私の味方は王子殿下とそのご家族だけでした。

マルローネ

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11話 ヨーゼフの後悔 その1

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「縁を切る……? コーデリアとの縁、と言う意味ですか!?」

「そういうことだ」

「冗談は止めていただきたい! どうして私が実の娘と縁を切らなければならないのですか!」


 私を修道院に送る予定だった人の言葉とは思えなかった。

「縁を切るつもりはないと?」

「私や妻が手塩に掛けて今まで育てて来たのですよ? 当然です!」


 さっきは「ゴミだ!」という言葉が出て来ていたのに……ここに来て大切さをアピールされても誰が信じるのだろうか。本当にお父様の言葉は信じられないわね。


「コーデリア、修道院送りを計画されていたんだろう? 今のヨーゼフ殿の言葉は信用に値するのか? 手塩に掛けて育てて来たと言っているが……」

「いえ、シムルグ様。まったく信用しなくて大丈夫だと思います」

「こ、コーデリア……?」


 お父様は信じられない、と言った様子を見せていたけれど、私が現状で彼を庇うわけはなく……。


「幼少から手塩に掛けて育てて来た、というのであれば当然、私とシムルグ様の関係は知っていたはずです。幼馴染という関係をまったく知らなかったようですので……ねえ、お父様?」

「うっ、そ、それは……! あ、敢えて知らない振りをだな……」

「嘘を吐いたって駄目ですよ。当時のお父様は私になんて関心がなかったですよね?」


 私とシムルグ様は小さい時に通っていた学校で既に知り合っている。お父様はその時から私には厳格な人だった……まともに愛されたことは、今にして思うと1度もなかったように思う。それでもミストマ様に婚約破棄をされた時は、味方になってくれると信じていたけれど……それも裏切られたわけで。

「関心がないなんてことはさいさ、はははは……」

「お父様、私に嘘を吐いても意味がありませんよ? そろそろ本音で話しましょう」

「ほ、本音だと……?」

「はい、本音です。お父様は私を修道院に送ることを計画されていましたが、そのお気持ちは今も変わらないのでしょうか?」

「そ、そんなわけはないだろう? 私がコーデリアを修道院に送るわけが……」

「でもそれは、私がシムルグ様達と知り合いだと分かったからですよね?」

「……」


 お父様は突然無言になった。私としてもそれは意外なことであり……もっと言い訳を言って来るかと思ったのだけれど。


「その通りだよ、コーデリア。ミストマ様へ嫁がせるのではなく、シムルグ王子殿下に嫁がせれば良かったと、とても後悔しているさ……」

「それって……」

「そうだな、ヨーゼフ殿。先ほどの会話で分かっていると思うが、私は以前からコーデリアのことが好きだった。婚約者がいないのなら、彼女に告白しようかとさえ思っている」

「やはりそうでしたか……なんという運命のいたずらか。コーデリア……お前がもっと早く、シムルグ様との関係を暴露していれば、こんなことにはならなかったのだ……」


 なぜか私が悪い理論になっている。お父様はシムルグ様とアーシャ様に叱責されているはずなのに、そのことを忘れて「運命のいたずら」とか言い出したしワケが分からないわ。現実逃避をしているのかもしれないわね。

 それにしても、シムルグ様の口からとんでもない言葉が聞こえて来た。私を愛している? どうしよう、顔も熱くなってきたし、まともに彼の顔を見れないわ……。
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