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「ぬ、脱いだ?」
「ああ」
「じゃあそっち行くね?」
馬を繋ぐ大きな岩陰で服を脱ぎ、下着姿になると、濡れた衣服で前を隠しながらカインの元へ歩み寄った。
カインは防水の布を地面に轢き、全身毛布にくるまっている。
毛布は一枚しかないので、一緒に包まるしかないと言う結論に至ったけど……
「ほら」
「……」
カインが毛布の前を開けると、同じく下着姿の上半身裸になった彼の逞しい肉体が露わになった。
初めて見る彼の裸に、思わず及び腰になって見入ってしまう。
流石の鍛え抜かれた厚い胸筋に、バキバキに割れた腹筋。チラリと見える上腕二頭筋は細身ながらもしっかりと隆起している。
「……何ジロジロ見てるんだ。変態」
「あ、ごごごごめん。いや~流石、王宮騎士様の肉体は一味違いますな」
「くだらないこと言ってないで早く入れ。寒い」
「わっ!?」
片手を引かれ、半ば倒れ込むように彼の胸元へ背中が当たる。
私がカインの足の間に腰を落ち着けると、彼は私を羽交締めにするような形で毛布の前を閉じた。
「…………」
せ、背中に。カインの生肌が、筋肉がいるのを感じる……。
居た堪れなくて、少し距離を取ろうと目の前の焚き火の方へ向かってにじり出ると、ぎゅ、と強く抱きすくめられて、益々密着することとなった。
カインの逞しい腕が、私の貧相な胸元で交差して背中を彼の胸元へ押し付けられる。
こんなにもカインと近付くことも、抱きしめられることも初めてで。
冷え切った体は触れ合った部分から徐々に温まり、いっそ熱いまでになってきた。
「あ、あのカイン!」
あまりの恥ずかしさに思わず背後のカインを振り返ろうとすると、今にも唇同士が触れ合うのではないかと言うほどに近い距離に、面食らった。
「……ちょっとちかい……」
「こうしてないと寒いだろ」
「で、でも」
「自分で言い出したくせに何恥ずかしがってるんだ」
「だ、だって! 一緒に包まるって発想はなかったから。だから……」
カインは、たまに忘れそうになるけど、かっこいい。殿下とはまた違う種類の美形だけど、10人に聞いたら10人が容姿の良さを評価するくらいには、顔が良い。だから、改めて彼の顔の良さを認識するのは心臓に悪いのだ。
これ以上至近距離のカインの顔を見上げ続けるのが居た堪れず、私は俯いた。
どうしよう。このままの体勢でずっといたら、カインが相手なのに、どうにかなっちゃいそうなんだけど。
「……耳赤い」
「ひゃっ!?」
耳に何か柔らかい感触が触れて、全身が跳ねた。
そのまま熱い息が当たり、カインの唇が私の耳へそっと触れていたことに気付いた。
「な、なにすんの!」
「いや、近いから当たるんだよ。お前耳弱いんだな」
「な……ッ…ひ。あっ、耳元で喋らないでっ」
うなじの辺りにまた柔い感触を感じ、吹き掛かるカインの熱い息に思わず腰が跳ねる。
まずい、なんだか変な空気だ。
カインから感じる甘い雰囲気に、思わずカインの腕を握り締め、身を捩る。
不意に、お尻の辺りに、何か硬い感触を感じた。
下着越しではあるが、これはーー
「カイン、あの」
「なに」
「何か、おしりに……」
「……」
生温かく、硬い感触のそれは、ビクンと、私のお尻の下で脈打った。
「生理現象だから。気にしなくていい」
「いや気にするよ。だって、」
カインが、勃起している。
あの堅物真面目オカンのカインが、おちんをおっ勃てている。それも多分、私に。
そう考えると、カッと全身の血が沸き立ち、顔が熱くなった。
私を抱きすくめるカインの腕を握りながら、焚き火に視線をやったまま、尋ねる。声が少し震えた。
「興奮、してるの、カイン」
「……しない訳、ないだろこんな状況」
溜息混じりに耳元で囁かれ、下腹部が熱くなった。
「……ッ! うそ、だ、だってカインは私の……」
「私の?」
「保護者、みたいなもので、」
「それだけ?」
「それで、大事な、人で」
「うん。……でも、俺の大事とは、きっと種類が違うな」
そう言うと、カインは私の首筋へ顔を埋め、唇を押し当ててきた。
「……ぁっ、か、かいん……」
そのまま徐々に口付けを落とし、最後に耳介へ噛み付かれる。
「ひゃぁん!」
「は……かわいい声…………我が強いと思ったら弱いところを見せてきたり、積極的かと思えば恥じらったり……」
「ちょ、まって、ぁっ、カインッ」
「お前にはいつも振り回されて……でも、それも居心地が良くて」
そのまま耳介を湿った舌でくすぐられ、ふっと息を吐かれると、ぞくぞくと快楽が腰をなぞり上げる。
「殿下のものになったとしても、我慢しようと思った。でも、悪い……もう限界だ」
顎を掴まれ、上を向かされる。
蕩けるように波打った、海色の瞳に見据えられ、心臓が高鳴った。
「んぅっ!?」
唇を唇で塞がれた。
うそ、うそ、私、カインにキスされてるーー!?
ざらついた、生温かい感触が口内を滑り、逃れようとすると、また口付けを深くされる。
タガが外れたかのような、貪るような口付けに頭の芯が痺れ始める。
信じられなかった。あのカインにキスされているなんて。でも夢中になって私の唾液を啜るカインに、なんだか愛おしい気持ちが生まれて、私も成されるがままに唇を明け渡していた。
「んっ」
秘処にくすぐったい快感を覚え、身を捩る。
カインの片手が脚の間に滑り込み、私の秘裂を下着越しになぞっていた。
カインにここへ触れられるのは何度目だろう。主従の関係こそあれど、普通の友人だと思っていた私達も、よくよく考えたら全然まともな関係じゃなかったのかもしれない。
下腹部に感じるこのときめきも、友人に感じるのはおかしなものなのだろうか。
そんな思考も、下着の中に侵入したカインの長い指が、淫粒を引っ掻いたことにより弾けた快楽で霧散した。
「ぁっ、!? ひ、ァッ、ああっ、」
「きもちいか? お前、ここ好きだもんな」
くにゅくにゅと、こよりを作るように陰核を揺らされ、カインの胸にもたれながら、びくびくと感じてしまう。
「また溢れてきた……」
「ひぅっ」
「下のここで、殿下のものも受け入れてるのか? こんな、小さい口で……」
「あ、っ、やぁっ! くちゅくちゅ、しないでぇっ」
ねちっこく人差し指と中指を抽送されると、私のナカの隘路は快楽で歓喜し、彼の指を締め付ける。
それに気付いてか、私の良いところを重点的に押しては、カインは私の耳介をなぞり舐め上げてくる。
ぐちゅぐちゅと、愛液に塗れたアソコの音と、私の耳元での水温がいやらしく共鳴して、洞の中に響き渡っている。
カインの指を咥え込んだまま、一度呆気なく果てると、私は彼の胸にしなだれ掛かった。
下のお口から指を引き抜くと、カインは再び私を上向かせ、唇を喰んだ。
絶頂の余波に思考回路が熟れている中でも、カインと口付けを交わすこの状況に、我が事ながら驚く。
「んっ…ぶ、っ…ふぁ…」
カインと、えっちなキスをしてしまっている。形の良い薄い唇が私の唇を覆い、笑った時に見える真っ赤な舌が、私の口内を蠢く。歯列をゆったりとなぞったかと思うと、舌先で上顎を舐め上げられ、舌の根本から先までにかけてねっとりと唾液ごと絡め取られる。
口内の蹂躙から解放されると、互いの舌先から唾液の線がきらきらと伸びた。
熱に浮かされたような、蕩けるような眼差しで私を見下ろすカインは、とびきり色っぽくて。こんなカインの表情は、初めて見た。私に殿下との夜の前の手解きをしてくれた時とはまた異なる、甘い視線。
まるで、恋人を見つめるような……。
ぐり、と、終始臀部に押し付けられていた固いモノが動き、びくりと全身が反応する。
カインは背中に手を添えながら、私を丁寧に布の上へ寝かせると、己の下着を下ろした。
ぶるんっと、その姿を露わにしたカインの分身は太く長くて。大きくなった男性器を目にしたのは初めてだけれど、それが平均サイズを優に超えていることは理解できた。
ビキビキに血管の浮き出たそれは、可愛らしいものとは言い難く。戦々恐々と彼の男根を観察していると、彼は顔を赤くして腰を引いた。
「そんなに見るな。恥ずかしい」
「だ、だってカインの、おっきい……」
「……っ!」
何故か彼の肉棒がびくん、と震えた。先端からはぷっくりと我慢汁まで湧き出ている。
顔を真っ赤にしたカインは、仰向けに横たわる私に近付き、覆い被さると、至近距離で顔を覗き込んできた。
「……殿下のよりも、か?」
「……」
この期に及んで秘密にしておくべきなのだろうか。
けれど、王太子殿下の命令は絶対だ。彼が言うなと言うのであれば、話すべきではないのだ。
私は肯定も否定も表さないよう、カインから視線を逸らした。
それをどう捉えたのか、カインは顔を顰めると、私の顎を掴み、何度目かのキスをしてきた。唇を離すと、至極真面目な面持ちで、私を見下ろしてくる。
秘裂へ先端を当てがわれ、心臓が高鳴ると同時に、背筋がぞくりと寒くなる。
どうしよう、このまま流されたまま、カインと一線を超えてしまっても良いのだろうか。
恋人関係でもない、友人で私の従者であるカインとーー
閉じられた陰唇を割り開くように、亀頭が押し込まれる。
当然のように閉じられたままの隘路は、それをすんなりと受け入れることはなく……
「いたたたたたたたっ!?」
「!?」
下半身へ走ったあまりの激痛に、私はバシバシとカインの背中を叩いた。
私の全力の抵抗と異常な痛がり方に、カインも流石に腰を引き、私のアソコを解放する。
「…………」
「…………」
「……カイン、ごめんね。私、殿下とえっち、したことない」
「……は!?」
カインの驚愕の声が、洞の中に響き渡る。
かくかくしかじか、事の顛末を説明した。
「ーーなので、私は引き続き処女でして……このことは絶対に内密に何卒……あいた!? なんでチョップするの!?」
「一回ぐらい叩かせろ。俺が今まで一体どんな思いで……いや、もういい」
何やらブツブツ呟きながら、額を押さえて項垂れるカイン。
ガシガシと髪を掻き混ぜると、カインがいそいそと脱いでいた下着を履き始めたものだから、呆然としてしまう。
「ん、どうした?」
「いや、あの、えっと……あれ? 下着……」
「……流石に頭冷えたよ。無理矢理しようとして、ごめん」
毛布を掴むと、私を背後から抱き込むようにして毛布に包まりながら、謝られた。
私もずらされたショーツを整えながら、再びカインの背にもたれ、その場に座る。
「……お前の気持ちも考えずに、自分の感情を優先した。……最悪だよ」
「そんなこと……私も、流されちゃったし」
「だからだよ」
ぎゅっと、私を羽交締めする腕に力を込められ、背後のカインを見上げた。
その瞳の中の海は穏やかなものに戻っており、けれどどこか寂しげだった。
「お前のことが大切だから、流されるままに痛い思いをさせたくない。ほんと、どうかしていた」
カインの言葉に、安堵と共に胸が熱くなった。
大切。私も、カインのことが大切だ。でも、この胸のあたりに感じる浮ついた温かさは、それだけなのだろうか。
沈黙が続く。その静けさが、なんだか落ち着かない。心臓の音が、火の音よりも大きく聞こえてしまいそうで。
臆病な私はひたすらに、垣間見えた己の気持ちに蓋をした。
見て見ぬ振りをして、自分を守ることにした。
その後吹雪が止むと、私達を探してくれていたミーニャ達と合流し、今回は悪天候につき道を引き返して帰路に着くのだった。
「ああ」
「じゃあそっち行くね?」
馬を繋ぐ大きな岩陰で服を脱ぎ、下着姿になると、濡れた衣服で前を隠しながらカインの元へ歩み寄った。
カインは防水の布を地面に轢き、全身毛布にくるまっている。
毛布は一枚しかないので、一緒に包まるしかないと言う結論に至ったけど……
「ほら」
「……」
カインが毛布の前を開けると、同じく下着姿の上半身裸になった彼の逞しい肉体が露わになった。
初めて見る彼の裸に、思わず及び腰になって見入ってしまう。
流石の鍛え抜かれた厚い胸筋に、バキバキに割れた腹筋。チラリと見える上腕二頭筋は細身ながらもしっかりと隆起している。
「……何ジロジロ見てるんだ。変態」
「あ、ごごごごめん。いや~流石、王宮騎士様の肉体は一味違いますな」
「くだらないこと言ってないで早く入れ。寒い」
「わっ!?」
片手を引かれ、半ば倒れ込むように彼の胸元へ背中が当たる。
私がカインの足の間に腰を落ち着けると、彼は私を羽交締めにするような形で毛布の前を閉じた。
「…………」
せ、背中に。カインの生肌が、筋肉がいるのを感じる……。
居た堪れなくて、少し距離を取ろうと目の前の焚き火の方へ向かってにじり出ると、ぎゅ、と強く抱きすくめられて、益々密着することとなった。
カインの逞しい腕が、私の貧相な胸元で交差して背中を彼の胸元へ押し付けられる。
こんなにもカインと近付くことも、抱きしめられることも初めてで。
冷え切った体は触れ合った部分から徐々に温まり、いっそ熱いまでになってきた。
「あ、あのカイン!」
あまりの恥ずかしさに思わず背後のカインを振り返ろうとすると、今にも唇同士が触れ合うのではないかと言うほどに近い距離に、面食らった。
「……ちょっとちかい……」
「こうしてないと寒いだろ」
「で、でも」
「自分で言い出したくせに何恥ずかしがってるんだ」
「だ、だって! 一緒に包まるって発想はなかったから。だから……」
カインは、たまに忘れそうになるけど、かっこいい。殿下とはまた違う種類の美形だけど、10人に聞いたら10人が容姿の良さを評価するくらいには、顔が良い。だから、改めて彼の顔の良さを認識するのは心臓に悪いのだ。
これ以上至近距離のカインの顔を見上げ続けるのが居た堪れず、私は俯いた。
どうしよう。このままの体勢でずっといたら、カインが相手なのに、どうにかなっちゃいそうなんだけど。
「……耳赤い」
「ひゃっ!?」
耳に何か柔らかい感触が触れて、全身が跳ねた。
そのまま熱い息が当たり、カインの唇が私の耳へそっと触れていたことに気付いた。
「な、なにすんの!」
「いや、近いから当たるんだよ。お前耳弱いんだな」
「な……ッ…ひ。あっ、耳元で喋らないでっ」
うなじの辺りにまた柔い感触を感じ、吹き掛かるカインの熱い息に思わず腰が跳ねる。
まずい、なんだか変な空気だ。
カインから感じる甘い雰囲気に、思わずカインの腕を握り締め、身を捩る。
不意に、お尻の辺りに、何か硬い感触を感じた。
下着越しではあるが、これはーー
「カイン、あの」
「なに」
「何か、おしりに……」
「……」
生温かく、硬い感触のそれは、ビクンと、私のお尻の下で脈打った。
「生理現象だから。気にしなくていい」
「いや気にするよ。だって、」
カインが、勃起している。
あの堅物真面目オカンのカインが、おちんをおっ勃てている。それも多分、私に。
そう考えると、カッと全身の血が沸き立ち、顔が熱くなった。
私を抱きすくめるカインの腕を握りながら、焚き火に視線をやったまま、尋ねる。声が少し震えた。
「興奮、してるの、カイン」
「……しない訳、ないだろこんな状況」
溜息混じりに耳元で囁かれ、下腹部が熱くなった。
「……ッ! うそ、だ、だってカインは私の……」
「私の?」
「保護者、みたいなもので、」
「それだけ?」
「それで、大事な、人で」
「うん。……でも、俺の大事とは、きっと種類が違うな」
そう言うと、カインは私の首筋へ顔を埋め、唇を押し当ててきた。
「……ぁっ、か、かいん……」
そのまま徐々に口付けを落とし、最後に耳介へ噛み付かれる。
「ひゃぁん!」
「は……かわいい声…………我が強いと思ったら弱いところを見せてきたり、積極的かと思えば恥じらったり……」
「ちょ、まって、ぁっ、カインッ」
「お前にはいつも振り回されて……でも、それも居心地が良くて」
そのまま耳介を湿った舌でくすぐられ、ふっと息を吐かれると、ぞくぞくと快楽が腰をなぞり上げる。
「殿下のものになったとしても、我慢しようと思った。でも、悪い……もう限界だ」
顎を掴まれ、上を向かされる。
蕩けるように波打った、海色の瞳に見据えられ、心臓が高鳴った。
「んぅっ!?」
唇を唇で塞がれた。
うそ、うそ、私、カインにキスされてるーー!?
ざらついた、生温かい感触が口内を滑り、逃れようとすると、また口付けを深くされる。
タガが外れたかのような、貪るような口付けに頭の芯が痺れ始める。
信じられなかった。あのカインにキスされているなんて。でも夢中になって私の唾液を啜るカインに、なんだか愛おしい気持ちが生まれて、私も成されるがままに唇を明け渡していた。
「んっ」
秘処にくすぐったい快感を覚え、身を捩る。
カインの片手が脚の間に滑り込み、私の秘裂を下着越しになぞっていた。
カインにここへ触れられるのは何度目だろう。主従の関係こそあれど、普通の友人だと思っていた私達も、よくよく考えたら全然まともな関係じゃなかったのかもしれない。
下腹部に感じるこのときめきも、友人に感じるのはおかしなものなのだろうか。
そんな思考も、下着の中に侵入したカインの長い指が、淫粒を引っ掻いたことにより弾けた快楽で霧散した。
「ぁっ、!? ひ、ァッ、ああっ、」
「きもちいか? お前、ここ好きだもんな」
くにゅくにゅと、こよりを作るように陰核を揺らされ、カインの胸にもたれながら、びくびくと感じてしまう。
「また溢れてきた……」
「ひぅっ」
「下のここで、殿下のものも受け入れてるのか? こんな、小さい口で……」
「あ、っ、やぁっ! くちゅくちゅ、しないでぇっ」
ねちっこく人差し指と中指を抽送されると、私のナカの隘路は快楽で歓喜し、彼の指を締め付ける。
それに気付いてか、私の良いところを重点的に押しては、カインは私の耳介をなぞり舐め上げてくる。
ぐちゅぐちゅと、愛液に塗れたアソコの音と、私の耳元での水温がいやらしく共鳴して、洞の中に響き渡っている。
カインの指を咥え込んだまま、一度呆気なく果てると、私は彼の胸にしなだれ掛かった。
下のお口から指を引き抜くと、カインは再び私を上向かせ、唇を喰んだ。
絶頂の余波に思考回路が熟れている中でも、カインと口付けを交わすこの状況に、我が事ながら驚く。
「んっ…ぶ、っ…ふぁ…」
カインと、えっちなキスをしてしまっている。形の良い薄い唇が私の唇を覆い、笑った時に見える真っ赤な舌が、私の口内を蠢く。歯列をゆったりとなぞったかと思うと、舌先で上顎を舐め上げられ、舌の根本から先までにかけてねっとりと唾液ごと絡め取られる。
口内の蹂躙から解放されると、互いの舌先から唾液の線がきらきらと伸びた。
熱に浮かされたような、蕩けるような眼差しで私を見下ろすカインは、とびきり色っぽくて。こんなカインの表情は、初めて見た。私に殿下との夜の前の手解きをしてくれた時とはまた異なる、甘い視線。
まるで、恋人を見つめるような……。
ぐり、と、終始臀部に押し付けられていた固いモノが動き、びくりと全身が反応する。
カインは背中に手を添えながら、私を丁寧に布の上へ寝かせると、己の下着を下ろした。
ぶるんっと、その姿を露わにしたカインの分身は太く長くて。大きくなった男性器を目にしたのは初めてだけれど、それが平均サイズを優に超えていることは理解できた。
ビキビキに血管の浮き出たそれは、可愛らしいものとは言い難く。戦々恐々と彼の男根を観察していると、彼は顔を赤くして腰を引いた。
「そんなに見るな。恥ずかしい」
「だ、だってカインの、おっきい……」
「……っ!」
何故か彼の肉棒がびくん、と震えた。先端からはぷっくりと我慢汁まで湧き出ている。
顔を真っ赤にしたカインは、仰向けに横たわる私に近付き、覆い被さると、至近距離で顔を覗き込んできた。
「……殿下のよりも、か?」
「……」
この期に及んで秘密にしておくべきなのだろうか。
けれど、王太子殿下の命令は絶対だ。彼が言うなと言うのであれば、話すべきではないのだ。
私は肯定も否定も表さないよう、カインから視線を逸らした。
それをどう捉えたのか、カインは顔を顰めると、私の顎を掴み、何度目かのキスをしてきた。唇を離すと、至極真面目な面持ちで、私を見下ろしてくる。
秘裂へ先端を当てがわれ、心臓が高鳴ると同時に、背筋がぞくりと寒くなる。
どうしよう、このまま流されたまま、カインと一線を超えてしまっても良いのだろうか。
恋人関係でもない、友人で私の従者であるカインとーー
閉じられた陰唇を割り開くように、亀頭が押し込まれる。
当然のように閉じられたままの隘路は、それをすんなりと受け入れることはなく……
「いたたたたたたたっ!?」
「!?」
下半身へ走ったあまりの激痛に、私はバシバシとカインの背中を叩いた。
私の全力の抵抗と異常な痛がり方に、カインも流石に腰を引き、私のアソコを解放する。
「…………」
「…………」
「……カイン、ごめんね。私、殿下とえっち、したことない」
「……は!?」
カインの驚愕の声が、洞の中に響き渡る。
かくかくしかじか、事の顛末を説明した。
「ーーなので、私は引き続き処女でして……このことは絶対に内密に何卒……あいた!? なんでチョップするの!?」
「一回ぐらい叩かせろ。俺が今まで一体どんな思いで……いや、もういい」
何やらブツブツ呟きながら、額を押さえて項垂れるカイン。
ガシガシと髪を掻き混ぜると、カインがいそいそと脱いでいた下着を履き始めたものだから、呆然としてしまう。
「ん、どうした?」
「いや、あの、えっと……あれ? 下着……」
「……流石に頭冷えたよ。無理矢理しようとして、ごめん」
毛布を掴むと、私を背後から抱き込むようにして毛布に包まりながら、謝られた。
私もずらされたショーツを整えながら、再びカインの背にもたれ、その場に座る。
「……お前の気持ちも考えずに、自分の感情を優先した。……最悪だよ」
「そんなこと……私も、流されちゃったし」
「だからだよ」
ぎゅっと、私を羽交締めする腕に力を込められ、背後のカインを見上げた。
その瞳の中の海は穏やかなものに戻っており、けれどどこか寂しげだった。
「お前のことが大切だから、流されるままに痛い思いをさせたくない。ほんと、どうかしていた」
カインの言葉に、安堵と共に胸が熱くなった。
大切。私も、カインのことが大切だ。でも、この胸のあたりに感じる浮ついた温かさは、それだけなのだろうか。
沈黙が続く。その静けさが、なんだか落ち着かない。心臓の音が、火の音よりも大きく聞こえてしまいそうで。
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