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しおりを挟む「傘がない」
「え」
確かに、生徒玄関の傘立てには俺の傘しかない。兄貴直伝、傘の盗難や紛失防止に最も効果があるのはズバリ記名だと諭されて、マジックで複数箇所にデカデカと『藤間』『ふじま』『フジマ』と書かれた傘しかない。
「職員室行ったら貸してくれんじゃね?ほら、持ち主不明の放置傘、定期的に撤去してるし」
「んーいいや。藤、駅まで入れてよ」
「駅出てからは」
「かーさんに車で迎えに来てってメールしとく」
「甘えん坊か」
「末っ子愛され体質だから」
「自分で言うな」
同じ末っ子でも、色々あるもんだ。
家族から愛されていない、とは思ってない。ただ、気軽に甘えられる関係性とも思ってない。兄貴には多少は甘えられたけど、奴は現在、県内の僻地勤務だ。
「藤の傘、マジで煩いくらい名前だらけ」
傘を開けばそこにも記名。モスグリーンの布地に、一際大きく書いてある。
「お前はビニール傘ばっかり使うから簡単に盗られるんだ。俺なんか入学してからこの傘一本だぞ」
「じゃあ次に買うビニール傘には名前いっぱい書く」
「そうしろ」
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