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9話

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「ど、どういうことだ……!? これは一体……どうしたと言うんだ!?」

「ようこそお出で下さいました、ユリアン様。本日は貴方に用事があって来たんです」

「お、おまえは……誰だ? 貴族ではあるまい」


 ユリアンはサトルが貴族ではないことを見抜いているような口振りだった。まあ、確かに違うんだけれど、まず、貴族かどうかを確認する時点で違う気がしてしまうわ。ユリアンは身分に拘っている……私の好きになれないタイプだった。

 それにしてもユリアンを目の前にしても平然としているサトルは凄かった。


「ユリアンはミラーマに婚約破棄をしたことを謝罪しろ! そして、相応の罰を受けるんだ!」

「な、なんだと……ミラーマの婚約破棄だと?」

「その通りです。彼女の件で俺はここに来ました。話し合いに応じてくれますよね?」

「くっ……!」

 サトルは有無を言わせる気がないようだった。周囲にはユリアン派閥の人々を従えているのだから……。
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