仕方なく開拓者になったけど、膨大な魔力のおかげで最高の村ができそう

Miiya

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第1話 合格?

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ここ[リールス王国]。この世界[ターデイア]の中でも3大国と呼ばれる王国の1つで、とても国全体で発展しており、王国軍というものがあり募集倍率が1500人に対して20倍の30000人も集まるほどの国だ。そして俺、エル=ロードもこの王国軍に入りたくて志願した。

 「次のもの!入れ!」

 「はい!」

いよいよ俺だ。緊張するな。

 「さてと、貴様は……エル=ロードだな。」

 「はい!」

兵士長が俺の書類を持ちながら俺の顔を見る。

 「うむ、返事がよろしい。どれどれ、なるほど平民出身か。」

俺の書類を見て、色々確認している。

 「!?なんだこれは!?まるで使い物にならんな。」

 「え!?どういうことですか!?」

 「貴様、武器は使えないのか!?」

 「え、ええと剣を少々。」

 「ならその場でこれを振ってみよ!」

兵士長が一本のただの鉄の剣を出して俺に渡してきた。

 「とや!」

 「かあーー、これはダメだな。これでは到底採用できないな。」

 「えーーー!?待ってください!!」

 「何をいうか、これだけ綺麗に振れてないのだ、当然のはんだ……どうした?」

 「兵士長!!申し上げます。実はここの土地について管理者がいなくなってしまい、代役を探しにきたのですが、その報告に来ました。」

 「な、あそこにいた管理者がいなくなっただと!?どうするか……ん!?ちょうどいい。」

兵士長が俺の方に顔を向け直す。その表情は笑顔だった。そして俺の肩に手を当てて、

 「主の持ち場決まったぞ!!」

 「え!?本当ですか!?ありがとうございます。でもいいんですか?書類審査だけですが。」

 「いい、いい、気にするな。まずは合格おめでとう。後ほど資料を渡すが、ここから少し離れた場所となる。」

 「はい、わかりました!!」

俺は合格が決まって、スキップしながらドアを開けて出て行った。

~~~~~~~~

 「ふー、なんとかなったな。」

 「ですね、しかしいいんですか?あの様なものに任せてしまっても?一応試験途中でしたよね?」

 「いいさ、どうせあいつは落ちていたんだ。だったら役目を与えたほうがいいだろ。」

 「とはいえあそこに行ってしまうとは。」

 「お前はこれをまとめて王の方に連絡を入れておいてくれ。」

 「わかりました。」

~~~~~~~~

試験が終わってから2日後、俺の手元に書類が来た。

 「ふむふむ、今から馬車で向かうのか、名前は何もない?ああ、新開拓地なのか。」

読んでいると、どうやら俺はこの地域周辺の管理を任されたようだ。あんまり詳しいことは書いてない。

 「あ、馬車の時間が来る。」

一応荷物は馬車にあるらしいので、服やら他の日常品を持って、集合場所に向かう。

 「こんにちわ!よろしくお願いします!」

 「おお、あんたが乗り込むんだな。荷物はすでに受け取ってある。乗りな。」

そう促され、俺は馬車の中に乗り込む。そこにはリュックが置いてあり、ピッケルや鍬、スコップなどの道具があった。新開拓地だから、同時に開拓もしろってことかな?

~~~~~~~~

 「ついたぜ、あとはまあ頑張んな。」

俺がついたのは一面まっさらな大地に、森だけだった。家が無けりゃ、人工物すらまともに見当たらない。

 「え、ちょ、」

 「じゃあな。」

 「待ってよ!」

馬車は俺の言葉に反するように元の道を進んでいってしまった。

 「どうするんだよ、こんなところで。」

いくら新開拓地といえど、ここまで酷いなんて。もはや国外だそ。これから俺大丈夫か?見たところモンスターは周辺にはいないだけまだ助かるけど、とりあえずリュックの中身を見てみないと。

~~~~~~~~

 「さてと、あいつは今頃何をやっているだろうか。」

俺がエルとかいう無能に押し付けたあの場所、[エルレアルの森]通称『死の森』とも言われる場所だ。あそこにはとんでもないモンスターがいる上に土地も死んでいると言っても過言ではないし、資源も全く見つかっていない。どの国もあそこの森には手を出さない。

 「まあ、せいぜい生き延びろよ。」

ハッハッハーーーーー!!

~~~~~~~~

リュックの中には干し肉と水と腐りにくいパンが約1週間分あった。そして道具は他にも麻袋が数個、縄があった。

 「これからどうするか。というか俺の役割が分からん。」

もらっていた資料を見ても、管理をするだけで他には特に書かれていない。期限も書いていないし色々とわからないことだらけだ。

 「あーー、もう全然わからない!!」

ガサガサ!

 「!?な、なんだ!?」

茂みが揺れている。そこからぴょーーんと何かが出てきた。

プルプルプルプル

 「……スライム?なんだ、熊とかかと思った。」

スライム、この世界で最もメジャーなモンスターの1つ。特に襲うことない中立的モンスター。ただ、森の掃除役をするなど意外と役立つこともあるが、能力は低いため冒険者のかも的存在だ。一般人でも普通に倒せる。

 「でも生で初めてみたなー。」

あの青い姿、そしてボールのようであり柔らかそうなフォルム。可愛い!!

ビュ!

 「うわ、」

なんとスライムは何かを吐き出した。スライムが出すと言えば溶解液だ。

……え?スライムが?

初日から波乱が始まりそうな予感。
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