追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する

Miiya

文字の大きさ
5 / 15

第5話 街に戻る

しおりを挟む
「大丈夫かレイちゃんとルル?」

「ピイー♪」

村から出て街へ向かっている一同。まだ子供に見えるルルは大丈夫なのかトーマは心配するも本人は問題ないと言う。レイちゃんも特に問題ないようだ。

「んー、もう少し歩いたら街へ行けるんだけどな。」

トーマがかつて[フリード]の一員として活動していた街に向かっている。歩いてもそこまで時間はかからない場所にある。

「ピイー!」

「うお、グリズリーがいたのか。ありがとうルル。」

「ピルルー♪」

ルルはトーマに撫でられて嬉しそうに鳴く。レイちゃんはグリズリーを体内に取り込む。収納スペースが豊富なのか問題ない様子。

「ルルとレイちゃんがいてくれるおかげで助かるよ。俺1人じゃ冒険者を目指すことなんかできなかったよ。」

トーマは改めてレイちゃんとルルの存在に感謝する。ゴブリンにもまともに戦えるかわからないトーマにとってこの二つの存在は頼もしいを通り越している。

「ピピー!!」

「プニー!」

しかし、レイちゃんとルルはそんなトーマの言葉に抗議をする。トーマは気づいてないがレイちゃんとルルがこうしていられるのはトーマのおかげだと。

「わわ!?どうかしたの?」

しかしトーマはまだレイちゃんとルルの気持ちを簡単に察することができるほど物分かりの良い男ではなかった。

「あ、見えてきた。」

[アーノトヴィア]彼が冒険者を目指して最初に来た街で冒険者を辞めた街でもある。都市とも言えないがそれなりの発展を遂げている街である。

「とりあえず冒険者登録しないとな。」

冒険者のギルドカードがないと街に入ることすらできない。トーマはそのことを知っているため早急にギルドに行くことにした。

「おい、身分証は?」

「あ、実はこれから発行してもらうつもりで。」

案の定街の入り口の門で捕まってしまった。

「そうか、うん?お前トーマか?」

「はい、覚えていたんですか?」

「ああ、お前が[フリード]からいないっていうのを聞いていたからな。あれから半年何やってたんだ?」

「実家の方にいましてね。」

門番の兵士はどうやらトーマのことを知っていたようですこし彼の事情を聞くことにした。トーマも別に気にすることではないようで話していく。

「そうか、それで追い出されたのか。残念だったな。でもここに来たってことは……」

「はい、また冒険者になろうと思い。」

「でも前みたいなままだと……!?その後ろのモンスターから離れろ!」

「え?」

兵士は後ろにいるレイちゃんとルルを野生のモンスターだと勘違いしてしまった。だがこの反応は別におかしいものでもなく兵士としてはむしろ当たり前だ。

「あー、この子たちは俺の従魔?みたいなものですので心配しないでください。」

「ん?そうならいいや。ハーピーの方はともかくスライムの方はかなり強く見えてな。」

「ピイー!!」

「そうか、そうか、ごめんな。」

兵士は構えてた槍を戻す。ルルは槍を向けれて怒ってしまい『私はトーマの従魔』と言わんばかりにトーマにしがみつく。レイちゃんも当然トーマの肩にちょこんと乗っかる。

「なるほど、テイマーだったなお前。でもなんでこんなに強い従魔がいて辞めたんだ?」

「いやーそれが俺もあんまりわからないんですよ。」

「まあわかった、入れ。そいつら暴れさせんなよ、何かあったらトーマの責任になるからな。」

「レイちゃんとルルは暴れたりしませんよ。」

トーマはレイちゃんとルルを撫でる。まだ日が浅いがトーマは2匹は優しく、自分のために色々と動いてくれることを知っている。だからこそそんな信頼も芽生えてきている。

トーマは門を抜けまっすぐギルドに向かった。ギルドに入り受付の方に向かって歩く。

「いらっしゃいませ。どのようなご用ですか?」

「ああ、冒険者登録をして欲しいんだ。」

「かしこまりました。それではお名前を。」

「トーマ=タグスだ。」

「はい、その他に関してはこちらの紙にご記入してください。」

トーマは受付から一枚の紙をもらう。そこには職業や使う武器などが書かれていた。当然テイマーと書く。

「それでは従魔のお名前と種族をお書きください。」

「あの、実はレイちゃんの方はわかるんですがルルの方がわからなくて。ハーピーだとはわかるんですが。」

「そうですね、見たところサナ族特有の白い羽がありますがそれでも茶色はありませんしね。鑑定水晶と鑑定紙を持ってきますので少々お待ちください。」

鑑定水晶は魔力を測定するもので鑑定紙はその魔力から本人の情報が記されていくものだ。これはモンスターの種族を調べることもできる。

「お待たせしました。」

「ルル、ここに羽を置いて。」

「ピイー!」

ルルはわかったと鳴き羽を水晶にかざす。

グググ、パキン!!

「「へっ?」」

トーマと受付は思わずそんな言葉が出てしまった。割ったルルは特に驚くことなく「ピイー?」と首を傾げている。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

処理中です...