行くだろうから。シムルグ様に知られている……なんだか情けない気持ちになってしまった。


「私はミストマ様に婚約破棄をされました」

「なに? 婚約破棄だと? ミストマ殿からは確か、合意の元の婚約解消だと聞いているが……」

「えっ? そんなはずは……」


 あれ? なんだかとんでもないところで食い違いが生じているような気がするわ……どういうことかしら。


-------------------------


 私とシムルグ様は近くのカフェに移動した。貴族街のカフェなので、一般的な喫茶店よりも豪華になっており、貴族関連の人間しかほぼ入れない場所だ。そこで私はミストマ様に受けた婚約破棄の内容をシムルグ様に話した。


「……と、いうわけなんです。ミストマ様は別の女性と一緒になるからという理由で、一方的に婚約破棄を宣言されました」

「なんということだ……話がかなり食い違っているな。ミストマ殿は一体、何を考えているのだ?」

「王家の方々とは穏便に事を済まそうと考えたのではないでしょうか? 婚約解消だと言っておけば、とりあえずの心証は守れますし」

「確かにそうかもしれないが……しかし」


 ミストマ様の策は随分と短絡的に思える。私が王家とのパイプラインがないことを確信していたのかしら? まあ、本来であればとてもあるとは言えないんだけれど。シムルグ様を除いては。


「それから……」

「どうかしたのか?」

「私の家族についてなんですが……」

「ヨーゼフ殿やブラウン殿、エレナ夫人のことか?」

「そうです……お父様達も私の婚約破棄に関して、全く味方になってくれませんでした。それどころか、罵倒される始末で……」

「なんと!? コーデリア……それは大変に悲しい思いをしただろう? 家族が味方になってくれない程、辛いものはないからな」

「はい……シムルグ様……」


 私はシムルグ様の前で涙を零していた……こんな恥ずかしいことはしたくなかったけれど、溢れ出る雫はどうしても止めることが出来なかったのだ。改めて悔しさや悲しみが押し寄せて来ていた……。
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