婚約破棄を言い渡されたので、人脈を活かして好きにやらせていただきます!

マルローネ

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5話 人脈チート その1

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 誰が最初に言ったのかは忘れたけれど、私の交友範囲の広さは「人脈チート」と呼ばれることがあった。誤解のないように言っておくと、私並み、若しくはそれ以上の交友範囲の貴族が居ないわけではない。

 ただ、一般人との交友も考えての人脈チートという名称なのだと思う。ローグ王子殿下はそんな人脈チートの枠には入っていないと思っていたけれど、いきなりの告白を受けた……。


 マグナ第二王子殿下からは振られたばかりなんだけど、どのように答えたらいいだろう。


 ……気持ちとしては嬉しいけれど、やはりすぐに答えは出せなかった。


「申し訳ありません、ローグ王子殿下。今すぐの回答は控えさせていただけますでしょうか?」

「そうだな、私もいきなりの告白をしてしまって、済まなかった」

「いえ、そんなことは……」

「いや、君の複雑な気持ちを考えずに先走ってしまったようだ。回答については何時でも構わない。連絡をしてくれれば、私の方から伺うよ」


 私の方から出向くのが当然のはず。でも、ローグ王子殿下は敢えておっしゃってくれている。ここは、ローグ王子殿下の言葉を尊重するのが礼儀に思えた。


「ありがとうございます、ローグ王子殿下……それでは、お返事の際にはご連絡を差し上げます。それでよろしいでしょうか?」

「ああ、それで構わない」


 私とローグ王子殿下は自然と微笑み合っていた。まるで恋人関係が成立したかのような雰囲気で。


「ふむぅ……これは隅に置けませぬな。まさか、お二人がそのような関係になられるとは……!」

「えっ? マールヴォロ伯爵……?」


 私達のやり取りを見ていたマールヴォロ伯爵は、なにやらテンションが上がっているようだった。


「あの……お話を聞いておりましたか? まだ、回答は出ていませんよ……?」


「いやはや! これはめでたいことですぞ!」


「マールヴォロ伯爵には届いていないようだな」


 微笑ましいけれど、マールヴォロ伯爵の中では私とローグ王子殿下の婚約は決まったも同然になっているようだった。なんだか、ローグ王子殿下の婚約を受け入れる回答以外あり得ない雰囲気になってるような気がしてしまった。



「ローグ王子殿下と婚約!? イリーナ嬢、それはどういうことだ……?」

「確か、マグナ王子殿下に婚約破棄をされたと伺っていたけれど……」


「あ、皆さん……また、間の悪い時にお越しいただいたのですね……」


 玄関口でのやり取りだったのが迂闊だったか。私のことを心配してくれて来てくれた貴族の人々に、思い切り聞かれることになってしまった。ああ……説明するのが大変になりそうな予感……。
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