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7話 アウザーと出会った その2

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「フィリップ様……あの、その……!」

「ん? どうかしたのか、ミアスタ嬢?」


 突然の告白? をしたフィリップ様だったけれど、非常に冷静だった。あまりにも自然と言ったので、聞き間違いじゃないかと思う程だ。いえ、そもそも告白ではないか……。

「ど、どういう意味でしょうか……フィリップ様。好意のない人間というのは……」

「ああ、そのことか。そのままの意味さ。私はその……まあなんだ、ミアスタ嬢のことが嫌いではない。以前から知っている相手でもあるしな。知った相手であるからこそ、助けたいと思っているのさ」

「さ、左様でございますか……あ、ありがとうございます……!」

「いや、気にしないでくれ」


 ちょっとだけ照れてるフィリップ様がズルかった。こんなことを言われたら、私も照れてしまう。


「ま、まさか……フィリップ様が……? あり得ないわ……」

「私としても驚きだ……あのミアスタを」

「妙な勘違いをするのは結構だが、ミアスタ嬢に対する非礼はそのくらいにして貰おうか。これ以上続けるようなら、私も黙っていないが?」

「うっ……!」


 睨みを利かせるフィリップ様。完全にアウザー様とメリスは呑まれている。その姿はとてもおかしかった。


「ま、まあいいでしょう……私達もデートの続きなのでね。それでは失礼させてもらいます」

「し、失礼いたしますわ……!」


 アウザー様とメリスは分が悪いと思ったのか、足早にその場から去って行った。


「ミアスタ嬢に謝罪もなく去って行ったか……ミアスタ嬢、これからは友人はもっと慎重に選んだ方が良いだろうな」

「そうですね……そうします」


 メリスのことを言っているのだと思う。はあ……彼女は幼馴染だっただけに、余計にダメージが大きかったわね。ただの友人に婚約者を奪われたのとはワケが違うし。


「あの、フィリップ様……助けていただいて、本当にありがとうございました!」

「いや、構わないさ。ミアスタ嬢にお礼を言って貰えて、嬉しいのはこっちだよ」

 そんなことを言われると、さらに照れてしまいそうだ……やっぱり、フィリップ様は……。

「そ、そのお言葉は……フィリップ様……!」

「ミアスタ嬢にとっては迷惑かもしれないが、私は以前から君のことを見ていた。自然と目で追うようになっていたんだ」

「そ、それはつまり……」

「片想い……と考えて貰っても問題ない……」


 ここで告白を頂きました! 駄目だわ……フィリップ様の顔をまともに見れない……。

 それになんて返せば良いのかしら。
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