転生少女は自由気ままに今世を楽しむ

紅 蓮也

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第一章 カルディナ王国編

第20話 アルテミス、異世界でスマホを見せられる

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 アザゼル伯父様とルクスのやり取りが終わるとアザゼル伯父様ソファーに深く座り、私は向かいのソファーに座るように勧められたので座った。

「では、従魔登録をしてしまおう」

「はい」

「フェニックスのルクス様とフェンリルのイリス様を従魔として登録するというこでいいかな」

「はい。間違いないです。それでお願いします」

「しかし、姉妹揃って凄いことだな……」

 アザゼル伯父様。姉妹揃ってとは、どういうことでしょうか?
 アルカディア姉様も神獣と契約されているのでしょうか。
 ルクスからは、そんな話し聞いていませんよ。

「アザゼル伯父様。私の双子の姉であるアルカディア姉様も神獣と契約されているのですか?」


「そうだよ。私が国を出てから長いけど、最近は弟二人とは連絡を取り合っているかるね。
 カエサルはラルフェーリア王国を出て、この国に来ることになったから、それからは会って話したりしているけど、ラルフェーリア王国で、カエサルに代わり国王をやっているレミエルとは、アルカディアが作ったという魔道通信を使って連絡を取り合っているんだ。
 その時に聞いた話によるとアルカディアも残りの二体の神獣であるブルー・エンシェント・ドラゴン様とグリーン・エンシャント・トータス様と契約されていると言っていた」


 アルカディア姉様も私と同じく二体の神獣と契約さているらしい。
 それにはそこまでの驚きはない。私もイリスとルクスと契約しているのだから。

 問題は、魔道通信なるものとそれをアルカディア姉様が作られたということだ。

「魔道通信とは何ですか?アルカディア姉様が作られたとはどういう……」

「カエサルにも私が渡したから持っているのだが、見たことがなかったか。説明するより見せた方が早いな。これが魔道通信という魔道具だよ」

「!!」

 そう言って見せられたのは、前世のスマホそのものだった。

「これはどの様に使うのですか?」

「この魔道通信に登録されている者にここをタッチしてかけるか登録されている者からかかってきたら、こうやって耳に当てれば相手の声が聞こえるし、下にある小さな穴がマイクというやつで、相手にこちらの声が聞こえるようになる」

 まんまスマホだね。ということはアルカディア姉様も私と同じ転生者ってことだ。
 何の知識もなく、見た目も使用方法もそっくりな物を作れるわけがない。
 大人でも無理だろうに作ったのは、六歳の子供なのだから尚更だ。

「なるほど……便利な魔道具ですね。六歳なのにこんな物を作ってしまうなんて、アルカディア姉様を尊敬します」

「そうだね。魔道通信に登録されている魔力の者となら相手が遠くにいたとしても会話ができるこれは画期的で、素晴らしい物だ」

 登録されているのは電話番号とかではなく魔力なのか。
 そこは魔法が存在する異世界って感じだね。

(ルクス。アルカディア姉様が神獣と契約しているなんて聞いてないよ)

(ごめんごめん。言い忘れていた)

 あまり驚きはなかったものの事前に教えてくれていなかったルクスに不満を言うと忘れていたと軽く言われた。
 まあ、それほど気にしてないからいいけどね。

(そう言えば、ルクスはラルフェーリア王国の守護神獣なのに私と契約してずっと私の側にいて大丈夫なの?)

(大丈夫だよ。アルカディアと契約している神獣は、ドラゴンの方がラピス、亀の方がヒスイって言うんだけどね。
 僕がアルテミスと契約するためにラピスとヒスイに守護神獣代行を頼んできたからね)

(全く、あなたという方は……)

 アルカディア姉様は、神獣に神獣の体の色と同じ宝石の名前を付けたんだね。
 自分の都合で他の神獣に役目を押し付けるとか神獣にも上下関係とか格差があるのかな。
 イリスもルクスのやったことに呆れているみたいだ。

(それはラピスとヒスイに役目を押し付けてきたってことだよね。神獣にも上下関係とかあるの?)


(四体の神獣の立場に格の差はないよ。同列だね。
 でも僕は、フェニックスだから火の中から蘇るから不死で代替わりしない。
 だけどフェンリル、ブルー・エンシェント・ドラゴン、グリーン・エンシャント・トータスは代替わりするから生きている年数による上下関係はあるね。
 今の順番的には僕、イリス、ラピス、ヒスイって順だね)


 格の差はないけど年齢による上下関係はあるのか。神獣にも色々あるんだね。
 イリスも代替わりするのか……私が生きているうちに代替わりしないといいな。

(安心しなさい。ハイエルフは長命種で長く生きるけど、神獣はもっと長生きだからアルテミスが不老不死ではない限りは、アルテミスが生きている間に私が死んで代替わりすることはないわよ)

 イリスからそう言われて、私が生きている間にイリスとお別れすることがないと知れて安心することができた。
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