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こんにちは異世界

父さんは本物の勇者でした

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まだ眠い目をこすりながら、トピアスに連れていかれたのは騎士団の鍛練場。
早朝なのに既に数人トレーニングをしてる。
皆さんカッコいいな…
こっちに来たら俺ホントに小さいんだよ。
平均身長190くらいかな?もっとあるかも…
ここにいるのは騎士さんだから、皆さん凄い筋肉…これ見ちゃうとやっぱり俺は嫁側の人間なんだなって思うな。

「あれ?クラウス?」

騎士さん達の中にクラウスがいる。

「クラウス様は努力家ですからね、朝の鍛練は欠かしません。剣術の腕前もかなりのものですよ」

そうなんだ、びっくり!

「アキどうしたんだ?」

クラウスきた。

「父さんに剣術を教わるんだ」

周りの騎士さんが驚いた顔してる、何で?

「アキ、クラウスもおはよう」

父さん来た。
騎士さん達がザザッと整列する。

「皆にも紹介しよう、我が息子アキだ。今日から朝の鍛練の時間にアキも一緒に参加させて欲しい。私と手合わせをしたい者は後で申し出るがよい」

うわぁ、父さんカッコいい!
父さんは騎士を志す人達皆の憧れだってトピアスが言ってたけど、確かに皆さん目をキラキラさせてる。

「アキは危ないから最初は父と二人で端の方に行こうね~」

いやいや父さん、やっぱりカッコいいのは一瞬でした。デレデレの父さんに鍛練場の端にドナドナされる俺…
騎士の皆さんがポカンとしてますよ…

「トピアスとも相談したんだが、アキには短剣の方が使い勝手が良いと思って」

父さんが差し出したのは装飾された綺麗な短剣だった。

「私からのプレゼントだ」

短剣を鞘から出すと、体が淡い光に包まれた。父さんとトピアスが息を飲む。

「アルト様、もしや…」

「アキは愛し子だからな…女神の加護か」

何?確かにルナ様は加護って言ってた。

「アキ、手合わせをしてみよう。私は木刀を使うが当たれば痛いぞ!」

え、いきなり!恐い恐い無理無理!

と思ったら、華麗に避けられました。
身体が勝手に動くんですけど何故?

「やはりな、淡く光っているのは女神の加護だ。アキを守ってくれている」

え、俺無敵ってこと?

「守りだけだと思うが…私に攻撃してみるか?」

これ、刀だよ?父さん大丈夫?
トピアスも笑顔だし、よしいくぞ!

はい、片手で止められました。
さすが勇者様…持ち上げるな、下ろせ!
つまり防御力はチートだけど攻撃力はゼロってこと?

「アキ、避けられる事は分かったから、トピアスかクラウスとなら手合わせしてもよいぞ」

え、嬉しい!いいの?

「アキは軽すぎるし、力も弱い。まずは体力作りからだ」

俺あっちの世界ではスポーツ万能の体力お化けだったんだけどな…頑張ろう。

「アキ、今日は初日だからこれで終わりにしよう。私はトピアスと軽く手合わせするから見ていなさい」

え、もう終了?早くない?
まぁいいか…
父さんとトピアスが向き合うと空気が変わった。そこにいるのは間違いなく勇者様…軽く手合わせじゃなくない?トピアスも凄いな、鍛練場静まりかえってるし…

「アキのおかげで、良いものが見れた。私もいつかトピアスの場所に立てるようになりたい」

いつのまにか隣に来たクラウスが言う。

「クラウスも強いってトピアス言ってたよ」

「それは嬉しいがトピアスの足元にも及ばないよ、叔父上からしたら私などまだ赤子同然だと思う。アキ明日も来るなら私とも手合わせしよう」

「うん、父さんが明日からはクラウスと一緒にやってもいいって!先輩!ご指導宜しくお願いします!」

クラウスと盛り上がってたらトピアスが戻ってきた。

「トピアス凄いね、強すぎて驚いた」

「まだまだです。アルト様の足元にも及びません」

クラウスはトピアスの足元にも及ばないって言ってた。そのトピアスが足元にも及ばない父さんって…どんだけ強いんだ?

鍛練場では父さんと騎士三人が打ち合いをしていた。

「三対一でも敵わないんだね」

「全員で戦っても多分勝てないぞ」

クラウスまじか…
俺の父さん本物の勇者なんだな…
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