追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する

Miiya

文字の大きさ
9 / 15

第9話 恩返しを受ける

しおりを挟む
「クエストの報告しに来ました」

「かしこまりました、では討伐証明としましてゴブリンの耳をご提示ください」

レイちゃんの体からポンとゴブリンの耳が出てくる。体に入ってたのにどうして乾いた状態なのかは誰にもわからないがそのまま進んでいった。

「クエスト完了お疲れさまでした。ほかに依頼は受けていませんか?」

「いえ、これだけしか受けていません」

「かしこまりました。ほかに売りたいものがございましたらご遠慮なくお渡しください。クエスト報酬に加えて金額をお渡しします」

「わかりました。レイちゃん魔石を取り出して」

トーマに頼まれレイちゃんは体内からゴブリンの魔石を取り出す。

「魔石を取り出したんですか!?しかもこんなにきれいだなんて」

「実はこのレイちゃんすごい解体が得意なんですよ。すごい丁寧なんです」

「ふふ、そうなんですね。それではしばらくお待ちください」

レイちゃんは褒められてその場でぴょんぴょんと跳ねる。ルルもつられるようにうれしそうな鳴き声を上げる。しばらくした後に袋を持って受付さんが戻ってくる。

「こちらが報酬金です。魔石の状態が完璧でしたので色を付けておきました」

そう言って受付さんはクエスト報酬金と素材の売却金を渡す。さすがにお金はレイちゃんも回収しようとはせずにカバンにしまう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ただいま戻りました!!」

「ピー♪」

「プニプニ♪」

ギルドから戻り言われた通りにソフィアの家に戻ったトーマたち。家に戻るとそこにはすごい光景があった。

「帰ってきたか。すまないがもう少し待ってくれ、アリーがまだ夜ご飯を作ってる途中なんだ」

キッチンのほうにアリーがいてそこにはすでにたくさんの種類の料理が置いてあった。肉料理にサラダ、パン、煮込みスープなどパーティーを開くんじゃないかと思うほどの量だ。

「わかりました、リビングのほうで待たせてもらいます」

「ルルちゃんー羽触らせてー」

ルルの可愛さにすでに魅了されてしまってるソフィアがルルが来たと同時に近づいてくる。ルルもその期待に応えるように羽を広げてソフィアをキャッチする。

「トーマ、すこしいいか?」

ソフィアがルルと遊んでいる一方べラスは真剣な顔でトーマを呼ぶ。トーマもある程度勘づいてるのか何も言わずレイちゃんを抱きながらついていく。

「命の恩人のお前にこんなことを聞くのはどうかと思うがここに一時的に住む以上確認しておきたいことがある。それはお前の従魔についてだ。」

「やっぱりそれですか」

「もちろん襲ってくるなんて疑ってないがそれでも魔物に変わりはない」

その言葉にレイちゃんはブルルと震える。

「今みたいに言葉を理解するスライムなんてまずいない。あのハーピーのルルも聖魔法を使えるなんて異常の中の異常だ。どうしても気になるんだ」

「そうですか、詳しいことは言えませんがなるべくは教えるつもりです」

「構わない。俺も無理に詮索するつもりはない」

トーマはギルドで言われたレイちゃんとルルについて言える範囲でべラスに伝えた。ある程度の能力、レイちゃんが解体できたり言葉を理解したうえでほぼ満点回答の動きをすること、ルルの聖魔法を病気以外に外傷もしっかりと治せたりゴブリンなら何体来ても軽く倒せる能力を持っていることを。

「そうか。...はーー少し落ち着かせてくれ。想像以上でな」

「そうですよね、俺もかなり驚きましたんで」

「教えてくれてありがとうな、決してこの話を他人には、アリーやソフィアにも話さない。約束だ」

「はい、」

トーマとべラスの間で固い握手が結ばれた。そしてその上に青い触手が乗っかる。

「そうだな、レイちゃんも話を聞いていたもんな」

「プーニ♪」

はははとトーマとべラスはともに笑いあう。それにあわせるようにレイちゃんもぴょんぴょんと楽しそうに跳ねる。

「あんたたちーーご飯ができたよ!!」

「これで堅苦しい話は終わりだ。飯だ飯」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ふおーーー」

「ピーー!!」

「プニー!」

「どうだい、今日はトーマたちが来てくれたんだ。これぐらいは当然だよ」

トーマたちの前にハンバーグがどっさりとなった皿、6種類もあるパンの籠、2人前の入ったサラダが3皿ありドレッシングも何種類も置いてある。ほかにも肉と野菜のスープも出されていた。

「ささ、たんとお食べ!」

いただきます!と一斉に皿を手に取り大皿に乗ってる料理をどんどんとっていく。レイちゃんはコップにスポンと入って大好きな水を飲む。その様子をみたアリーは別皿に水を用意する。その皿は真ん中にくぼみがあるためレイちゃんは飲みやすそうだ。

ルルも大好きな肉料理のハンバーグをどっさりと乗せる。それを見たトーマは別のさらにちゃんとサラダを乗せてルルの前に置く。戦闘面では全く問題ないがこのような子どもにありがちな行動を教育するためにトーマはルルの動きに目を光らせている。

ルルは少し嫌な顔をするも「しっかり食べないと大きくなれないよ」と子どもに効果てきめんなセリフをトーマが言うとしぶしぶサラダも食べた。

「トーマは酒を嗜むか?」

「いえ、うちの実家はあんまりお金がなく飲む機会がなかったですしべろべろになってしまうとこの子達に示しがつきませんからね」

「そうか、わかった」

べラスは少ししょんぼりとするも自分のグラスに赤ワインを注ぐ。彼は酒に弱いためいつもはアリーに止められるが今日はいいかと黙認した。夜ご飯は終始笑顔が絶えなかった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

処理中です...