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13話 今後の展開
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私からの協力が得られないと分かったガスト様は、早々に屋敷から出て行った。
「バカな女だ……私からの命令に従わないとは。王家の者達に行ってみろ、などと……ふん、この至宝に向かって調子のよいことだ。応えてくれれば慈悲を与えてやったものを……」
といった内容の捨て台詞を言っていた気がする。
「なかなか、怖いことを言っていたな。本当に第二王子殿下か疑わしい程の言葉だったが……」
「本当ね。でも、いくら第二王子殿下の命令だからって、従えないこともあるわ」
「それは間違いないな、ルリアの判断は正しかったと思うよ」
「ありがとう、クライブ」
いくらなんでも、10人も居ると言われていたガスト様の子供を匿えだなんて……そんな頼み事を了承できるわけがない。了承なんてしてしまえば、ヴェール家は本当に没落してしまうところだっただろう。
ただ、ガスト様が逆らったことに関して、いやがらせをして来ないとは限らないけれど……。
「でも、ガスト様は非常に恨んでいたようにも見えたけれど、そこだけが心配だわ……」
「それは心配しなくても大丈夫だよ、ルリア」
「クライブ……?」
クライブは私の肩に優しく手を置いてくれていた。そのしぐさは私を安心させてくれる。
「万が一、ガスト王子殿下が仕返しをしてきた時には……婚約者として僕も黙ってはいないさ。僕だって公爵の立場ではあるんだ。いくら相手が王族とはいえ、明らかに理不尽な内容には対抗できるだけの力は備わっているからね」
確かにクライブの家系であるマーガレット公爵家なら、そのくらいの力が備わっていてもおかしくはない。貴族の間でも相当に有名な家系だからね。敵に回してはいけないという意味では、王族にも近い存在かもしれない。私はクライブと幼馴染だから、すっかり忘れていたけれど。
そう、彼とはこれから婚約関係になるのだった。
「ありがとう、クライブ。とても嬉しいわ、あなたにそういう風に言われるとなんていうか……ちょっとだけ照れ臭いけれどね。また、シューミートにからかわれそうよ」
「ははは、確かにそうかもしれないね。まあ、ガスト王子殿下のことは忘れて、僕たちは色んな思い出を作っていこうよ。シューミートさんにからかわれるような内容も含めて、ね」
「クライブらしくない発言ね……でも、そっちの方が面白そう。わかったわ、クライブ。これからもよろしくね」
「ああ、よろしく!」
シューミートやお父様が、私達のやり取りを見て笑っていた。後からきっと、からかわれそうね……。まあ、楽しいから良いんだけれど。
「旦那様、お二人にお出しするケーキなのですが……強力な精力剤を混入させた方がよろしいのではないでしょうか? お二人は意外と奥手でありましょうから……」
「う~む、なるほど。確かにそうかもしれんな……」
なんだかとても怖い内容を話していたようだけれど……だ、大丈夫よね……? からかわれるくらいで済むわよね? 少し不安になって来たわ……。
「バカな女だ……私からの命令に従わないとは。王家の者達に行ってみろ、などと……ふん、この至宝に向かって調子のよいことだ。応えてくれれば慈悲を与えてやったものを……」
といった内容の捨て台詞を言っていた気がする。
「なかなか、怖いことを言っていたな。本当に第二王子殿下か疑わしい程の言葉だったが……」
「本当ね。でも、いくら第二王子殿下の命令だからって、従えないこともあるわ」
「それは間違いないな、ルリアの判断は正しかったと思うよ」
「ありがとう、クライブ」
いくらなんでも、10人も居ると言われていたガスト様の子供を匿えだなんて……そんな頼み事を了承できるわけがない。了承なんてしてしまえば、ヴェール家は本当に没落してしまうところだっただろう。
ただ、ガスト様が逆らったことに関して、いやがらせをして来ないとは限らないけれど……。
「でも、ガスト様は非常に恨んでいたようにも見えたけれど、そこだけが心配だわ……」
「それは心配しなくても大丈夫だよ、ルリア」
「クライブ……?」
クライブは私の肩に優しく手を置いてくれていた。そのしぐさは私を安心させてくれる。
「万が一、ガスト王子殿下が仕返しをしてきた時には……婚約者として僕も黙ってはいないさ。僕だって公爵の立場ではあるんだ。いくら相手が王族とはいえ、明らかに理不尽な内容には対抗できるだけの力は備わっているからね」
確かにクライブの家系であるマーガレット公爵家なら、そのくらいの力が備わっていてもおかしくはない。貴族の間でも相当に有名な家系だからね。敵に回してはいけないという意味では、王族にも近い存在かもしれない。私はクライブと幼馴染だから、すっかり忘れていたけれど。
そう、彼とはこれから婚約関係になるのだった。
「ありがとう、クライブ。とても嬉しいわ、あなたにそういう風に言われるとなんていうか……ちょっとだけ照れ臭いけれどね。また、シューミートにからかわれそうよ」
「ははは、確かにそうかもしれないね。まあ、ガスト王子殿下のことは忘れて、僕たちは色んな思い出を作っていこうよ。シューミートさんにからかわれるような内容も含めて、ね」
「クライブらしくない発言ね……でも、そっちの方が面白そう。わかったわ、クライブ。これからもよろしくね」
「ああ、よろしく!」
シューミートやお父様が、私達のやり取りを見て笑っていた。後からきっと、からかわれそうね……。まあ、楽しいから良いんだけれど。
「旦那様、お二人にお出しするケーキなのですが……強力な精力剤を混入させた方がよろしいのではないでしょうか? お二人は意外と奥手でありましょうから……」
「う~む、なるほど。確かにそうかもしれんな……」
なんだかとても怖い内容を話していたようだけれど……だ、大丈夫よね……? からかわれるくらいで済むわよね? 少し不安になって来たわ……。
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