23 / 141
第一部 第二章 (1)過去2年半前
7 閑話 アナベルの笑えない独り言……?
しおりを挟むお久しぶりに御座います。
今回ラファエル陛下より王宮内のシャロンの残党を一掃するからと言われ、エヴァ様の安全の為に売った一芝居ですが、エヴァ様……どうかお怒りになられません様にと願うばかりですわね。
それにしてもカータレット伯爵……マックス先生の処方して下さったお薬を定期的にお呑ませして後2日は、このまま静かに微睡みの中においででしょう。
本当に良く効くお薬です。
役に立たない優男……失礼少々口が過ぎましたわね、コホン、マックス先生の医師としての腕だけは認めざるを得ない様です。
普段は私より弱い……男とは思いますが、同時に何を考えているのか掴みどころのない男性だとも言えますわね。
まぁそれにしても私の大切な愛らしいエヴァ様が微睡んでいらっしゃる間に少しでもシャロンの残党を掃討して頂いて、1日も早くあの亡霊馬鹿王太子の首を刎ねて欲しいモノです。
アレがこの世にいる間はエヴァ様の真の平和は訪れないのですから……。
あぁそれとエヴァ様がお目覚めになってからの言い訳も考えておかなくてはいけませんわね。
マックス先生はちゃんとエヴァ様が復職しやすい状況で送り出して下さったのでしょうか?
もし余計な事をしていたらこの私が丁寧にお仕置きしますのでお任せ下さいませ、エヴァ様。
エヴァ様の安全はこのアナベルが責任を持ってお護りしますからね。
それにしてもエヴァ様のお眠りになるこのあどけなさの残るお美しいお顔は、世の男性には絶対に見せたくないですわ。
このルガートへ来た目的はエヴァ様のお心の治療と馬鹿の目から遠ざける為。
ですから全てが終わったら(馬鹿が死ねば……失礼)エヴァ様に全てを、今回の薬を盛った事もお話をしてきっと、いえとてもお怒りにはなられるでしょうが私はこれもそれも全てはエヴァ様の為っっ。
エヴァ様のお怒りもこのアナベル、謹んで受け入れますわっっ。
でなければきっとエヴァ様はライアーンへお戻りになられる事もないでしょうから……。
故国へお帰りになられれば国王陛下と王妃陛下は勿論の事ですが、まだお会いしていない弟君にもお会いになられる事も叶うというものです。
なんと申しましてもこの結婚は極秘裏に行われたもの。
ですからルガートの国民は勿論……ライアーンの国民や諸外国の誰にも知られてはいないのですからね。
知っているのはラファエル陛下の側近数名とルガートに居座っているシャロンの諜報員ぐらいでしょう。
その為の『白い結婚』なのです。
そうして全てが終わればあの忌々しい結婚証明書を暖炉で燃え盛る焔の中に投げ込めば――――晴れてエヴァ様は傷一つない綺麗なお身体に戻られるのです。
あぁ何と素敵な事でしょう。
男性にあまり期待は出来ないものですがしかしこの際です、エヴァ様の為に骨身を惜しまずお働きになって下さい。
最後に――――万が一骨となられましてもエヴァ様は勿論、私もその骨は拾いませんので足からず……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,398
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる