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第1話 追放される
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「お前このパーティーから出て行って。」
パーティー[フリード]が結成されてから約1月が経った頃。このパーティーには剣士のリーファス、魔法使いのヨーダ、ヒーラーのセリリ、テイマーのトーマがいた。
「何で俺が出て行くんだよ!?」
すぐには納得がいかないテイマーのトーマ。そう、追い出すと言われたのだ。
「だってテイマーのくせして従魔が一匹もいないじゃねえか。」
「そうそう、それにそれ他のこともまったく出来ないしね。」
「ドラゴンとか仲間にするテイマーがいるって聞いたから入れたのにお前は何も出来ないからな。」
口々に彼の不満を言っていくパーティーメンバー。しかしトーマはその言葉に反論することができずただただ黙って聞くことしか出来なかった。トーマも最初のうちは最強のテイマーがドラゴンを使役していることを聞きつけテイマーを目指した。
しかし、そんな甘い話もなくドラゴンはおろかスライムやゴブリンのような初心者用のモンスターすらまともに仲間に出来なかった。
「なんでお前はテイムスキルが使えないんだよ。」
彼はテイマーであるにもかかわらずテイムスキルを使えなかった。テイマーになればどんなに弱くてもテイムスキル自体は使える。その魔法を使いって仲間にするのだが、彼はスキルが使えないせいでいつまで経っても従魔が出来なかった。
「そういうわけだ、だからこのパーティーを出て行ってくれ。」
そんな言葉が深くトーマに刺さった。パーティー結成後の最初の頃はテイムに失敗したとき怒ることはなかった。しかし、トーマ以外のメンバーが力をつけてきた頃何も出来ないトーマを足手まといに感じはじめてきた。
「......ああ、わかった。俺も薄々気づいてた。出て行くよ。頑張れよ。」
トーマはギルドに預けていた荷物も回収しすべての荷物と金を持ってパーティーを抜けた。ギルドではパーティーメンバーの脱退に関しては基本自由になっている。人知れず[フリード]からテイマーのトーマが抜けた。
「よし、あの足でまといも抜けたことだしこの[フリード]もまた強くなるはずだ。目指すぞSランクパーティーだ。」
[フリード]はトーマが抜けたことにより一層絆が深まった。
~~~~~~~~~
「はあ、追い出されるなんて。実家に帰るしかないか。」
トーマはとてもじゃないが一人で冒険者活動が出来るとは思わず、仕方なく田舎にある実家に帰ることにした。彼の家は農業を営んでいたため仕事に困ることはなかった。
「やあ、母さん。」
「あれトーマ帰ってきてたんだね。」
「ああ、冒険者を辞めたんだ。だからここで農業を手伝うことにしたんだ。」
「一体何が...いやそうかい。今日はゆっくりしな。」
彼の母は突然の息子の帰宅に驚きを隠せなかったが彼の顔を見てなんとなく察したのだ。冒険者になった頃は希望に満ち溢れていたのを母は知っていたが今は絶望に近い顔をしているのを見て聞くことをやめた。
「懐かしいなこのベッド。」
彼は冒険者の服から部屋着に着替えると、しばらく離れていた実家のことを懐かしんでいた.
「う、う、う、、」
しかし懐かしんでいるうちに冒険者を辞めたことにものすごく悲しんでいた。希望を持って冒険者になったのに強くならず仲間からも追い出され踏んだり蹴ったりのこの状況にただただ泣くしかなかった。
~~~~~~~~~~
彼が冒険者を辞めて実家に帰ってから約半年が経った。最初のうちは農作業に手がつけられなかったが、この生活に慣れていくうちに農作業や副業で縫裁の仕事もしていた。なんとか生計は自分自身でも立てられるようになっており、悲しんでいたトーマに接することが難しかった家族たちも彼が戻ったことに安心し家に笑いが生まれていた。
「はい、レイちゃんご飯だよ。」
2ヶ月が経った頃、彼が薬草を採りに行ってたときにたまたまご飯をあげたスライムが家についてきて実家で飼うことにした。しかしスライムには特に知能が無いので暴れることも無い。テイマーだった頃を思い出したのだ。飼うと使役するの違いはあるものの冒険者だった頃従魔がいなかった彼にはそれだけでも十分に楽しんでいた。
レイちゃんと名づけられたそのスライムは食べることだけしかせず食事以外の時間はずっと静かにいるだけだった。言葉も理解はしてないためただいるだけだった。
「トーマ、はやくあの小鳥ちゃんにもこれ上げて頂戴。」
「あ、うん。はいこれ今日の分ね。」
彼の家のベランダによく小鳥がとまっていた。その小鳥に一度ご飯をあげたら飯をくれると思い込み彼の家に住み着くようになった。最初のうちは放し飼いしていたが家族のように思い始めたトーマは小鳥を飼うために鳥かごを買いそこに小鳥を飼うことにした。
「それじゃあおやすみ。」
彼はレイちゃんを抱いて寝ることにした。スライムは中立のモンスターのため傷つけない限り抵抗することは無い。抱きながらベッドに入る。これが最近の彼の日課だ。
彼が寝ていたとき、鳥かごにある変化が起きていた。
バキャ!
突然光りだして、鳥かごが壊れてしまった。また彼のベッドにも変化が起きていた。布団の中で淡い光が出ていたが、彼はそのことに気づかずにぐっすりと寝ていた。
パーティー[フリード]が結成されてから約1月が経った頃。このパーティーには剣士のリーファス、魔法使いのヨーダ、ヒーラーのセリリ、テイマーのトーマがいた。
「何で俺が出て行くんだよ!?」
すぐには納得がいかないテイマーのトーマ。そう、追い出すと言われたのだ。
「だってテイマーのくせして従魔が一匹もいないじゃねえか。」
「そうそう、それにそれ他のこともまったく出来ないしね。」
「ドラゴンとか仲間にするテイマーがいるって聞いたから入れたのにお前は何も出来ないからな。」
口々に彼の不満を言っていくパーティーメンバー。しかしトーマはその言葉に反論することができずただただ黙って聞くことしか出来なかった。トーマも最初のうちは最強のテイマーがドラゴンを使役していることを聞きつけテイマーを目指した。
しかし、そんな甘い話もなくドラゴンはおろかスライムやゴブリンのような初心者用のモンスターすらまともに仲間に出来なかった。
「なんでお前はテイムスキルが使えないんだよ。」
彼はテイマーであるにもかかわらずテイムスキルを使えなかった。テイマーになればどんなに弱くてもテイムスキル自体は使える。その魔法を使いって仲間にするのだが、彼はスキルが使えないせいでいつまで経っても従魔が出来なかった。
「そういうわけだ、だからこのパーティーを出て行ってくれ。」
そんな言葉が深くトーマに刺さった。パーティー結成後の最初の頃はテイムに失敗したとき怒ることはなかった。しかし、トーマ以外のメンバーが力をつけてきた頃何も出来ないトーマを足手まといに感じはじめてきた。
「......ああ、わかった。俺も薄々気づいてた。出て行くよ。頑張れよ。」
トーマはギルドに預けていた荷物も回収しすべての荷物と金を持ってパーティーを抜けた。ギルドではパーティーメンバーの脱退に関しては基本自由になっている。人知れず[フリード]からテイマーのトーマが抜けた。
「よし、あの足でまといも抜けたことだしこの[フリード]もまた強くなるはずだ。目指すぞSランクパーティーだ。」
[フリード]はトーマが抜けたことにより一層絆が深まった。
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「はあ、追い出されるなんて。実家に帰るしかないか。」
トーマはとてもじゃないが一人で冒険者活動が出来るとは思わず、仕方なく田舎にある実家に帰ることにした。彼の家は農業を営んでいたため仕事に困ることはなかった。
「やあ、母さん。」
「あれトーマ帰ってきてたんだね。」
「ああ、冒険者を辞めたんだ。だからここで農業を手伝うことにしたんだ。」
「一体何が...いやそうかい。今日はゆっくりしな。」
彼の母は突然の息子の帰宅に驚きを隠せなかったが彼の顔を見てなんとなく察したのだ。冒険者になった頃は希望に満ち溢れていたのを母は知っていたが今は絶望に近い顔をしているのを見て聞くことをやめた。
「懐かしいなこのベッド。」
彼は冒険者の服から部屋着に着替えると、しばらく離れていた実家のことを懐かしんでいた.
「う、う、う、、」
しかし懐かしんでいるうちに冒険者を辞めたことにものすごく悲しんでいた。希望を持って冒険者になったのに強くならず仲間からも追い出され踏んだり蹴ったりのこの状況にただただ泣くしかなかった。
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彼が冒険者を辞めて実家に帰ってから約半年が経った。最初のうちは農作業に手がつけられなかったが、この生活に慣れていくうちに農作業や副業で縫裁の仕事もしていた。なんとか生計は自分自身でも立てられるようになっており、悲しんでいたトーマに接することが難しかった家族たちも彼が戻ったことに安心し家に笑いが生まれていた。
「はい、レイちゃんご飯だよ。」
2ヶ月が経った頃、彼が薬草を採りに行ってたときにたまたまご飯をあげたスライムが家についてきて実家で飼うことにした。しかしスライムには特に知能が無いので暴れることも無い。テイマーだった頃を思い出したのだ。飼うと使役するの違いはあるものの冒険者だった頃従魔がいなかった彼にはそれだけでも十分に楽しんでいた。
レイちゃんと名づけられたそのスライムは食べることだけしかせず食事以外の時間はずっと静かにいるだけだった。言葉も理解はしてないためただいるだけだった。
「トーマ、はやくあの小鳥ちゃんにもこれ上げて頂戴。」
「あ、うん。はいこれ今日の分ね。」
彼の家のベランダによく小鳥がとまっていた。その小鳥に一度ご飯をあげたら飯をくれると思い込み彼の家に住み着くようになった。最初のうちは放し飼いしていたが家族のように思い始めたトーマは小鳥を飼うために鳥かごを買いそこに小鳥を飼うことにした。
「それじゃあおやすみ。」
彼はレイちゃんを抱いて寝ることにした。スライムは中立のモンスターのため傷つけない限り抵抗することは無い。抱きながらベッドに入る。これが最近の彼の日課だ。
彼が寝ていたとき、鳥かごにある変化が起きていた。
バキャ!
突然光りだして、鳥かごが壊れてしまった。また彼のベッドにも変化が起きていた。布団の中で淡い光が出ていたが、彼はそのことに気づかずにぐっすりと寝ていた。
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