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指定された時間は昼ちょっと前なので、ラッシュに巻き込まれなかったのは良かった。
ただ、本格的に通勤を始めたら、俺の実家からここまで片道二時間はかかる。
通勤も混むだろうし、一人暮らしも考えなくちゃなと思いながら、受付に人事とアポがある旨を伝えた。
受付の女性に奥のエレベーターに案内され、俺は10階の人事室のあるボタンを押した。
人事室の扉を開けるとパソコンの置いてある机がずらっと並んでいた。
一人の若い男性が、俺に気付き笑顔で立ち上がる。
「神崎君ですよね?どうぞこちらへ。」
小さな会議室に案内され、そこで給料や勤務の説明を受けた。
「神崎君にはこのビルの17階にある、海外事業部で働いてもらいます。一応勤務時間は9時から18時30分までなんですが、できたばかりの部だからなにぶん忙しくて。残業がの日が多くなるかと思います。何かあったら上司と相談してもらって。もし上司に言いにくいことがあれば、直接人事の僕、川瀬(カワセ)を頼ってもらってもいいから。」
その時部屋にノックの音が響いた。
「失礼します。」
入って来た男は俺より少し年上だろうか。
会社員のわりに明るめな髪色をして、ワックスで髪をつんつんと逆立てている。
「ああ、清宮さん。こちらへ。」
清宮と呼ばれた男が近づいて、俺に軽く会釈する。
俺も立ち上がってお辞儀を返した。
「神崎君。彼は清宮晴人(キヨミヤ ハルト)君。神崎君の指導担当者になるからね。」
「よろしくお願いします。」
「はい、よろしくね。」
清宮さんは人懐っこい笑顔を浮かべて、俺にそう言った。
「まあ、百聞は一見にしかず。川瀬、もう神崎君連れて行っていいんだろ。」
「ああ。神崎君、じゃあ、頑張ってね。」
川瀬さんに笑顔で見送られ、俺は会議室を後にした。
「神崎って今、いくつ?」
「24になります。」
「そうなんだ。俺、26。年近いね。よろしく~。」
エレベーターの中でそんな会話を交わす清宮さんは、見た目を裏切らないチャラい話し方だった。
「まあ、でも本当神崎来てくれて助かったよ。うちの部、かなり今大変で。覚悟しといてね。」
先を歩いていた清宮さんが振り返ってそう言う。
清宮さんが扉を開けた先にあったのは、かなり騒々しいフロアだった。
ひっきりなしに電話が鳴り、何語かも分からないような言語まで飛び交っている。
清宮さんはその喧騒の中を泳ぐように、窓際の机に近づいて行った。
ただ、本格的に通勤を始めたら、俺の実家からここまで片道二時間はかかる。
通勤も混むだろうし、一人暮らしも考えなくちゃなと思いながら、受付に人事とアポがある旨を伝えた。
受付の女性に奥のエレベーターに案内され、俺は10階の人事室のあるボタンを押した。
人事室の扉を開けるとパソコンの置いてある机がずらっと並んでいた。
一人の若い男性が、俺に気付き笑顔で立ち上がる。
「神崎君ですよね?どうぞこちらへ。」
小さな会議室に案内され、そこで給料や勤務の説明を受けた。
「神崎君にはこのビルの17階にある、海外事業部で働いてもらいます。一応勤務時間は9時から18時30分までなんですが、できたばかりの部だからなにぶん忙しくて。残業がの日が多くなるかと思います。何かあったら上司と相談してもらって。もし上司に言いにくいことがあれば、直接人事の僕、川瀬(カワセ)を頼ってもらってもいいから。」
その時部屋にノックの音が響いた。
「失礼します。」
入って来た男は俺より少し年上だろうか。
会社員のわりに明るめな髪色をして、ワックスで髪をつんつんと逆立てている。
「ああ、清宮さん。こちらへ。」
清宮と呼ばれた男が近づいて、俺に軽く会釈する。
俺も立ち上がってお辞儀を返した。
「神崎君。彼は清宮晴人(キヨミヤ ハルト)君。神崎君の指導担当者になるからね。」
「よろしくお願いします。」
「はい、よろしくね。」
清宮さんは人懐っこい笑顔を浮かべて、俺にそう言った。
「まあ、百聞は一見にしかず。川瀬、もう神崎君連れて行っていいんだろ。」
「ああ。神崎君、じゃあ、頑張ってね。」
川瀬さんに笑顔で見送られ、俺は会議室を後にした。
「神崎って今、いくつ?」
「24になります。」
「そうなんだ。俺、26。年近いね。よろしく~。」
エレベーターの中でそんな会話を交わす清宮さんは、見た目を裏切らないチャラい話し方だった。
「まあ、でも本当神崎来てくれて助かったよ。うちの部、かなり今大変で。覚悟しといてね。」
先を歩いていた清宮さんが振り返ってそう言う。
清宮さんが扉を開けた先にあったのは、かなり騒々しいフロアだった。
ひっきりなしに電話が鳴り、何語かも分からないような言語まで飛び交っている。
清宮さんはその喧騒の中を泳ぐように、窓際の机に近づいて行った。
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