3 / 5
3. 白石家の事情
しおりを挟む
4月下旬。
周りの友達は部活が本格的に始まっている。俺は帰宅部でまだバイトを始めてないので、学校が終わるとすぐ家に帰りPCを立ち上げネトゲーをする…はずだったが……
「見てみて見て見てこのリリカさん!ヤバくない!?ねえ!神田くん見てここ、1回止めるよ!ほらほらほらほらこのウインク!!くわァァァァ!!」
……白石さんの家で、限界化してる彼女と一緒に、坂道クラブのライブDVDを見ている…………。
遡ること放課後……
ホームルームが終わり荷物を整えると金堂たちがやってくる。
「神田っちマジでバスケやらないの?」
「あー考えたけどやっぱりいいや」
「神田バイトとかしてるの?」
「もうすぐ始めるかも、じゃ、おまえら部活頑張れよ」
「おう!また明日な」
金堂、池田、長島のバスケトリオは部活に向かい、俺は教室を出て下駄箱に向かう。廊下の階段に差し掛かったところで、誰かにバッグを後ろに引っ張られた。
誰だろうと後ろを振り返ると…白石さんだった。
「か、神田くん…今日…空いてる?」
「あぁ、特に予定は無いぞ」
「あ、あの…その、良かったら…前言ってたライブDVD見せたいんだけど…」
正直あんまり乗り気では無い……が、こんなに泣きそうな顔で上目遣いをされてしまってはさすがの俺も断れない。なので…
「おう、見に行きたい」
「……!ほんと!?じゃ、じゃ行こ!ウチに」
「おーけー……!?白石の家なの?」
「そ、そだよ?だってウチじゃないと見れないから…」
まあこんな感じに誘いを受けて白石さんの家に来たのである。
そして彼女の家に着いたのだが……一軒家…というよりは和風の屋敷?みたいなデカい家だった。そこまでは良いのだ。しかし…
入り口のセキュリティを解除して玄関まで歩くと、どこからか人がぞろぞろと集まってきたのだ。その人たちは俺たち2人を迎えるかのように左右に1列に並びお出迎えをしてくれた。
「「おかえりなさいやせぇ!!お嬢ぉ!!」」
……へ?
「ちょっと、神田くんいるからそういうのいいって」
「お嬢ぉ!!もしかしてぇその方が例のぉ?」
「うるさいなー玄。とりあえず神田くんウチに上がらせるね」
「かしこまりぃ!おいテメェらァ!若旦那に茶を入れろぉ!」
「「うい!!!」」
……ど、どういうことだってばよ…
いつもの人見知りモード白石さんがどっかいってるのは置いといて、まずこのお兄さんたちは身体のあちこちに刺青が入っている。そしてお嬢呼び…察するに白石さんは…
ヤクザの娘…!
暴走族総長とかいう噂立ってたけどそれよりももっとやべぇんだけど。本物なんだけど。リアルガチだよこれもう。
「か、神田くんごめんね…あいつらやかましいからさ…と、とりあえず上がって?」
「お、お邪魔します…」
ははははは…もう訳が分からん!
~そして、今に至る~
「ねえ!ちゃんと見てここ!あんなクールなリリカちゃんがこんな顔するんだよぉ!?あーもう愛おしいぜこの顔が!私もこんな顔に生まれたかった…」
…いや、あなた充分素晴らしい美貌を持って生まれてきてると思いますけど…むしろ、ちょっと…
「白石さんって井上リリカ似てるよね、同じ金髪ショートだし」
「え…ほんと…?そ、それは、な、ないかなァ…で、でも嬉しいよ…リリカちゃんに、あ、憧れてるから…」
珍しく彼女は、顔を真っ赤にさせて自分の髪の毛を撫で下ろしながらモジモジしている。
ここ数日は白石さんについての衝撃だったりギャップだったりで頭がパンクさせられる俺だった。
周りの友達は部活が本格的に始まっている。俺は帰宅部でまだバイトを始めてないので、学校が終わるとすぐ家に帰りPCを立ち上げネトゲーをする…はずだったが……
「見てみて見て見てこのリリカさん!ヤバくない!?ねえ!神田くん見てここ、1回止めるよ!ほらほらほらほらこのウインク!!くわァァァァ!!」
……白石さんの家で、限界化してる彼女と一緒に、坂道クラブのライブDVDを見ている…………。
遡ること放課後……
ホームルームが終わり荷物を整えると金堂たちがやってくる。
「神田っちマジでバスケやらないの?」
「あー考えたけどやっぱりいいや」
「神田バイトとかしてるの?」
「もうすぐ始めるかも、じゃ、おまえら部活頑張れよ」
「おう!また明日な」
金堂、池田、長島のバスケトリオは部活に向かい、俺は教室を出て下駄箱に向かう。廊下の階段に差し掛かったところで、誰かにバッグを後ろに引っ張られた。
誰だろうと後ろを振り返ると…白石さんだった。
「か、神田くん…今日…空いてる?」
「あぁ、特に予定は無いぞ」
「あ、あの…その、良かったら…前言ってたライブDVD見せたいんだけど…」
正直あんまり乗り気では無い……が、こんなに泣きそうな顔で上目遣いをされてしまってはさすがの俺も断れない。なので…
「おう、見に行きたい」
「……!ほんと!?じゃ、じゃ行こ!ウチに」
「おーけー……!?白石の家なの?」
「そ、そだよ?だってウチじゃないと見れないから…」
まあこんな感じに誘いを受けて白石さんの家に来たのである。
そして彼女の家に着いたのだが……一軒家…というよりは和風の屋敷?みたいなデカい家だった。そこまでは良いのだ。しかし…
入り口のセキュリティを解除して玄関まで歩くと、どこからか人がぞろぞろと集まってきたのだ。その人たちは俺たち2人を迎えるかのように左右に1列に並びお出迎えをしてくれた。
「「おかえりなさいやせぇ!!お嬢ぉ!!」」
……へ?
「ちょっと、神田くんいるからそういうのいいって」
「お嬢ぉ!!もしかしてぇその方が例のぉ?」
「うるさいなー玄。とりあえず神田くんウチに上がらせるね」
「かしこまりぃ!おいテメェらァ!若旦那に茶を入れろぉ!」
「「うい!!!」」
……ど、どういうことだってばよ…
いつもの人見知りモード白石さんがどっかいってるのは置いといて、まずこのお兄さんたちは身体のあちこちに刺青が入っている。そしてお嬢呼び…察するに白石さんは…
ヤクザの娘…!
暴走族総長とかいう噂立ってたけどそれよりももっとやべぇんだけど。本物なんだけど。リアルガチだよこれもう。
「か、神田くんごめんね…あいつらやかましいからさ…と、とりあえず上がって?」
「お、お邪魔します…」
ははははは…もう訳が分からん!
~そして、今に至る~
「ねえ!ちゃんと見てここ!あんなクールなリリカちゃんがこんな顔するんだよぉ!?あーもう愛おしいぜこの顔が!私もこんな顔に生まれたかった…」
…いや、あなた充分素晴らしい美貌を持って生まれてきてると思いますけど…むしろ、ちょっと…
「白石さんって井上リリカ似てるよね、同じ金髪ショートだし」
「え…ほんと…?そ、それは、な、ないかなァ…で、でも嬉しいよ…リリカちゃんに、あ、憧れてるから…」
珍しく彼女は、顔を真っ赤にさせて自分の髪の毛を撫で下ろしながらモジモジしている。
ここ数日は白石さんについての衝撃だったりギャップだったりで頭がパンクさせられる俺だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる