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第2話 溶解液すげえ
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「なんでスライムが自ら攻撃をしてくるんだ。」
スライムは何かから襲われない限り自ら攻撃することはない。それでもこのスライムは攻撃してきた。溶解液は当たった草を溶かしてシューと言いながら蒸発して行った。
「やばいやばい、とりあえず剣を構えないと、」
急いで腰につけていた剣を握りスライムに体を向ける。スライムもまたこちらの方に向いている(?)
!?
「なんだ?」
スライムが何かに気がついたような反応をする。するとこっちにぴょんぴょん跳ねてくる。
「ち、ちかづくな!」
そう言って剣を振る。だがいつまでたっても溶解液を出してこない。どういうことだ?ついには俺の足元にまで来てしまった。しかし、
「敵意が……無い?」
足元にスリスリと自身の体をなすりつけ始めた。よく懐いている犬がするような行為だ。
「懐いているのか?でもなんで?」
スライムはずっとスリスリしている。
「そうだ。」
カバンからパンを取り出してみる。
「これ食べるか?」
スライムは肯定するようにぷるんと跳ねる。そしてちぎって地面の上に置くと、そこにぴょんと跳び乗ってパンを吸収し始める。吸収しきると満足そうに跳ね、俺の胸元に跳びついてくる。
「うわっと、」
俺は慌ててキャッチする。そして抱きしめてみる。うーーん、すべすべでプニプニだ。最高級クッションのような感触だ。
「よし、お前の名前はスーだ。これからよろしくな。」
スライム、もといスーは肯定するようにぴょんと跳ねる。
「とりあえず何から手を出せばいいかがわからないな。広場みたいなのを探すか。」
スーを抱き上げてリュックを取りに行き、森の中を散策する。森の中はかなり入り組んでいて、ちゃんと整備しないと迷いそうになる。しばらく歩いていると、ひらけた場所に着いた。
「やっと広い空間に着いたー!お腹すいたな。」
広場に着くともう正午あたりになっていた。とりあえずリュックからパンと干し肉と水を取り出す。
モッシャモッシャ
「うーーん、あんまり美味しくないな。いつかまたスープとかのみたいな。あ、スーの分ももちろんあるよ、はい。」
スーの分と、干し肉とパンを渡す。とりあえず一人分を渡したが、半分ぐらいにちぎると残りを俺に返してきた。どうやらそんなにいらないらしい。代わりに水はごくごくと飲む。
確か本の知識だとスライムは魔力と水が合わさった生物で、水を非常に好む、だったかな。それでかすごい飲んでいる。どっかで川とか探さないとな。
「リュックから斧出して木を切ろうかな。」
リュックにあった斧を取り出し、近くにいる木を切る。いずれ家を作るためには必要だからな。頑張って切るがあんまりうまく切れない。
「はあ、はあ、はあ、もう少し簡単に切れると思ったんだけどな。」
少し手を休めていると、触手を伸ばし、ぴょんぴょん跳ねながら応援してくれていたスーが切っていた木に近づくと触手を伸ばしておもむろに木に当てた。
「スーどうしたの?それは俺が、え?切れてる?なんでだ?」
スーが触手を器用に動かすと、どんどん木が切れていく。そして完全に切れると木がギギギと倒れた。
「どういうことだ、……もしかして溶解液?」
聞いてみるとそうだと跳ねる。木は一旦はそのまま置いておく。今何かに使えるわけではないからな。
「木も切れたし、今度はここを畑にしていこう。種は一応入っていたし、スーは俺がピッケルで叩いたところをどんどん鍬でならしていってほしい。できるか?」
地面があまりにも固いため、ピッケルで壊すことにした。そして質問に肯定するように跳ねるスーを見て、ピッケルで地面をいじり始める。
~~~~~~~~
「ふー、これぐらいできたらいいかな。」
2時間近く畑づくりに集中した結果、30メートル近くの畑ができていた。スーは鍬を二本の触手を使って頑張ってやってくれた。
「さて、それじゃあ今度はこの土に種を入れていこうか。こうやって入れるんだよ。」
実演して見せると、スーも種を埋め始める。一度指で押したところに入れて、その後に土をかぶせてやる。
「よし!これで畑づくりは完璧にできたかな?………あ!?水が無いんだった!!どうしようどうしよう。」
水が無いと育つものも育たない。どうしようどうしよう。そう頭を抱えて悩んでいたら、スーが優しく触手を伸ばしてくる。
「ん?落ち着けって?そうだな。一度落ちつこう。とりあえずもう少し森の中を探索してみようか。」
スーを抱き上げて、そのたまらない感触を楽しみながら森の奥に進んでいった。
「ぶう!」
「うわ、オークだ。どうしよう、」
俺なんかがオークに勝てるわけもなく、逃げようとすると、スーが腕の中からぴょんと跳んで離れる。そしてオークに体を向ける。
「スー、危ないよ!!オークだよ!早く逃げよう。」
オークはランクE級のモンスター、スライムはF級モンスター。1つ違うだけでも差は明確にある。はっきり言って勝てるわけがない。なのにスーは全く怖じけずむしろやる気に満ち溢れている。
ぴょん!
「ぶう!」
「スー!!」
スライムは何かから襲われない限り自ら攻撃することはない。それでもこのスライムは攻撃してきた。溶解液は当たった草を溶かしてシューと言いながら蒸発して行った。
「やばいやばい、とりあえず剣を構えないと、」
急いで腰につけていた剣を握りスライムに体を向ける。スライムもまたこちらの方に向いている(?)
!?
「なんだ?」
スライムが何かに気がついたような反応をする。するとこっちにぴょんぴょん跳ねてくる。
「ち、ちかづくな!」
そう言って剣を振る。だがいつまでたっても溶解液を出してこない。どういうことだ?ついには俺の足元にまで来てしまった。しかし、
「敵意が……無い?」
足元にスリスリと自身の体をなすりつけ始めた。よく懐いている犬がするような行為だ。
「懐いているのか?でもなんで?」
スライムはずっとスリスリしている。
「そうだ。」
カバンからパンを取り出してみる。
「これ食べるか?」
スライムは肯定するようにぷるんと跳ねる。そしてちぎって地面の上に置くと、そこにぴょんと跳び乗ってパンを吸収し始める。吸収しきると満足そうに跳ね、俺の胸元に跳びついてくる。
「うわっと、」
俺は慌ててキャッチする。そして抱きしめてみる。うーーん、すべすべでプニプニだ。最高級クッションのような感触だ。
「よし、お前の名前はスーだ。これからよろしくな。」
スライム、もといスーは肯定するようにぴょんと跳ねる。
「とりあえず何から手を出せばいいかがわからないな。広場みたいなのを探すか。」
スーを抱き上げてリュックを取りに行き、森の中を散策する。森の中はかなり入り組んでいて、ちゃんと整備しないと迷いそうになる。しばらく歩いていると、ひらけた場所に着いた。
「やっと広い空間に着いたー!お腹すいたな。」
広場に着くともう正午あたりになっていた。とりあえずリュックからパンと干し肉と水を取り出す。
モッシャモッシャ
「うーーん、あんまり美味しくないな。いつかまたスープとかのみたいな。あ、スーの分ももちろんあるよ、はい。」
スーの分と、干し肉とパンを渡す。とりあえず一人分を渡したが、半分ぐらいにちぎると残りを俺に返してきた。どうやらそんなにいらないらしい。代わりに水はごくごくと飲む。
確か本の知識だとスライムは魔力と水が合わさった生物で、水を非常に好む、だったかな。それでかすごい飲んでいる。どっかで川とか探さないとな。
「リュックから斧出して木を切ろうかな。」
リュックにあった斧を取り出し、近くにいる木を切る。いずれ家を作るためには必要だからな。頑張って切るがあんまりうまく切れない。
「はあ、はあ、はあ、もう少し簡単に切れると思ったんだけどな。」
少し手を休めていると、触手を伸ばし、ぴょんぴょん跳ねながら応援してくれていたスーが切っていた木に近づくと触手を伸ばしておもむろに木に当てた。
「スーどうしたの?それは俺が、え?切れてる?なんでだ?」
スーが触手を器用に動かすと、どんどん木が切れていく。そして完全に切れると木がギギギと倒れた。
「どういうことだ、……もしかして溶解液?」
聞いてみるとそうだと跳ねる。木は一旦はそのまま置いておく。今何かに使えるわけではないからな。
「木も切れたし、今度はここを畑にしていこう。種は一応入っていたし、スーは俺がピッケルで叩いたところをどんどん鍬でならしていってほしい。できるか?」
地面があまりにも固いため、ピッケルで壊すことにした。そして質問に肯定するように跳ねるスーを見て、ピッケルで地面をいじり始める。
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「ふー、これぐらいできたらいいかな。」
2時間近く畑づくりに集中した結果、30メートル近くの畑ができていた。スーは鍬を二本の触手を使って頑張ってやってくれた。
「さて、それじゃあ今度はこの土に種を入れていこうか。こうやって入れるんだよ。」
実演して見せると、スーも種を埋め始める。一度指で押したところに入れて、その後に土をかぶせてやる。
「よし!これで畑づくりは完璧にできたかな?………あ!?水が無いんだった!!どうしようどうしよう。」
水が無いと育つものも育たない。どうしようどうしよう。そう頭を抱えて悩んでいたら、スーが優しく触手を伸ばしてくる。
「ん?落ち着けって?そうだな。一度落ちつこう。とりあえずもう少し森の中を探索してみようか。」
スーを抱き上げて、そのたまらない感触を楽しみながら森の奥に進んでいった。
「ぶう!」
「うわ、オークだ。どうしよう、」
俺なんかがオークに勝てるわけもなく、逃げようとすると、スーが腕の中からぴょんと跳んで離れる。そしてオークに体を向ける。
「スー、危ないよ!!オークだよ!早く逃げよう。」
オークはランクE級のモンスター、スライムはF級モンスター。1つ違うだけでも差は明確にある。はっきり言って勝てるわけがない。なのにスーは全く怖じけずむしろやる気に満ち溢れている。
ぴょん!
「ぶう!」
「スー!!」
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