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本編
第88話 ダンジョン②
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「ギルマス。調査だけど私も参加していいかな」
折角、誰よりも早くダンジョンに潜れるチャンスがあるのだ。
参加したいに決まっている。
「アイリス嬢もか。アイリス嬢は、現役の冒険者だし、強い従魔もおるかな。
しかし、領主様の許可をもらえたらじゃな」
「冒険者としての活動なのに、なんでカイル兄様の許可が必要なの?」
私はもうすぐ四歳になる子供だ。
以前、魔国に行くのは許してもらえたけど、まだどんなダンジョンかもわかっていないのに許可なんかもらえるわけがない。何としても潜りたい。
「ワシが許可したと領主様の耳に入ったら、ワシの身が持たん」
「なんで?カイル兄様は優しいから人に酷いことはしないよ」
「そうじゃな。普段は温厚ないい領主様じゃ。だがの……アイリス嬢が絡むとそうではないのじゃよ」
どういうことだ?私が関わったことで、ギルマスが恐れるほどのことをカイル兄様はしたの?
「ギルマス?何があったの?」
「仕方がない……話しますよ。今、公爵家で騎士見習いをしておるやつとトラブルになったじゃろう。
あのあと、領主様がギルドにやってきて……精神的に追い込みを掛けてきたんじゃ……
領主様は、冒険者ではないから実力ならワシの方が上じゃがな、ニコニコ笑顔のまま、目だけが笑っていない感じで、正論で畳み掛けてくるんじゃ。
しかもこちらの考えがわかっているかのように先読みしてくるのじゃ」
ああ、カイル兄様は、人の心が読めるスキルを持っているからね。
先読みしての発言は、得意中の得意だよね。
笑顔だけど目だけ笑っていないカイル兄様か……
想像したら鳥肌がたってきた。
普段、温厚な人がキレると一番恐ろしいからね。
「わかった。ギルマスの精神の安定のためにもカイル兄様に許可してもらえるように話してみるよ。
あと……今聞いたことは黙っておくよ。
カイル兄様がギルマスから聞いたと知れば、ヤバい気がするから……」
「助かる。アイリス嬢が可愛らしいのは、わかるのじゃが、アイリス嬢絡みだと領主様は、ポンコツになるか、恐怖の大魔王になるかのどちらからしいのじゃが、恐怖の大魔王の比率が高いとセバスから聞いておるからの」
専属執事のセバスさんと親しくなったのか。歳が近いのもあるのかもね。
「よし!!ハーレさん。私の義理の息子に今のことを話されたくなければ、私も参加させない」
「おまぁ……!!」
王妃殿下がギルマスを脅しにかかった。
「無理にとは言わないわよ。アイリスちゃんの参加が許可されたら私も参加させて頂戴。
あと、この話が終わったあとの説教もなしでお願いね」
「アイリス嬢。わかっておるな」
「……」
王妃殿下は、ちゃっかり説教もなしの方向に持っていった。
私はギルマスから言葉に無言を貫いた。
ギルマスは、私に参加したいのであれば、カイル兄様の説得に際して、私が参加することになる場合、王妃殿下も参加することになるということをカイル兄様に説明をした上で、許可をもらえと言いたいのだろう。
そんなの許可されるわけがない。参加を諦めるしかないのか……その時
「大丈夫よ。マーガレットを味方に引き入れましょう。そうすれば間違いなく許可されるわ」
王妃殿下からのお告げが聞こえてきた。
マーガレット義姉様が鍵を握るということですね。
でも凄く他人任せな説得になりますね。
折角、誰よりも早くダンジョンに潜れるチャンスがあるのだ。
参加したいに決まっている。
「アイリス嬢もか。アイリス嬢は、現役の冒険者だし、強い従魔もおるかな。
しかし、領主様の許可をもらえたらじゃな」
「冒険者としての活動なのに、なんでカイル兄様の許可が必要なの?」
私はもうすぐ四歳になる子供だ。
以前、魔国に行くのは許してもらえたけど、まだどんなダンジョンかもわかっていないのに許可なんかもらえるわけがない。何としても潜りたい。
「ワシが許可したと領主様の耳に入ったら、ワシの身が持たん」
「なんで?カイル兄様は優しいから人に酷いことはしないよ」
「そうじゃな。普段は温厚ないい領主様じゃ。だがの……アイリス嬢が絡むとそうではないのじゃよ」
どういうことだ?私が関わったことで、ギルマスが恐れるほどのことをカイル兄様はしたの?
「ギルマス?何があったの?」
「仕方がない……話しますよ。今、公爵家で騎士見習いをしておるやつとトラブルになったじゃろう。
あのあと、領主様がギルドにやってきて……精神的に追い込みを掛けてきたんじゃ……
領主様は、冒険者ではないから実力ならワシの方が上じゃがな、ニコニコ笑顔のまま、目だけが笑っていない感じで、正論で畳み掛けてくるんじゃ。
しかもこちらの考えがわかっているかのように先読みしてくるのじゃ」
ああ、カイル兄様は、人の心が読めるスキルを持っているからね。
先読みしての発言は、得意中の得意だよね。
笑顔だけど目だけ笑っていないカイル兄様か……
想像したら鳥肌がたってきた。
普段、温厚な人がキレると一番恐ろしいからね。
「わかった。ギルマスの精神の安定のためにもカイル兄様に許可してもらえるように話してみるよ。
あと……今聞いたことは黙っておくよ。
カイル兄様がギルマスから聞いたと知れば、ヤバい気がするから……」
「助かる。アイリス嬢が可愛らしいのは、わかるのじゃが、アイリス嬢絡みだと領主様は、ポンコツになるか、恐怖の大魔王になるかのどちらからしいのじゃが、恐怖の大魔王の比率が高いとセバスから聞いておるからの」
専属執事のセバスさんと親しくなったのか。歳が近いのもあるのかもね。
「よし!!ハーレさん。私の義理の息子に今のことを話されたくなければ、私も参加させない」
「おまぁ……!!」
王妃殿下がギルマスを脅しにかかった。
「無理にとは言わないわよ。アイリスちゃんの参加が許可されたら私も参加させて頂戴。
あと、この話が終わったあとの説教もなしでお願いね」
「アイリス嬢。わかっておるな」
「……」
王妃殿下は、ちゃっかり説教もなしの方向に持っていった。
私はギルマスから言葉に無言を貫いた。
ギルマスは、私に参加したいのであれば、カイル兄様の説得に際して、私が参加することになる場合、王妃殿下も参加することになるということをカイル兄様に説明をした上で、許可をもらえと言いたいのだろう。
そんなの許可されるわけがない。参加を諦めるしかないのか……その時
「大丈夫よ。マーガレットを味方に引き入れましょう。そうすれば間違いなく許可されるわ」
王妃殿下からのお告げが聞こえてきた。
マーガレット義姉様が鍵を握るということですね。
でも凄く他人任せな説得になりますね。
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