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8話 謁見 その2
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「それで? ヴィクターは上手く成長出来ているのだろうな?」
「ゼノン国王陛下……私もそれなりには頑張っているつもりですが……」
「ほう? その割には妹のウィンベルの方が早く婚約が決まったようだが?」
「うっ……それは……」
「あ、あはは……」
私はヴィクター兄さまの婚約者が見つからない件については、苦笑いをせざるを得なかった。ゼノン国王陛下もいつの間にか、私のことを呼び捨てにしているし、完全にプライベートな話をしているという証なのかもしれない。
「ゼノン国王陛下……私も過去には婚約直前まで行ったことはございまして……」
「ああ、そういう噂は聞いているな。では、なぜウィンベルに先を越されたのだ? そんなことでは、次期マリストル家の当主としては不安だろう? マリストル伯爵もヤキモキしているかもな」
「それはまあ……色々とありまして」
ゼノン国王陛下の前に、ヴィクター兄さまはたじたじになっているようだった。いつもは、しっかりとした印象のある兄さまだけれど、ゼノン国王陛下の前では子供みたいになっているわね。まあ、私も同じだけれど……。
なんだか、とても楽しい話で私も楽しくなってしまっていた。
「まあ、ヴィクターのことは置いておくとしても……ウィンベルはよく、メジラマ侯爵と婚約出来たものだな。流石は我が娘、としておこうか。お前としては不本意かもしれないが」
「いえ、そんなことは……ありがとうございます」
サンセット様には思い切り振られてしまったわけだけれど……まあ、その辺りは深く考えない方が良いのかもしれない。
「サンセット様とは婚約破棄になってしまったわけですし……何も誇れるところがありません」
「いや、ヴィクターに比べれば十分に役目をこなしているだろう。マリストル伯爵も嬉しかったのではないか?」
「あ、それは……」
まあ確かに……ヴィクター兄さまよりも、結果は残しているのかな?
「まあ、その辺りは冗談としてもだ。真面目な話をすると、メジラマ侯爵とは婚約破棄をして良かったな、ウィンベル。その点は私は非常に嬉しいよ」
「それは……はい、私もそう思っております」
「ああ。後は慰謝料の件だが……そちらについては任せておけ。少なくとも、メジラマ侯爵の一人勝ちになんてことはさせないさ」
ゼノン国王陛下からのその言葉は、私を安心させるには十分だった。養子縁組で他人になっているとはいえ、実の親として大切に思っていてくれているのだと分かる。
「私の印象は下がってしまったのかな? ウィンベル、違うぞ? 私は決して情けない兄ではないからな?」
「分かっておりますよ、兄さま。私は兄さまのことを尊敬しております」
「気のせいか、哀れみを感じるのだが……私が婚約者を今まで取らなかったのは、私には心に決めた人が居るわけでだな……!」
「ふははははっ、面白いな。それでは今度、その心に決めた相手を連れて来るが良い!」
「うふふっ」
本当に楽しい家族団欒となっていた。こんなに楽しい会話は何時以来だろうか? ヴィクター兄さまが弄られているところも面白いし、兄さま自身も楽しんでいるようだったし。ゼノン国王陛下も本気で楽しんでいるようだった。
今回の謁見で私は確信することが出来た。ゼノン国王陛下は、私達を今でも大切に思ってくれているのだと。その証拠に応接室での話が終わった後、また、いつでも訪れて構わないと言ってくれたからだ。
「ゼノン国王陛下……私もそれなりには頑張っているつもりですが……」
「ほう? その割には妹のウィンベルの方が早く婚約が決まったようだが?」
「うっ……それは……」
「あ、あはは……」
私はヴィクター兄さまの婚約者が見つからない件については、苦笑いをせざるを得なかった。ゼノン国王陛下もいつの間にか、私のことを呼び捨てにしているし、完全にプライベートな話をしているという証なのかもしれない。
「ゼノン国王陛下……私も過去には婚約直前まで行ったことはございまして……」
「ああ、そういう噂は聞いているな。では、なぜウィンベルに先を越されたのだ? そんなことでは、次期マリストル家の当主としては不安だろう? マリストル伯爵もヤキモキしているかもな」
「それはまあ……色々とありまして」
ゼノン国王陛下の前に、ヴィクター兄さまはたじたじになっているようだった。いつもは、しっかりとした印象のある兄さまだけれど、ゼノン国王陛下の前では子供みたいになっているわね。まあ、私も同じだけれど……。
なんだか、とても楽しい話で私も楽しくなってしまっていた。
「まあ、ヴィクターのことは置いておくとしても……ウィンベルはよく、メジラマ侯爵と婚約出来たものだな。流石は我が娘、としておこうか。お前としては不本意かもしれないが」
「いえ、そんなことは……ありがとうございます」
サンセット様には思い切り振られてしまったわけだけれど……まあ、その辺りは深く考えない方が良いのかもしれない。
「サンセット様とは婚約破棄になってしまったわけですし……何も誇れるところがありません」
「いや、ヴィクターに比べれば十分に役目をこなしているだろう。マリストル伯爵も嬉しかったのではないか?」
「あ、それは……」
まあ確かに……ヴィクター兄さまよりも、結果は残しているのかな?
「まあ、その辺りは冗談としてもだ。真面目な話をすると、メジラマ侯爵とは婚約破棄をして良かったな、ウィンベル。その点は私は非常に嬉しいよ」
「それは……はい、私もそう思っております」
「ああ。後は慰謝料の件だが……そちらについては任せておけ。少なくとも、メジラマ侯爵の一人勝ちになんてことはさせないさ」
ゼノン国王陛下からのその言葉は、私を安心させるには十分だった。養子縁組で他人になっているとはいえ、実の親として大切に思っていてくれているのだと分かる。
「私の印象は下がってしまったのかな? ウィンベル、違うぞ? 私は決して情けない兄ではないからな?」
「分かっておりますよ、兄さま。私は兄さまのことを尊敬しております」
「気のせいか、哀れみを感じるのだが……私が婚約者を今まで取らなかったのは、私には心に決めた人が居るわけでだな……!」
「ふははははっ、面白いな。それでは今度、その心に決めた相手を連れて来るが良い!」
「うふふっ」
本当に楽しい家族団欒となっていた。こんなに楽しい会話は何時以来だろうか? ヴィクター兄さまが弄られているところも面白いし、兄さま自身も楽しんでいるようだったし。ゼノン国王陛下も本気で楽しんでいるようだった。
今回の謁見で私は確信することが出来た。ゼノン国王陛下は、私達を今でも大切に思ってくれているのだと。その証拠に応接室での話が終わった後、また、いつでも訪れて構わないと言ってくれたからだ。
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