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しおりを挟む当時、うちの高校の吹奏楽部はあまりメジャーな部活じゃなかった。活動の主な発表場所は文化祭、それと六月の三年生追い出し演奏会くらいで、何かコンクールに出場するとか運動部の応援に花を添えるとかはしていなかった。
中学時代、スパルタで有名な、全国中学吹奏楽コンクール上位常連校出身の反町にとっては多分クソみたいな部活だったと思う。
何と言っても顧問が来ない。予算もないから楽器もボロくて貧相で。やはり中学時代に吹奏楽をやってて尚且つマイ楽器を持っている部員の主張が強く、曲選びやら練習日程やらはそのメンバー達が有無を言わせず決めて行くとか何とか。色んな軋轢もあったらしいけど、取り敢えず反町に関して言うなら、一年からずーっと、文句も言わずに部活動に勤しんでいた。
「やり甲斐あんの?」
「それなりにな。それに弦バス触れる場所なんて学校くらいしか思い浮かばん」
そうだな。自宅にマイ・コントラバスを所有している高校生はそうそうおらんわな。
テスト期間以外はただ黙々と重低音を奏でる反町の姿を、顔を出す数分前から見詰めるのが俺の日課。一年の春夏秋冬、二年の春夏秋冬、そして三年の春が過ぎて夏を待ち侘びる梅雨も。
もうすぐこの日課が終焉を迎えるのかと、じっとりと纏わりつく空気の中で、じっとりと見詰めながら考えていた。
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