隣の席の白石さんは金髪ヤンキー？

4. 白石です、私は友達が欲しいです。

 私の名前は白石絵理乃です。浅川高校1年生になりました。でも入学してもうすぐ１ヶ月が経とうとしてるのに…

……同性の友達がまだ1人もいません。

神田くんは私の人見知りを治してくれるために協力してくれてるので多分友達かもです。でも、女の子の友達がいません。

私はいわゆる高校デビューです。中学卒業まではロングだったんですが、私の大好きな井上リリカさんに少しでも似せたいという思いが募りすぎて、卒業したタイミングにバッサリショートヘアに切って、中学の友達にピアスを開けてもらいました。お母さんからは大絶賛、親父からはノーコメント、弟からは「似合うよ姉さん」のひと言をくれました。

…ちなみにお母さんは大手企業勤め、親父は白石組っていうヤクザの2代目組長です。家事は基本的に幹部の玄たちがやってくれてるので助かってます。

人見知りを治すために頑張って勉強して偏差値がまあまあな共学の高校に入れました。スタートからしっかりしてこうと思ってましたが…

入学式当日は寝坊してしまいました。昨晩やってたオンラインゲームでの素材集めに夢中で寝るのが遅くなってしまったからかな。

そんなこんなで神田くんには出会えたのですが女の子たちと話せる機会が全然ないどころか、私のチキンさが出てしまい、タイミングを逃しまくっています。

このまま、ぼっちになってしまうのでしょうか…

4月最終日、今日の体育は5月にやるスポーツテストの説明とかペア決めです…

…きたァ！これはチャンスてすっ！天は私に味方してくれました。

そう思ってた私ですが、体育は男女別れるので近くに神田くんがいません。神田くんがいないと私はまともに言語も喋ることができません。ピンチです。もう最終手段の余り物で組むしかありません。

「ねえ、あなただれかと組んでる？」
「…へ？わ、わ、私？？」
「そ、そうよ白石さんだっけ？良かったら組もうよ」

なんんんんて優しい方なんでしょう！こんな私に救いの手を差し伸べてくれる女神がいました。

「…！は、はい！是非！！」
「え、ええ…！そ、そんな喜ぶことなの？私の名前は吉田美希よしだみきだよ、よろしくね」
「し、白石絵梨乃だよ！よ、よろしく！」

神田くん。ついに…ついに、私にも喋れる女の子が出来たよ！！