楽園の在処

まめ太郎

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 月と星が蹲る俺に馬鹿にしたような視線を送ると、藤崎にまとわりついた。
「ねえ、藤崎さん、遊ぼう」
 月が人差し指で藤崎のうなじをくすぐりながら言う。
「うん、俺も藤崎さんにかまって欲しい」
 反対側の耳元でそう星が囁いた。

「お前ら眠くねえのかよ」
「だって昼間ずっと寝てたもん」
「昼夜逆転もほどほどにしとけよ。硝は?」
 藤崎の問いに「俺も目が冴えた」と答えている。

「そうか。じゃあ、海の歓迎会も兼ねてちょっと遊ぶか」
 藤崎はにやりと笑って言った。
「おい、月と星。海に中の洗い方、教えてやれ」
「えっ…はあい」
 渋々と二人は頷く。
 藤崎はまだ蹲っている俺の前に片膝を着いた。
「いいか、海。星と月。二人の先輩の言うことを良く聞くんだぞ」
 藤崎はくしゃりと俺の頭を撫でると、そのまま一つの部屋に入って行った。
 硝は俺を一瞬見たが、すぐに興味をなくしたようで藤崎の後を追った。
「さあ、じゃ、とりあえずお風呂行こうか?」
 星の言葉に俺は唇を噛み、項垂れた。

「だから、暴れんなって言ってんじゃん。辛い思いするのは自分なんだからね」
「うるせえ。変な真似すんじゃねえ」
 馬鹿みたいに広い風呂場のタイルの上で、俺は上に乗っていた星を乱暴に突き飛ばした。

 あれから風呂場で注射器型の下剤を尻から入れられ、トイレで苦しんだ後、風呂場に連れ戻された俺は、いきなりケツに指を突っ込まれた。あまりの痛みに我慢の二文字は俺の頭から消え失せた。
 俺に押されたせいで尻餅をついた星がすごい顔でこちらを睨んでいる。
 月は俺の態度に呆れたのかどこかに行ってしまった。

「あのさあ、自分の立場分かってんの?」 
 星の言葉に俺はぷいっと顔を背けた。
「うわ、感じ悪い。お前みたいに顔も可愛くないし、性格も最悪な奴、なんで藤崎さん飼うことにしたんだろ」
 星が俺に向かってべっと舌を出した。
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