伯爵に婚約破棄されました。悲しいので幼馴染に会います

マルローネ

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2話

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 私はしばらくの間、謹慎処分に近い生活を送ることになった。

 レイモンド・スヴェル伯爵に捨てられて今は他の貴族達の間で噂になる時期だからだ。出席予定のパーティーは全て断った。部屋の掃除は本来ならメイドがしてくれるのだけれど、私も手伝うことにする。何もしていないのでは暇を持て余してしまうしね。


「はあ……どうしてこんなことになったのかしら」

「お察ししますお嬢様……とても悲しいことだと思います。レイモンド様の婚約破棄……私には信じられません」

「そうなのよね……」


 年齢が同じメイドであるエレナと私は話をしながら部屋の掃除と模様替えをしていた。いい暇潰しになっている。


「私のことを道具扱いしているとハッキリと言われたし……悲しいなんてものじゃないわ。反論もろくに聞いてくれずに婚約破棄されて屋敷から追い出されたし」

「大変でしたね、お嬢様。しかし、レイモンド様はかなり短絡的な考えの持ち主のようでございますね。先代の伯爵であるお父上が病気になったから伯爵の座を早くに手に入れた。そのことには同情いたしますが、今回のことは非情すぎると思います」

「ええ……その点には同感ね」


 レイモンドもそれなりの苦労はあったのだろうけれど、今回の突然の婚約破棄は悪手だろうと思えた。褒められたやり方ではないことは間違いないからだ。

「お嬢様はしばらくは屋敷にいるのですか?」

「そうね、どこへ行こうとも思っていないし……しばらくは籠っているかもしれないわね」

「なるほど、そうですか……」


 エレナは何かを考えているようだった。やっぱり、部屋に籠っているのは良くないと思われているのかしら? まあ、分かっていることだけれどね……。


「お嬢様、少し出掛けられては如何でしょうか? 運動にもなると思いますので」

「出掛けるの? でもパーティーへの出席はほとんど断ってしまったし」


 出掛けると言っても限度がある。せいぜい庭をぶらつくくらいだろうか。

「実はラクエル様から手紙をお預かりしています。久しぶりに会いたいという内容でしたが……これはお嬢様にとって追い風になりませんか?」

「内容……読んだのね? 私宛ての手紙を……」

「これは言い過ぎてしまいました」


 エレナは悪びれる様子はなくはぐらかそうとしているようだった。まったくこの子は……私と同じ16歳で幼馴染じゃなかったら、問題にしているところだわ。エレナとは幼馴染であり、昔から気心が知れている。


 それにしてもラクエル・バーンズ侯爵令息からの手紙が来ているなんて。予想外だったわ。
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