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10話
しおりを挟む「謝罪しろ! 慰謝料を支払え!」
「そうだそうだ!」
「な、ななななな!」
周囲のユリアン派の者達はサトルに操られているようで、さっきから完全に敵と化していた。サトルは話し合いに応じてほしいと言っていたけれど……。
「話し合い、なのか……? これは……?」
「話し合いですよ、ユリアン様。俺はミラーマに謝ってほしくて。それから相応の慰謝料をあげてください。今後、彼女は婚約破棄により不都合が生じるでしょうから。それも加味した上で増額してね」
「くっ……お前は一体……何者なんだ……」
「ただの平民ですよ。あなたにとってはね」
「絶対違うと思うんだけどな……サトル、凄すぎるわ」
私から見ても目の前の光景は驚きしかなかった。
「ミラーマ、済まなかった! この通りだ、許してくれ! サトルとかいう奴を止めてくれ!」
「……う~ん」
ユリアンには侯爵令息としての凄みは感じなかった。どこにでもいるチンピラと変わらない。
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